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PWL音楽論コミュのR&B絶滅の危機?

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ここ最近、個人的に気になっているのが日本国内におけるR&Bの激減である。
「R&Bアーティスト?いるでしょ、沢山。」
そう思う人は多いかも知れない。
私が言いたいのは、R&Bジャンルの楽曲に関わらず、メジャー界においてR&Bを表現できるアーティストが本当に少なくなってきているということ。
見方によってはその時代の傾向として片づけられてしまうところもありますが、日本音楽の歴史から考えるとちょっと違う気がする。

というのも、そもそも日本音楽シーンにおいては未だR&Bが全く確立されておらず、ポップミュージックにラップやディスコといったバリエーション効果を生むものとは違って、R&Bに限っては「もどき」は絶対にNGである。

では様々な点から考えてみたいと思う。
R&Bとは一般に音楽ジャンルを指しますが、私の言うR&Bとはサウンドアレンジではなく、その曲がどんなものであれ、最終的には歌うアーティストのボーカル技術とグルーブ、大事なのはこの2つのみだと言える。

ではグルーブ(ノリ)とは何か?
分かり易く言えば、4つ打ちのリズムに対してピッタリ合せて歌うというのがまず基本。
実はこのピッタリ合っている時点ではリズム感が優れているかは定かではない。
それはピッタリ合すことに精一杯な人と、余裕を持って合わせられる人の2パターンがあるからである。
精一杯な人は実はここが限界であり、R&Bを備え持つ人はこのピッタリを基本に置きながら、如何に余裕を持って「ギリギリで拾ってやろうか」と音を楽しむことができる。
しかしこれが本物かどうかについては、聴き手のグルーブセンスひとつで判別できてしまう。
本当に楽しんでいるリズムの刻みなのか?またそれを装っているだけなのか?
残念ながら大半の日本人にとってR&Bジャンルは昔から苦手であることに変わりない。

ではボーカル技術について。
R&Bには簡単なしゃくり・こぶしもあれば、難しいモノもある。
では何が難しくて、何が比較的簡単なのか?
ひとつの例を挙げるとすれば、アーティストの完全コピーを歌うということ。
「この人の歌、うたってみて」
「ああ、歌えるよ!」
「ホント?歌ってみてよ」
「いやいや違う、そんな風じゃないでしょ?」

こういう会話をしている人が周りにどれだけいるでしょう。
「プロじゃないんだから、好きに歌えばいいじゃん?」
そりゃそうだ。ただそういうことじゃなく、まず完全コピーで歌えますか?
実はここがとても大事なことなのです。
ものまね歌番組で、ものまねされていないR&Bアーティスト。
これはされないのではなく、ものまねできない程に難しいという事なのです。

洋楽で言えば、70年代ディスコよりは80年代SOUL、それよりも更にこぶし技術で難しいのが、90年代以降のR&BやHIP−HOPだろう。

もしも「R&B完全コピー検定」というのがあるとしたら、私がセレクトするなら、
JOHNNY GILL / Rub You The Right Way(90年)。
これは難しい。Aメロから低めなキーで微妙なこぶし回しがあり、Bからサビにかけてはラフなフェイクからパンチあるシャウトまで求められ、90年代ならではの小刻みな技術を要する。

このセンスに近いモノを感じさせたのが、EXILEのメインボーカルATSUSHI。
彼が自ら立ち上げたコーラスグループ「COLOR」(04年)のミディアムR&Bタイプ・シングル曲
MOVE SO FASTは、メジャー界において初めて本格R&Bを魅せたと言える。

更にもう一人を挙げるならば、自らR&Bグループを立ち上げ1枚のアルバムのみ発表した伝説の
ジャパニーズR&B、PALM DRIVE(02年)のAKIRA氏。
アルバムBLOCK HOLIDAYでは、様々なゲスト・ボーカルを招いて個性ある楽曲を作り出した。
幅広い音域の中で巧みな技術を繰り出す、極めて貴重なジャパニーズ・ボーカリスト。
初めて彼の歌声をテレビで聴いた時、これまでにない衝撃を受けた。

彼はあの「つんく氏」との交流があるらしく、ハロプロ関連を手掛けた作品も数多い。
これは余談ですが、DS「リズム天国ゴールド」(つんくプロデュース)ソフトの中にある「恋の実験室」のBGMでR&Bなハミングが入っているのですが、恐らくAKIRA氏ご本人だと私は思う。

話を戻しますが、R&Bアーティストの中でも、フタを開けてみたらただのバラード歌手だった、なんていうパターンも意外と多い。
華々しくノリのあるR&Bタイプでデビューしたと思いきや、以降はバラードだらけ。
バラードは人にじっくり聴かせるジャンルで売れやすいが、歌う側からするとアップよりも簡単だったりする。

事実、ものまねされやすいR&B曲の殆どがバラードである。
これはこぶし・しゃくり技術にスピード感を求められるアップテンポに比べ、バラードはゆっくり時間をかけて回すことができるのと、バラードタイプでは複雑なこぶし回しがあまり無い。
だからこそ、アップテンポでR&Bを表現できて初めて認められるのです。

しかしアップテンポなR&Bは売れない。 何故なのか?

これは私のような洋楽好きな人間にも問題があるのかも知れませんが、本格的に歌う日本人を聴くなら、本物の洋楽の方にいってしまう、この現実もある。

しかし、最大なる理由は素直になれない日本人の受け入れ方に問題がある。
R&Bの上手いアーティストの歌声を聴いて、素直に「ウマイ!」と認めようともせず、
「こんな上手すぎる歌はチョット...。」などとドン引きしてしまっている。
(音楽審査員も含め)

これは、私が実際に様々な場所で経験し感じてきたことでもある。
アンダーグラウンドと言われるCLUBの世界では、本当に歌の上手いR&Bアーティストが多く存在するのですが、残念ながら素晴らしい実力を持ちながら消えていってしまう現実がある。
「歌が上手ければいいってもんじゃない、人を惹きつける魅力が大事だ。」
とはよく言われるが、このR&Bに限っては実力が大前提でなければならない。

ドン引きするのは何とも情けない。 何故素直に受け入れられないのだろう?
ここが一番引っかかるところだ。
ここを超えられないと、日本のR&Bは一生メジャー界で確立される日は来ない。

何故か異国アジア・アーティストの場合、別物として受け入れられるパターンがあるが、
これは恐らく、遠い別世界への憧れという点もあるが、やはりこちらも実力の差であることには違いない。

2000年代あたりでは、かなり本格的なジャパニーズR&B・HIP−HOPの時代が近づいていた時もあったが、残念ながら2000年代後半頃から衰退し、泥臭さのある真のR&Bはこの時期を境に消えていってしまった。
同様にセンスあるダンサーも注目されなくなってしまった。

上手いダンサーの条件は、ボーカリストと基本は全く同じ。
ピッタリのところより少しでも手前で音を拾ったらアウト。
理想のタイミングはピッタリからほんの僅かの位置でズラしてラフに刻めるかが重要。
この一瞬の動き方で真のグルーブかどうかが決まってしまう。

そういう意味ではNEW JACK SWINGをはじめとするHIP-HOPスタイルや、BREAKINジャンルでどれだけ上手く表現できるかが一番の判定基準だと言える。
しかし、このような「リズムを楽しむ真のダンサー」は数少ないのも現実である。
同様にグループダンスについても「振り付け」が重要ではなく、リズムを楽しく刻む動きがあって初めて、「じゃあ、みんなで振り付けしてみようか」になる。

この場合、一見振り付けが同じでも個性ある動きに違いが出てくる。
今現在の大半のグループダンスはその逆で、みんなロボットのように綺麗に揃っているのが一番美しいと勘違いしているが、人は本来そんな浅い世界をみているのが楽しいのではない。
様々なタイプの人たちが個性ある動きをしながらも、実は同じ振り付けをして合わせている、だからこそ「カッコイイ」と感じるのです。

分かり易い例を挙げるなら、子供向け戦隊モノヒーローで初期のゴレンジャーではスマートなタイプもいれば、貫録ある太ったタイプ、背の低いタイプもいる。
そんな一見デコボコなグループでも、五人が同じポーズをとった時、「うわあ、揃ってカッコイイ」と初めて感じるのです。
現在のように同じ背丈で同じスタイルの五人が綺麗に揃っても、実はそんなにカッコ良くはない。
これが「生き物としてのパフォーマンス」を見るという原点。

話はボーカリストに戻りますが、今現在でも上手いR&Bアーティストは存在しますが、
純粋な日本人DNAが少なすぎる。
欧米DNAを持つ、いわゆるハーフ・クオーターの場合、生まれながらにしてR&Bを備え持っている現実は否定できない。

少なくとも、ボーカル技術の有無に限らずR&Bを聴く耳は持ちたいものだ。
グルーブは、聴いた時のみ感じることができる人、更に楽器演奏で表現できる人、そして最高のレベルとして、ボーカル技術でリアルに表現できる人という3段階に分けられるが、
この世の中にはグルーブのある人・ない人、実はこの2種類しか存在しない現実もある。

ある意味R&Bとは、音楽ジャンルの末端に位置する世界であり、PWL(SAW)ポップのようなジャンルであっても、このR&Bセンスがあった方が、遥かに作り手のクオリティに違いが出てくる。
だからこそ、細かい部分の演出が武器となって飽きがこない名作として人の心に残り続ける。

冒頭に説明したとおり、楽曲タイプがどうであるかが重要ではなく、変化球としてR&Bテイスト
(グルーブ)を様々なところに施していく。
これこそが、PETE WATERMANにしかできないPWLサウンドなのです。

ステージ上で自分の周りに沢山のキーボードを置きながら派手に弾いているうちは、
ただの「シンセサイザーかぶれ」止まりである。

真の打ち込みプロデューサーとは、シンセサイザーが好きなのではなく、生音では出すことができない、独自の作り出す音色をより繊細なチューニングに拘り、そのサウンドに最もフィットしたアレンジに絡めていく。
この細かい表現力とグルーブなのです。

歌で例を挙げるなら、あの大ヒット曲I Should Be So Luckyのサビメロ部分の中にも言える。
ここをサラッと真っ直ぐに歌ってしまうのは簡単ですが、KYLIEのようなシャクリ(ネチっこい歌い回し)を入れることでR&Bテイストが加わり更に魅力が出てくる。
このようなちょっとしたアクセントの違いで楽曲のイメージは大きく変わるのです。

以前にPWLのようなサウンドに対し、「打ち込み歌謡」と表現された点について何故腹立たしい気持ちになったのか?
欧米との大きな実力差があることに全く気付くことなく、むしろ同じ土俵に立っているかのような勘違いをしている人がまだまだ沢山いるからこそ、こうした言葉が簡単に出てきたりする。

R&Bとポップアイドル? 世界がちょっと違い過ぎじゃないか?
いやいや、これこそが曲作りの極端な違いを示す重要なカギなのです。

と、今回はテーマが非常に深くなり過ぎてしまいました...。

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