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自作小説交流館コミュのドリームダイバー #03

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side A

私の夫は毎日同じ夢をみていました

毎朝報告され、私まで夢の内容を覚えてしまうぐらいに


夢は所詮夢

現実世界で起きた事の焼き直しにしか過ぎない

現実世界で気にかけている事が、無意識の世界である夢に反映されるのだ

「遅刻しちゃいけない」と思えば遅刻する夢をみたり

寝る寸前まで見ていたテレビの内容が夢の中に出てきたり


だから

夫はただ疲れているんだと思っていた



「そろそろ代わってくれって言われるんだ」



夢は所詮夢

毎朝繰り返される行為を私は「はいはい」というぐらいの気持ちでしか聞いていなかった


でも、あの日

あの人は何も言わなかった

「今日は夢の話をしないのね」

何気なくかけた一言

それが運命の別れ道だった




「え、なんのこと?」



それからだ
あんなに散らかし放題だった彼が急に部屋を片付けだした

集めていた本を全て売ってしまった

大切にしていたトロフィーを私が誤って落としてしまった時も、全く怒らなかった

毎週欠かさず見ていたドラマに興味を示さなくなった


彼は“代わって”しまったのだ


私は、夫と別れる事を決意した





side B

今回俺の元にきた依頼は、今までの中でも特殊な部類に入るだろう

「妻に二度と会いたくないと思わせる程の離婚させて欲しい」

浮気調査の依頼はあったが、こんな依頼は始めてだ

だいたい、俺ができることと言えば相手の夢に潜ること
知り合いのフリをして2・3言はなす程度だ

仮に俺が夢に干渉して…その時点で外に追い出されてしまいそうだが…旦那の悪い面を見せ続けたとしても自発的に離婚させるのは難しいだろう
夢を正確に覚えている人間の方が珍しいからな

無意識には残るかもしれないが、俺は外から体内に入る雑菌よりも弱い存在だ
高熱を出すことすらなく除菌されてしまうだろう

「あんた、愛人でもできたのか?」

金さえもらえれば文句はない…と言いたいところだが、それでは奥さんがあまりにも可哀想すぎる

「あぁ。愛人ですか。その呼び名はいいかもしれませんね」

しかしその声は、恋する人間の調子とは違った。





「私ね、もうすぐ死ぬんですよ」



「バカだから、事業を新しく始めて借金だらけ。こんなにはやく死ぬ予定じゃありませんでしたからね。だから、妻には別れてもらって、誰か別な人間と幸せになって欲しいんです」



俺は、この依頼を断った

ひとつは、前途したように俺の力ではどうしようもないからだ

そして、彼のつく嘘が本当の意味で彼女の為になるかが俺には判断できなかったから…

二人がその後どうなったかは知らない
しかし、頭の良さそうな旦那だったからな
何か突拍子もない手をこうじたんじゃないだろうか

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