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志・夢 英雄 ムハマド.ユヌスコミュの子どもたちの戦い フリー・ザ・チルドレン

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「子どもの権利のための世界の子ども賞」
(The World’s Children’s Prize for the Rights of the Child)

子どもたちの戦い(前編)


1992年、
パキスタンの貧しい家庭に生まれた
イクバル・マシー(Iqbal Masih)くんが、
カーペット工場で働き始めたのは、
5歳の時だった。


イクバルくんの家はとても貧しく、
お金を借りた。

借りた相手は、
カーペット工場のオーナだった。


借金と引き換えに、イクバルくんは、
「奴隷」となった。


朝から晩まで、毎日12時間、
飲まず食わずで、
カーペット工場で働かされた。

夜中でも、たたき起こされ、
働かされることもあった。


そんな日々が5年も続いた。

しかし、そんな日々も、
ついに終わりを告げる時が来た。


イクバルくんは、
1992年、パキスタンにも、
借金による奴隷労働を禁止する法律ができたこと、
そして、
奴隷状態の人たちを救出している
NPOの存在を知った。


1992年10月のある早朝、
イクバルくんは、
BLLF(Bonded Labour Liberation Front)という
NPOのところへ逃げ込んだ。


10歳になって、初めて「自由」を手に入れた。
イクバルくんの人生は一変した。


BLLFの助けで、
初めて学校へ行った。

そして、かつての自分と同じような境遇にある
子どもたちのための戦いを始めた。


奴隷のように働かされている
パキスタンの子どもたちの状況を伝えるために、
世界中をまわった。


イクバルくんが有名になるにつれ、
かつてのカーペット工場のオーナーをはじめ、
カーペット業界は、イクバルくんに腹を立て、
様々な脅迫をした。

そんな彼らに対し、
「あなた方を相手にする時間はありません」
そう言って、
イクバルくんは屈することは無かった。


イクバルくんのメッセージは、
政治家や有名人、
そして、世界中の人々の心を動かしていった。


1994年に「リーボック人権賞」を受賞し、
授賞式にアメリカを訪れた。

また、アメリカの3大ネットワークの1つ、
ABCの「パーソン オブ ザ・ウィーク」にも選ばれた。


イクバルくんの夢が、
「厳しい境遇にある子どもたちを
 救うために弁護士になること」だと知った
ボストンのある大学は、
4年間の奨学金を申し出た。


10年を、闇の中で過ごしたイクバルくんは、
12歳になって、
やっと自分の未来を手に入れた…。


だれもが、
イクバルくんの輝く未来を信じていた。



1995年、4月16日、
キリスト教のイースター祭の日の夕方、
イクバルくんは、他の2人の少年と一緒に
自転車で、食料品へ向かっていたところを、
一人の男に呼び止められた。

その男は、ショットガンの銃口を
イクバルくんに向けた。

逃げるイクバルくんの背中に
120発の散弾を浴びせた。


イクバルくんの一生は、13歳で終わった。



この後犯人が捕まるが、
多くの人たちが、
地元警察の不正逮捕だと信じている。


この事件の真犯人は、
カーペット業界が雇った
殺し屋だと信じられているが、
真相は、今だ不明のままだ。


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関係リンク

リーボック人権賞(REEBOK HUMAN RIGHTS AWARD)
http://www.reebok.com/Static/global/initiatives/rights/awards/recipients/masih.html

「DEATH OF THE SLAVEBOY」
この事件の真相を追ったスウェーデンのドキュメンタリー
http://www.oneworld.cz/oneworld/2001/english/detail.php?id=1243

Human Rights Watchの1996年のパキスタンのリポート
http://www.hrw.org/reports/1996/WR96/Asia-07.htm

Amnesty Internationalの1997年のパキスタンのリポート
http://web.amnesty.org/library/index/ENGASA330181997

The American Anti-Slavery Group
http://www.iabolish.com/slavery_today/slave_experience/narratives/iqbal_masih.html

セレブたちのメッセージ
http://mirrorimage.com/iqbal/support/support.html

The World’s Children’s Prize for the Rights of the Child (WCPRC)
http://www.childrensworld.org/page.html?pid=53



本
「イクバルの闘い―世界一勇気ある少年」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/479023150X

The Little Hero: One Boy's Fight for Freedom - Iqbal Masih's Story (Paperback)
http://www.amazon.co.uk/Little-Hero-Fight-Freedom-Masihs/dp/1904132847

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写真
左:家族と一緒のイクバルくん
中:ロックバンド、REMのボーカル、マイケル・スタイプ(左)と
  ピーター・ガブリエル(右)と一緒のイクバルくん
右:アメリカの学生と一緒のイクバルくん





子どもたちの戦い(後編)


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子どもたちの戦い
前編はこちら
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=238369478&owner_id=5766188
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子どもたちの戦い(後編)


1995年のある朝、
パキスタンの裏側、
カナダのトロントに住むひとりの男の子、
クレイグ・キールバーガー(Craig Kielburger)くん12歳は、
マンガを読もうと、何気なく新聞を手にした。


クレイグくんの目に飛び込んできたのは、
新聞の一面に載っていた
同じ年頃の
パキスタンの男の子、イクバルくんの記事だった。


その記事は、その少年が、
カーペット工場で週に6日、
一日12時間の労働を強いられていたこと。
NGOの助けで工場からの脱出に成功し、
児童労働反対をうったえる活動家として
パキスタンや欧米諸国をまわっていたこと。

そして、その少年が、何者かに
射殺されたことを伝えていた。


「最初、それを読んだとき、
 ぼくには現実のこととは思えなかった。

 だって、それまで、ぼくは、
 子どもが働かされていることも、
 借金のせいで奴隷にされてる人のことも
 知らなかったんだ。

 本当に落ち込んだよ。」

そのときの事をクレイグくんは、そう語っている。


クレイグくんは、両親に聞いた。

「これって、本当のことなの?」


両親はクレイグくんに言った。

「自分で調べてごらん。」
 


グレイグくんは、図書館に行き、
また、複数の人権団体に問い合わせた。

一週間後、クレイグくんは、
イクバルくんのこと、
子どもたちが働かされていることを
教室でクラスメイトに話した。

放課後、12人のクラスメイトが、
クレイグくんの家に集まり、
そして、「フリー・ザ・チルドレン
 (Free The Children)」を結成した。


ガレージセールや、ジュース売りなどで、
児童労働に反対するための資金を集めた。


そんな中、クレイグくんが出会ったひとりが、
こんなことを言った。

「そういう子どもたちのことを本当に知りたいんだったら、
 その子どもたちのところに、行ってみるべきじゃない?」

クレイグくん、行くことに決めた。

7週間かけて、
インド、パキスタン、ネパール、そして、タイを旅した。


そこには、
クレイグくんが知っていた以上の現実があった。


安全の確保されていない状況で、
火を扱う仕事で、重症を負った少年。

裸足で、使い古しの注射器の処理場で働く少女。

「あの子は、エイズのことも、
 使用済みの注射器によって、
 その病気が広がっていることも知らなかったんだ。


 12歳のナゲシャワー(Nageshwer)は、ぼくに、
 兄弟を逃がそうとして罰として足を焼かれたと言った。

 9歳のモーハン(Mohan)は、
 20人で、カーペット工場で働かされていた。
 その中の2人は、逃げようとしたところを捕まえられ、
 ムチとナイフで殺されたと言った。
 
 ぼくは、彼らのことを忘れることはない。」

クレイグくんはそう言った。


ちょうどクレイグくんが、インドを訪れている時、
カナダの首相が、カナダの財界人と、
経済問題の交渉にインドを訪れた。


「そこで、ぼくは、首相にFAXを送ってみたんだ。
 彼が、ぼくと会ってくれないか。
 そして、児童労働について取り上げてくれないかって。」

でも、答えは 'No'だった。

インドで児童労働について取り上げる予定は無かったし、
12歳の子どもに会う時間なんて無かった。


しかし、そのときの決定を、
首相は後悔することになる。


クレイグくんは、
自分が見たり体験したりしたことを、
マスコミに伝えた。

その話は、カナダで、
次第に大きなニュースになって行った。


ついに、カナダの首相は、クレイグくんに会い、
児童労働について取り上げると言った。


そして、その結果、カナダの貿易で、
子どもの権利を考慮するようになった。


その後も、クレイグくんは、
世界中をまわり、
あるときは政府へ、
あるときは議会へ行って、
おとなたちに、
児童労働についてもっと考えるように言った。



クレイグくんや
子どもたちの活動が大きくなるにつれ、
おとなたちは、
本当に子どもたちがこんなことをやっているのかと
質問をするようになった。


そんな質問にクレイグくんは、

「おとなたちは、子どもたちが、
 どんなに可能性があるのか分かっていないんだよ。


 逆に、子どもたちの方も、
 おとなについて分からないことがあるんだけど、

 それは、おとなたちは、
 宇宙に人を送ったり、
 核兵器を作ったりできるのに、

 なんで、世界中の子どもたちに
 十分な食事を与えられないかってことだ。」

そして、

「おとなたちには、子どもたちよりも、
 もっと大きな力と責任がある。」

そう言った。




今、フリー・ザ・チルドレンの活動は、
世界21ヶ国、
4000の学校の
3万5千人の生徒たちに広がりっている。

フリー・ザ・チルドレンは、
世界の子どもたちに、
20万個の医療品と文具を、
900万ドル、およそ10億円分送り、

また、女性たちが仕事をしお金を稼ぎ、
彼女たちの子どもたちが、働きに行かなくてもいいように、
ミシン、牛、ヤギ、そして土地を、
2万人の女性たちに援助している。



クレイグ・キールバーガーさんは、
今も活動を続け、
今年、2006年、子どものノーベル平和賞といわれる、
「子どもの権利のための世界の子ども賞」
(The World’s Children’s Prize for the Rights of the Child)を、
受賞した。


そして、
この「子どもの権利のための世界の子ども賞」は、
創設された2000年の最初の賞を、
イクバル・マシー(Iqbal Masih)くんに捧げている。



イクバルくんが殺されて、
あれから、10年がたった。

しかし、その思いは、クレイグくんをはじめ、
世界中の子どもたちに引き継がれ、
今も、さらに広がっている。


そして、現在、全世界で、
2億人以上の子どもたちが、
働かされている。

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関係リンク

フリー・ザ・チルドレン・ジャパン
http://www.ftcj.com

フリー・ザ・チルドレン(本部)
http://www.freethechildren.com

僕たちは、自由だ!―クレイグ少年の南アジア50日間の冒険記 (単行本)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4880233315


「子どもの権利のための世界の子ども賞」
The World’s Children’s Prize for the Rights of the Child
http://www.childrensworld.org

The World’s Children’s Prize for the Rights of the Child 2006:
Craig Kielburger
http://www.childrensworld.org/nominees/page.html?pid=810

The World's Children's Prize for the Rights of the Child 2000:
Iqbal Masih
http://www.childrensworld.org/page.html?pid=53

現代の奴隷制について
Anti-Slavery International
http://www.antislavery.org

RUGMARK Foundation USA
http://www.rugmark.org



日記
子どもたちの戦い
前編はこちら
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写真
左:クレイグくん
右:イクバルくん

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