もしも「R&B完全コピー検定」というのがあるとしたら、私がセレクトするなら、 JOHNNY GILL / Rub You The Right Way(90年)。 これは難しい。Aメロから低めなキーで微妙なこぶし回しがあり、Bからサビにかけてはラフなフェイクからパンチあるシャウトまで求められ、90年代ならではの小刻みな技術を要する。
このセンスに近いモノを感じさせたのが、EXILEのメインボーカルATSUSHI。 彼が自ら立ち上げたコーラスグループ「COLOR」(04年)のミディアムR&Bタイプ・シングル曲 MOVE SO FASTは、メジャー界において初めて本格R&Bを魅せたと言える。
そういう意味ではNEW JACK SWINGをはじめとするHIP-HOPスタイルや、BREAKINジャンルでどれだけ上手く表現できるかが一番の判定基準だと言える。 しかし、このような「リズムを楽しむ真のダンサー」は数少ないのも現実である。 同様にグループダンスについても「振り付け」が重要ではなく、リズムを楽しく刻む動きがあって初めて、「じゃあ、みんなで振り付けしてみようか」になる。
歌で例を挙げるなら、あの大ヒット曲I Should Be So Luckyのサビメロ部分の中にも言える。 ここをサラッと真っ直ぐに歌ってしまうのは簡単ですが、KYLIEのようなシャクリ(ネチっこい歌い回し)を入れることでR&Bテイストが加わり更に魅力が出てくる。 このようなちょっとしたアクセントの違いで楽曲のイメージは大きく変わるのです。