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役者・チェ・ミンシクの魅力コミュの『シュリ』でミンシク。

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チェ・ミンスクを初めて見たのは『シュリ』であった。北朝鮮のテロリスト・グループのリーダーを演じたミンスク。
アート・シネマやお色気もの以外の韓国映画との出会い・・・、そのルネッサンスこそ「シュリ」であったのです。


【 ソウルに『シュリ』を探した日 】

1998年5月職場での慰安旅行でソウルを訪れました。例によって1泊2日の慌しい旅行でしたが、それでも異国のこと、はっきりと超日常で、行くだけで慰安にはなりました。

実を言うと訪韓前からある計画を立てていました。それは韓国において、あの『タイタニック』を超えて観客を動員したというメガヒット映画を何とか見てみたい、というものでした。

免税店や観光客御用達のレストランにはまったく興味はありませんから、お目当ては2日目の朝からの自由行動タイムです。バス・ガイドさんにその映画が『シュリ』という題名だということを聞き、劇場も調べてもらいました。

その中年のガイドさんが言うことには、是非とも見るべきだ、韓国では赤ちゃんと老人以外は誰もが見た。監督のヒトは長い間女優である奥さんに食わせてもらっていたが、映画のヒットのおかげで家を建てて恩返ししたとか、主演の俳優はカンヌ映画祭で賞をもらったとか、連日ニュース・ショーを賑わせたらしく、国民的話題となったようでした。

期待は膨らむばかりです。

贅沢ですがホテルからタクシーを利用することにしました。それにはくれぐれも注意するように言われた韓国のタクシー事情があります。

というのには「韓国のタクシーは優良タクシーと呼ばれるすこし割高だけど礼儀正しいものと、一般タクシーがある。一般タクシーには日本人とみるとメーターも倒さずに法外な料金を請求したり、ひどいときには途中で客を拾って相乗りさせるものがありトラブルが絶えない」という再三の注意があったためです。

よぉし、気合を入れて行くぞ。気を引き締めながら優良タクシーに乗り込みました。

「トコいきますか?」

教えられた映画館は“京釜バス・ターミナル”というソウルからプサンへの長距離バスが発着するビルにあるとのことなので、その名前を書いた紙片を見せました。すると

「たから、トコいきますか?」
と、どうやら長距離の客かと運転手が俄然商売になるとヤル気をみせたようです。

「どこにも行かない。映画を見に行くのです。」
するとやや興奮気味に
「たって、そんなトコに映画館なんてないテス」
と言い張ります。

こっちも気合が入っていますから
「なくてもいいから、とにかくいってください!」
「いってもムタたけどなぁ」
とぶつぶつ言われながらも、わが高級車はハイウェイに入ります。大きな河も渡り、どんどん郊外に向かうことは分かりました。

昔見たクリント・イーストウッド主演『マンハッタン無宿』は西部の保安官がニュー・ヨークにやって来て犯人を追うアクション映画ですが、その冒頭、田舎ものとみくびったタクシー運転手が遠回りして料金を稼ぐシーンが甦り、イーストウッドのように「同じビルの周りを3周したな」とセリフを決めることになるのかと注意していたのですが、正真正銘田舎に向かっているようです。

およそ25分ほど乗って目的地に着きました。

するとバス・ターミナルというのが10階建ての巨大なもので、見上げると映画館の絵看板がドンっと目に入りました。

「ほら、あったじゃない。」
すると
「あったなぁ、なかったのにあったなぁ。」
と呟きます。

このことから、世界の国と同様に、韓国でも自国の映画はやはり国民の娯楽としてはシェアとしてそれほどには占めてはいないことが予想できました。

 着いてみると空気感から、どうやらこの地域はソウルの中心部が銀座・原宿とすれば上野あたりに相当するところらしいようでした。

バス・ターミナルの1・2階はそれこそ大衆食堂が占めていて、その安いこと。

ハハーン、これは寅次郎とさくらが別れの前にいつも入る上野駅の地下のラーメン屋だな。映画が始まるまで1時間近くあったので近くの地下鉄の駅にも行ってみました。

地下鉄に降りる階段は両端に露店がぎっしりと営業しています。ビックリしたのは、釜山をはじめとする田舎に帰ろうとする客のために都会土産として売られている品物が、1束ずつのチリ紙であったり、あられの一掴みずつナイロン袋にいれて分売しているものだったり、ホントに主食としての餅であったりで、経済的に豊かではなかった頃の日本を思わせる、どこか懐かしい光景でした。

地下鉄の駅にはロレックスの偽者や欧米有名ブランドのコピー商品がワイワイ売られていて、猥雑なエネルギーに溢れています。

これで地下鉄の回数券を分売するオバちゃんたちでもいたら、昭和30年代の梅田や難波駅となんら変わらないではありませんか。

 映画館はバス・ターミナルビルの6階にありましたが、昔の駅ビルによくあったような外光がまったく入らないようなはめ殺しのフロアーに映画館が3軒、ゲームやジュークボックスを置いた喫茶コーナーのムードは『青春群像』の頃のイタリア映画のものを彷彿とさせました。

入場料は早朝割引もあり550円で、アメリカの劇場のように座席指定です。

キャパシティーは400人程度でしたが、公開4ヶ月を経過しているためか第1回目の観客は7人です。

座席は木の椅子で、ぼくも25年ぶりに硬い感触を味わいました。最初に予告編が上映されたのですがすべてアメリカ映画で15本ありました。

懐かしいのは本国の予告編にハングルを焼き付けた、日本でも25年前まではよく見られたスタイルの予告編だったことです。

肝心の映画『シュリ』はこの9ヶ月後に日本でも公開され大ヒットしましたからご存知の方も多いのでここでは触れませんが、38度線を挟んだ北朝鮮・韓国両国の息詰まる諜報戦を描き、同一民族の戦いあわねばならぬ哀しみがハリウッドに負けないスピードとスケールで完成した喜びが背景にある大ヒットだったようです。

初めてのソウルの目抜き通りは原宿と変わりませんが、少し市内でも離れると東京オリンピック以前の日本にタイム・スリップしたような懐かしい感触が溢れていました。

 2002年にはワールド・カップの共同開催があり、2001年は邦画でも映画賞を総ナメにした『GO』という意欲作もあり、私たちの父親の世代では果たせなかった新しい日韓関係が着実に築かれつつある努力が伝わってきます。

近くて遠い国だった韓国が、2002年からは近しい国になろうとしているようです。

毎日の診療にアジアからの留学生の受診が年々増加している実感がある昨今、『八月のクリスマス』『春香伝』『ユリョン』『カル』『美術館の隣りの動物園』『JSA』『ペパーミント・キャンディー』などの傑作・佳作映画を見るにつけ、『シュリ』を見るために行動した半日のささやかな冒険が楽しく思い出され、この数年の変遷の凄まじさに時世時節の厳しい現実を嫌がうえにも感じずにはいられません。


この文章は2002年2月に書いたものです。

このときには自分が韓国映画にここまではまるとは予想もしませんでした。

そしてミンスクがアン・ソンギやソン・ガンホと並ぶ名優であることを、まだ思い知ることはなかったのです。


どうぞ、みなさんも『シュリ』のミンスクについての衝撃を語ってください。

コメント(1)

北京波先輩

ソウルの田舎町の映画館で「シュリ」をみたときの衝撃は
想像を絶するものがあったと思われます。

1998年。今から8年前に製作されたとは思えない、斬新で
新鮮な映像は今みても、衰えていない。スピード感あふれる展開に丁寧な演出。役者の力もさることながら、この映画を製作する側の、複雑な思いが映画全体の「熱」になって不思議な力を生み出したような気がしました。

当時、ひねくれてなんとなく見逃してしまって、数年してテレビで見てすごいと思いましたが、ミンシクのことより主役の女性にばかり目をとられていました。

今回、再度しっかりみたら、やはりすごい。ミンシクの抑えた
重厚な演技もさることながら、他の役者との火花散るバトルに思わず手に汗にぎりました。

あのラストに彼女が撃たれるシーンは、涙がとまらなかった。
撃った男の複雑な思いと、撃たれた女性の顔が一瞬、安らかにみえて、とても切なかった。

お互いに歩み寄りたいのに、ほんとは愛し合っているのに殺しあわなくていけない。まさに北と南のよう。

この映画は色々なメッセージを含んでいるんですね。

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