松任谷正隆が77年に一演奏者/表現者ではなく(Arranger/Producer)を宣言するかのように発表した唯一のソロアルバム[夜の旅人]。小坂忠とFour Joe Half〜Caramel Mama〜Tin Pan Alleyの活動時期に書き溜めたMichael Franks(=所有)風とも言えるシンプルなサウンドに、朴訥に歌う松任谷の歌が味わい深い作品集。全ての曲が、作詞・松任谷由実/作曲/編曲・松任谷正隆(ジャケットのイラストは、松任谷由実の作)によるもので、ボーカルを努めるのは、松任谷自身。細野晴臣/鈴木茂/林立夫らのTin Pan Alleyを中心にバックを固め、キーボードは、松任谷本人。Salesにも結び付くことはなかったが、80年代以降のSOUND CREATORという概念を構築し、日本のPop Music(ポップス-和製英語)界を先導して行った!ここで創り出されたSound ProductionのFormatは以降の松任谷由美(荒井由実とは彼女のFirst Album[ひこうき雲-FIRST PRESS ORIGINAL=所有]でのSessionで出会う。1976年、結婚し、彼女は(松任谷由実)となる)のAlbumにおいて成熟を迎える。Singerとしての力量は劣りますが?、それでも名盤と感じるのはSong Writing/Arrangerとしての手腕が卓越しているからだと思います。日本のAOR(Adult-Oriented Rock)のひとつの到達点!このアルバムにおけるBack Member[Tin Pan Alley Family]を中心とした当時のStudio Musicianの大半が未だに日本のシーンを支える存在であり続けている現実には驚嘆とともに、それにとって替わる/超えるだけの若手Musicianが台頭してこないことへの淋しさも感じる。後にユーミンが(水の中のASIAへ)でカバーする(Hong Kong Night Sight)/大貫妙子を迎えての名曲(荒涼)/かまやつひろしに提供した曲のSelf Cover(霜の降りた朝)/Time FiveがChorusに参加した松任谷なりのAOR(気づいたときは遅いもの)収録!