◆Movin' On (Original 12-Inch Mix) 最もABBAサウンドをストレートに描いた楽曲ですが、この時代にしてはポップ過ぎるというイメージから、最終的に12インチリリースされたのはアルバムバージョン(Straight No Chaser)というショートバージョンが採用され、2トラック目にGARAGEサウンドを取り入れたBumpin' Mixが付け加えられるあたりにその葛藤がみられる。 そんなWATERMANの気持ちをむきだしにしたのがMovin' On (Original 12-Inch Mix)。
◆Only Time Will Tell (Garage Version) 4分30秒というショートなバージョンではありますが、これこそが音楽プロデューサーとしての幅広いセンスを魅せている。 オリジナルとなるアルバムバージョンとは違ってAメロ部分が作り変えられている。 これはJAZZYテイストなGARAGEビートを主体とした大人サウンドを強調する為、あえて作り変えられたのでしょう。 分かり易く言えば、より哀愁ある歌い回しに入れ替えたということ。
サビメロ(Only Time Will Tell〜)繰り返しでコーラスパートが強調される部分もまた、GOODなJAZZYを描いており、同時期のSTOCK & WATERMAN作品で例えるなら、 ERIK / The Devil And The Deep Blue Sea のような世界感もある。
第四弾シングル候補とされていたIs She Good To You?は7インチ・12インチそれぞれが既に制作されており、Movin' On・More, More, Moreは共に全英24位というヒットを記録しましたが、 STOCK & WATERMANオリジナル作品であるIs She Good To You?の場合、シングル候補としてはちょっとインパクトが少ない。 これが当時のLONDON RECORDの判断だったと推測される。
PWLの持ち味である、アルバム曲イメージからシングルテイストに切り替えるテクニックも Is She Good To You?では発揮されなかった。
Movin' On (Movin' Mix)はタイトル通り、BRASS CONSTRUCTIONの大ヒット曲Movin'の黒人ボーカルサンプリングが加えられたDISCO-MIXに仕上げられていますが、元々のコンセプトであるABBAサウンドという美しいソフトなメインボーカルとのギャップがあり過ぎる為、個人的には魅力が感じられなかった。
同様に昨年12月にオンエアーされたPerfume LIVE AT NHKもまた素晴らしかった。 中でもアルバム曲(カップリング)「だいじょばない」をライブ映像でみれた事はラッキー。 この映像をみた時、楽曲のノリに対してアーティスト・振付師・音楽プロデューサー全てのセンスが一体となったという、正にパーフェクト感を極めていた。 これぞアップテンポの最高ダンスグルーブ。 流石は中田ヤスタカ氏。 現代の日本音楽の宝を音楽映像の面においても細心のカメラワークに拘ったNHK。 今最も音楽的な角度に配慮した映像技術を魅せてくれるのはNHKとTV朝日。
先日放送が終了してしまった海外ドラマ「glee3」も素晴らしかった。 Whitney Houston・Michael Jackson特集をはじめ、改めてカバー音楽の難しさと素晴らしさという両面を思い知らされた。 (中でもカートのI HAVE NOTHINGには鳥肌が立ちっぱなし) 正に昨今の安易な邦楽カバーブームに延髄蹴り!カラオケごっこに卍固め!である。 そしてドラマ放送後の「洋楽@glee」も良かった。 番組進行の高橋愛さん・クリスさんの音楽に対する素直な気持ち、やはり大事なのはコレでしょう。