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みんなおいでよ応化の森コミュの無機?目的?原理?

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<目的>
 本実験では銅含有化合物として身近な「緑色」を取り上げ、合成された銅含有化合物の化学的性質と物理的性質ならびにこれらの関連について検討することを目的とする。
































<原理>塩基性硫酸系化合物の合成とキャラクタリゼーション
 
 一般に、水溶液中または湿分と接触した金属の腐食とは次の仮定をさす。
すなわち、金属MがMⁿ⁺イオンのアコ鎖体(配位子は水)となって水の溶解し、酸化や加水分解などによってオール橋、オキソ橋を形成しつつ縮合重合が続き、オキシ水酸化物、水酸化物および酸化物の沈殿粒子として生成する過程がある。この沈殿粒子生成過程は非常に複雑で、十分に解明されていない部分もあるが、概ね次のように理解する事が出来る。すなわち、加水分解により生成した金属イオンMⁿ⁺が多核化し、これらが集合して胚が形成される。この胚が臨界の大きさより大きくなると、さらに成長して核となる。生成した核は成長して、ある大きさの粒子となる(一次粒子)。このように生成した一次粒子がさらに成長して、結晶化する過程は2種類ある。
(1)一次粒子が凝縮・凝結して集合体ができ、熟成により集合体内で結晶化し、結晶性粒子が生成する。
(2)一次粒子の表面へ溶質イオンが拡散・析出して結晶性粒子ができる。
 以上の過程の概念図として図1に無機ポリマーの生成過程を示す。上述のように、微粒子の生成過程は複雑であり、その後に生成する粒子の組成と構造は次の生成条件に依存する。例えば、イオン濃度、イオン強度、アニオンの種類、pH、おんど、反応時間および速度などの因子である。各種の銅の塩基性塩が生成する際、種種の環境因子に応じて生成する化合物の化学的・物理的な性質が異なる場合が多い。このことを換言すれば、合成方法の違いで、異なる組成をもつ生成物が得られる可能性がある。種種の実験条件で得られた生成物について同定(X線解析法:XRDと赤外分光法:IRを併用)した結果、以下の結果が得られた。すなわち、室温、出発原料濃度1.0M~0.1Mの範囲でPh6までの酸性領域においてはbrochantie、同濃度はんいのpH6羽状のアルカリ性域にはCuOまたはCu(OH)₂が生成した。室温、0.01M~0.001Mの範囲でpH7までの酸性域においてはPosjakite、同濃度範囲でpH7以上のアルカリ性域においてはX線的にアモファス(IRにより炭酸イオンを検出した)な物質が生成した。さらに、反応温度を3℃に下げた場合、0.1M~0.01Mの範囲のpH5~6.5の限られた範囲において、Wroewolfeiteが生成した。以上の実験結果を通じ、XRDとIRんp同手結果は良好な一致が認められ、IRによる無機化合物の同定の有用性が確認された。




 IRによる化合物同定の原理は次の通りである。すなわち、試料に赤外線を照射した際、測定(IR照射)前後の生成物の双極子モーメントが変化する場合のみ、そのIRスペクトルが観測される。観測されたIRセペクトルは試料中の原子配置や距離、原子またはイオンの結合状態を反映する。換言すれば、試料のIRスペクトルの中の特徴的な(特性)スペクトルを見出すことができれば、生成物の同定(指紋同定)が可能となる。本実験では対象となる塩基性硫酸銅系化合物の標準IRスペクトルを図2に示す(教科書図2-2)。
 生成する塩基性硫酸銅系化合物の種類により、試料の色相は変化する。この事は機器分析により、生成物の同定を行う前の一次情報として重要である。従って、反応条件、実験操作にともなう試料の変化(色相、沈殿の有無、沈殿状態)はもらさず記録すること。塩基性硫酸銅系化合物の色相と内部構造の関係について、以下に記す。すなわち、Brochantiteの結晶構造によると、中心金属イオンであるCu²⁺イオンに対して影響力の弱いSO₄²⁻イオンが直接配位しているためLUMO(Lowest Unccupied Molecular Orbital:最低空軌道)と
HOMO(Highest Occupied Molecular Orbital:最高被占軌道)間のエネルギー順位のエネルギー差(Δ)が小さい。しかし、このエネルギー幅は可視光線を吸収でき(白色光のうち、橙〜赤色を吸収するため)、緑色に見える。一方、含水塩基性硫酸銅系化合物(PosjakiteやWroewplfeite)の場合、Cu²⁺イオンに対して、影響力の強い配位子(H₂OやOH⁻)が直接配位することが考えられる。この結果、LUMOとHOMO間のエネルギー順位のエネルギー差(Δ)が大きくなる。それゆえ、BrochantiteにおけるLUMOとHOMO間のエネルギー順位幅にくらべて、含水塩基性硫酸銅系化合物のエネルギー順位幅は大きい。このエネルギー幅でも可視光線を吸収でき(白色光のうち黄色を吸収するため)青色に見える。

コメント(2)

1 目的
古代世界において珍重された2大宝石として、翡翠と金青石が挙げられる。これらの宝石は、地方によって色味や含有物が変わってくる。結論から言ってしまえば様々な環境因子により生成されることが原因である。
本実験では、その謎を化学的・物理的性質ならびにIRによるキャラクタリゼーションによって関連性を確かなものにしていきたい。                                           
2 原理・理論
 2-1 塩基性化合物の知識
   まず、代表的な銅の塩基性塩の諸性質を表1にまとめて示す。

表1 銅の塩基性塩の諸性質
化合物(鉱石名) 組成 色 結晶系
塩基性炭酸塩 Malachite  CuCO3・Cu(OH)2 緑 単斜晶系
Azurite  2CuCO3・Cu(OH)2 青 単斜晶系
塩基性塩化銅 Botallackite  α−CuCl2・3Cu(OH)2 緑 単斜晶系
斜方晶系
Atacamite  β−CuCl2・3Cu(OH)2 鮮緑 斜方晶系
Paratacamite  γ−CuCl2・3Cu(OH)2 緑 六方晶系
塩基性硫酸銅 Antlerite  CuSO4・2Cu(OH)2 緑 斜方晶系
Brochantite  CuSO4・3Cu(OH)2 緑 単斜晶系
Posnjakite  CuSO4・3Cu(OH)2・H2O 青 単斜晶系
Langite  CuSO4・3Cu(OH)2・H2O 青 単斜晶系
Wroewolfeite  CuSO4・3Cu(OH)2・2H2O 青 単斜晶系
塩基性硝酸銅 Gerhardtite  Cu(NO3)2・3Cu(OH)2 緑 斜方晶系
鉱物名なし  Cu(NO3)2・3Cu(OH)2 緑 単斜晶系
  
表1中、最も身近に存在する緑青は塩基性硫酸銅系化合物であり、以下にこの化合物の性質を記す。塩基性硫酸銅系化合物はAntlerite系化合物(2Cu(OH)2・CuSO4・xH2O;x=0,2)とBrochantite系化合物(3Cu(OH)2・CuSO4・xH2O;x=0,1,2)に大別できる。緑青といえば、大気が清浄であった時代では、大変美しい景観が期待され、かつ耐食性に優れた塩基性炭酸銅塩を意味したが、近年では亜硫酸ガスによる大気汚染のために塩基性硫酸銅型の緑青が増加している。その塩基性硫酸銅には大気中で生成する緑青の主成分であるBrochantite(3Cu(OH)2・CuSO4)や銅の水道管や配管の内部に時々見出されるPosnjakite(3Cu(OH)2・CuSO4・1H2O)がある。また、銅の腐食生成物としては得られていないが鉱山からの鉱物として産出するWroewolfeite(3Cu(OH)2・CuSO4・2H2O)が報告されている。
 塩基性硫酸銅系化合物(Brochantite系化合物)の特徴を以下に記す。最も一般的に見出すことの出来るBrochantiteは緑青色の安定な化合物であり、溶解度が非常に小さく、緻密な皮膜層を形成して、下地の金属銅を腐食媒から遮断するため、Brochantiteで被膜された銅板は耐久性に優れている。このことは、寺院、仏閣の銅屋根に生成した緑青がBrochantiteであることからもうかがい知ることが出来る。PosnjakiteはBrochantiteと比べて、結晶の色彩、生成条件、溶解度、結晶構造などが異なる。生成条件の一例として、Brochantiteが主として大気中で生成するのに対してPosnjakiteは銅配管や水道管の内部(嫌気環境)に発生する緑青として報告されている。WroewolfeiteはBrochantiteや塩基性炭酸銅であるMalachiteなどとともに、鉱山から産出される鉱物として報告されており、Posnjakiteの構造(組成)とほぼ同一である構造類似体と推定されている。しかし、この化合物はBrochantiteやPosnjakiteとは異なり、銅の腐食生成物としての存在事例や明確な実験室的合成条件は報告されていない。このほかの含水塩基性硫酸銅鉱物として、PosnjakiteやWroewolfeiteの組成が類似したLangiteが知られている。
 以上に特徴を示した塩基性硫酸銅は類似の構成成分(構成化学種は同一であり、水和水量のちがいだけ)から成り立っているが、上述したようにそれらの生成機構は複雑であり、不明な点も多い。一方では、超伝導特性を示す物質として、銅イオンを含む複合酸化物が多く知られている。銅イオンは単にJahn-Tellerひずみが大きいという性質を持つだけでなく、未解明の種々の要因によって、一連の銅イオンを含む化合物の中で、特殊な役割を果たしていることが考えられる。以上のことから、銅含有化合物の化学的・物理的性質ならびに、これらの関連について検討することは、機能性材料開発の一助としての意識のあることである。
2-2 塩基性硫酸系化合物の合成とキャラクタリゼーション
一般に、水溶液中または湿分と接触した金属の腐食とは次のような過程を指す。すなわち、金属(M)がMn+イオンのアコ錯体(配位子は水)となって水に溶解し、酸化や加水分解などによって、オール橋、オキソ橋を形成しつつ縮合重合が続き、オキシ水酸化物、水酸化物および酸化物の沈殿粒子として生成する過程である。この沈殿粒子の生成過程は非常に複雑で、十分に解明されていない部分もあるが、概ね次のように理解することが出来る。加水分解により生成した金属イオン(Mn+)が多核化し、これらが集合して胚が形成される。この胚がある臨界の大きさより大きくなると、さらに成長して核となる。生成した核は成長して、ある大きさの粒子となるという訳だ。これらの粒子がさらに成長し、微粒子となった生成条件は以下のように依存する。イオン濃度・イオン強度・アニオンの種類・pH・温度・反応時間および速度などの因子である。ともあれ、これらの微粒子は合成方法の違いで異なる組成を持つ生成物が得られる可能性がある。種々の実験条件で得られた生成物について同定した結果、以下の結果が得られた。室温、出発原料濃度1.0〜0.1Mの範囲でpH6以上のアルカリ性域においてはBrochantite(一部Posnjakite)、同濃度範囲のpH6以上のアルカリ性域にはCuOまたはCu(OH)2が生成した。室温、0.01M〜0.001Mの範囲でpH7までは酸性域においてはPosnjakite、同濃度範囲でpH7以上のアルカリ性域においてはX線的にアルファモスな物質が生成した。さらに、反応温度を3℃に下げた場合、0.1M〜0.01Mの範囲のpH5〜6.5の限られた範囲内において、Wroewolfeiteが生成した。以上の実験結果を通じ、XRDとIRの同定結果は良好な一致が認められ、IRによる無機化合物の同定の有用性が確認された。
生成する塩基性硫酸銅系化合物の種類により、試料の色相は変化する。このことは、機器分析により、生成物の同定を行う前の一次情報として重要である。また、Brochantiteの結晶構造によると、中心金属イオンであるCu2+イオンに対して影響力の弱いSO42-イオンが直接配位しているため、LUMOとHOMO間のエネルギー順位のエネルギー差が小さい。しかし、このエネルギー幅は可視光線を吸収でき、緑色に見える。一方、含水塩基性硫酸銅系化合物の場合、Cu2+イオンに対して、影響力の強い配位子が直接配位することが考えられる。この結果、LUMOとHOMO間のエネルギー順位のエネルギー差が大きくなる。それゆえ、BrochantiteにおけるLUMOとHOMO間のエネルギー順位幅に比べて、含水塩基性硫酸銅系化合物のエネルギー順位幅は大きい。このエネルギー幅でも可視光線を吸収出来、青色に見える。








3 実験方法



使用試薬
・ 硫酸銅五水和物
銅(?)イオンと硫酸イオンのイオン化合物であり、青色の三斜晶系結晶。水に溶けやすく毒がある。
・ 水酸化ナトリウム水溶液
   黄無色又は灰色の液体で匂いは無い。濃度、温度により固化することがある。強アルカリ性で腐食性が強い。作業の時には必ず保護手袋を着用する。
・ アンモニア
特有の刺激臭を持つ無色の液体
・ エタノール
   揮発性が強く、火気厳禁。毒性が非常に強く、取り扱いには注意する。
使用器具
  駒込ピペット、試験管、試験管スタンド、ビーカー(300ml・500ml×3)、ビュレット、マグネチックスターラー、ウォーターバス、メートルグラス、ポリスマン、万能試験紙、デシケーター(シリカゲル)、乾燥機、吸引瓶、ブフナーロート、ろ紙、洗瓶、温度計
予習課題
(1)
   Brochantite :室温、1.0M〜0.1M、pH6まで、律速段階反応により原料溶液は徐々に攪拌しながら入れればよい。デカンテーションで洗浄。
   Posnjakite : 室温、0.01〜0.001M、pH7まで、律速段階反応により原料溶液は徐々に攪拌しながら入れればよい。デカンテーションで洗浄。
   Wroewolfeite:3℃以下、0.1〜0.01M、pH5〜6.5まで、律速段階反応により原料溶液は徐々に攪拌しながら入れればよい。デカンテーションで洗浄。
(2)次ページ






(3)
XRD(X線回折法):X線回折法は、構造解析の有力な手段である。このうち粒末X線回折法は大きな単結晶得られ、とても簡単に物質や結晶構造を推定することが出来る。
  IR(赤外分光法):赤外分光法は試料に赤外線を照射し、透過(あるいは反射)光を分光することでスペクトルを得て、対象物の特性を知る方法のことをいう。
  
XRD◎:結晶などの固体   IR◎:液体・気体
  XRD×:液体・気体    XRD×:固体

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