『アンナ・クリスティ(Anna Christie)』米国、英語版、を観ました。怪しげな女を漂わせたグレタガルボが15年振りに父に会いに帰省、乱れた生活をしながら父と娘はお互いがそうであった事に薄々気付いていたからこそ遠ざかっていたんでしょうか。魔性の女グレタガルボが初のトーキーでその魅力をこれでもかとハスキーな声で堪能させてくれます。魔物が住む海、海の男、海の男に群がる女と商売、父と娘、等見処がたくさん詰まっています。アイルランド人の対する見方や、旧教徒と新教徒の結婚に対するスタンス、ルター派に関するコメント、等米国史で避けては通れない宗教に関する演出も興味深いものです。
公開前には「Garbo talks!」と大々的に宣伝されたこの作品は期待以上のものであったようですね。ドイツ語版も制作されたようですが、英語版でのガルボによるトーキー初台詞である「Gimme a whisky, ginger ale on the side, and don't be stingy, baby!"」にドキドキして耳を傾けました。これが伝説?と言われる一声だったんですね。これを聴いただけでもこの映画を鑑賞した甲斐がありました。