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PWL音楽論コミュのD.O.Aセカンドシングルへの期待と評価

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個人的にリミックスサービス専門レーベルのEDITバージョンには余り興味がありませんが、
DEAD OR ALIVE / Something in My HouseについてはSAW・D.O.A間とのバージョンをめぐるトラブルをはじめ、様々な専門家によるバージョン評価がみられました。

Something in My Houseのレコードセールスは本国UKでは最高位12位、USダンスチャートでは3位という大ヒットを記録。
ただ、これはセカンドアルバムYOUTHQUAKE(85年UK最高位9位)と、次期アルバムからの第一弾シングルBrand New Lover(86年UK31位・US15位)の爆発的ヒットという、一連の勢いが生み出したものでもある。

オリジナル(アルバムバージョン)はSAW全面プロデュースによるものですが、後のシングルリミックスはD.O.Aとのトラブルに伴い、D.O.A自らバージョン制作に関わったという経緯がある。
Something in My Houseは、楽曲タイプ的にもインパクトの強いアップテンポが最大魅力であり、原曲の時点で大ヒットする事は予測できる。

丁度この時期にプロモーション用としてリミックスサービス専門レーベルからEDITバージョンが幾つか作られましたが、使用されたバージョンとそのEDIT技術から、各社様々なバージョンに対する評価がみられた。

プロモ用EDITバージョンが制作されたのは、HOT TRACKS・RAZORMAID・DISCONETという、
アメリカ・レーベル3社。
それではその内容についてみていきたいと思う。

◆HOT TRACKS Series 6 Issue 1(86年)
2枚組12インチの中のB2に収録。
ミックスタイトルは何故かCD Extended Edit。
その理由は不明ですが、元音源はアルバムバージョン(SAWオリジナル)。
主なEDIT部分は、前半と後半ブレイク部分のみで全体的な流れに変化は無く、オリジナルイメージは崩されていない。
アピール部分は前半ブレイクのオーケストラサンプル(ジャ・ジャ・ジャン・ジャ〜)の後に入るキラキラしたシンセリフ部分の4小節が2回繰り返されている。
これは一見、単なる繰り返しのように思えますが、実はアルバムバージョンではこの4小節リフはこの部分でしか出てこない。
このキラキラしたワンポイント部分を上手く演出した技術だと言える。

またアルバムバージョンの後半はサビ繰り返しでフェードアウトとなってしまう為、後半部分では後半ブレイクビートをメインに上手くリピートしながら、ラストは前半ブレイクリズムでエンドとなるように変更されており、流れに違和感のない内容に仕上げられている。

但し、厳しい点を挙げるとすれば、エンディングの笑い声サンプリング。
楽曲イメージの演出効果として、悪魔のような不気味な笑い声をサンプリングしているのですが、元ネタはあのMICHAEL JACKSON / THRILLER。

Something in My Houseの場合、UKプロモでは映画エクソシストでのボイスサンプルをはじめ、
白人女性(男性)のような西洋人のイメージがある。
これに対しTHRILLERサンプルの場合、黒人男性特有な笑い声が逆にパンチがあり過ぎてしまって
イメージに合っていない。
ここはもう少し拘ってほしかった..。

◆RAZORMAID CHAPTER A-12(86年)
同様に2枚組12インチのB2に収録。
ミックスタイトルの記載はありませんが、こちらも元音源はアルバムバージョンが使用されている。
RAZORMAID-MIXはEDITバージョンの中でも、最も大胆な流れが描かれている。
主な変更点はHOT TRACKSと同様に前半・後半ブレイクがメインとなるが、特に大胆な箇所は、
1コーラスが終わった後にアコースティック・ギターによる間奏が入り込んでくる。
間奏が終わるとすぐさま2コーラス目に戻るのですが、これが意外にも違和感がない。

ブレイク部分の組み立てでは、前半ブレイクと後半ブレイクが入れ替えられている。
Something in My Houseオリジナルでは、前半ブレイクは割とゆったりと流れるイメージで、後半ブレイクになると徐々にノリが増してくる。
言ってみれば、これがSAW流のテクニックなのですが、RAZORMAIDではオープニングから激しいビートとし、逆に後半でゆったりとした空間を入れながら、後半での激しいブレイクをも織り交ぜながら上手く流れていく。
HOT TRACKSと同様、キラキラしたシンセリフ部分の4小節繰り返しも取り入れられており、ブレイクの組み立てにはかなり細かい拘りを魅せている。

このトラックの流れから見えてくるのは、単にブレイクの切り貼りをしているのではなく、
「如何に音楽的に流れを作っていくか」が重要となる。
これはある意味、手掛けたリミキサーの音楽センスというものが全て見えてしまう。

今現在ではデジタル編集も簡単に行うこともできるようになりましたが、要は作業効率も大事ですが、
やはり音楽的なセンスにどれだけ拘る事ができるかでしょう。
アナログでこの流れを作るのは難しいので、アナログ派な方にとっては非常に有効なEDITバージョンとして使えるアイテムだと言える。

また、レコードジャケットのクレジット上にも音楽的な拘りを感じさせる表記がある。
2枚組レコードには全8作品が収録されていますが、殆どの楽曲には担当リミキサーJOSEPH WATT氏の名前のみ刻まれているのに対し、Something in My HouseではMixed By STOCK , AITKEN &
WATERMANとしたうえで、Edited By JOSEPH WATTとなっている。

これが意味するのは、「このオリジナル音源はSAWにより作られたアレンジ&ミックスが基本であり、
JOSEPH WATTによって編集を加えたもの」として読み替える事ができる。
ミックス・クレジットであれば、通常はPHIL HARDINGとするところですが、サウンド固めの要はSAWだと主張したものであり、正にSAWに対し敬意を表したものなのでしょう。

やはり音楽に対する取り組み姿勢というものが、EDIT技術にも表れている。

◆DISCONET Volume9 Program7(87年)
こちらはD.O.Aがバージョン制作に加わったシングルリミックスが使用されたが、その内容とは余りにも単調な構成に仕上げられた。

オープニングはHOUSE-INSTRUMENTALでスタートとし、これに近い音源となるU.S WIPEOUT-MIX
PART.2を1コーラス、その後にMORTEVICAR-MIX、FLAMENCO-MIXと続き、再度HOUSE-
INSTRUMENTALに戻り、後半はU.S WIPEOUTとMORTEVICARを織り交ぜて終了となる。

正直、流れがあるようでそれほどでもなく、できればもうちょっと大胆なカットイン・アウトがあってもいい気がする。

プロモ用EDITバージョンについては以上となりますが、この他にUSプロモ・7インチシングルの中に興味深い音源が収録されていた。
USプロモに収録されたのは、A面にLVなるミックスタイトルがあり、B面はSVという表記があった。
これは聴いてみれば分かる事ですが、メインとなるA面にはSAWオリジナルEDIT、B面はシングルリミックスでありました。
LVとはLONG VERSION、SVがSHORT VERSIONを意味していたのです。

US市場では、SAWオリジナルバージョンをシングル候補としていたらしい。
このSAWオリジナルEDITのオープニングは後半ブレイクビートでスタートとし、後半はサビ繰り返しでフェードアウトとなる内容であり、若干シングル仕様にEDITされていた。

このように、リミックスサービス専門レーベル3社が採用したバージョン、そしてUSプロモ・7インチに収録されたEDIT-MIXが意味するものは、圧倒的にSAWオリジナルバージョンを評価していたという事が分かる。

そしてもうひとつ。
もしもD.O.Aとのトラブルが無かったとしたら、SAWによるシングルリミックスはどのような内容となっていたのか?

これはファンにとって一番気になるところですが、個人的なイメージとしてはD.O.AによるシングルリミックスはヘビイなギターをメインとしたROCKテイストを取り入れたバージョンとなっていますが、恐らく全体的なアレンジイメージは然程変わらなかったかも知れません。
但し、SAWによる技術の場合、もっとシンセサンプルが繊細な使い方であり、ブレイクの組み立て方についてもWATERMAN流ならではの盛り上げテクニックがあったように思える。

などと、Something in My Houseについて長々と語らせて頂きました...。

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