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PWL音楽論コミュのHI-ENERGYの真実(2)

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当時の英国レコードミラー誌を基に、改めて84〜85年におけるHI-ENERGYについて追いかけてみたのですが、そもそも何故84〜85年に私は拘っているのか?
自分もこの点についてよく考え直してみると、DISCO-MUSICという音楽文化の自然な流れの中に
大ブームを引き起こした理由が読み取れた。

DISCO-MUSICは70年代中期に発祥し、Earth,Wind & Fire、Bee Geesといったダンスフロアで自由に踊る音楽がここで生まれましたが、メインは黒人SOULによるいわゆるタテノリDISCO-BEATが主流であり、これこそが第一次ブームの誕生。

このスタイルで走り始め、80年代初期に入るとDONNA SUMMER / HOT STUFF(79年5月)のような黒人ボーカルによるポップ路線の歌モノDISCOに進化していった。
これと同時期にCANDY-POPと言われる白人アイドル(ABBA、NOLANS等)によるダンスポップが出現し、この頃にシンセサイザーを使用したサウンドが出始めた。
ただこの頃はシンセサウンドが出てきたばかりで、生音に従来のアレンジの一つとして付け加えるイメージが主流となった。

HI-ENERGYサウンドの大ヒット第一号は、82年のBOBBY O / SHE HAS A WAY。
全盛時期に繋がる原型とも言えるサウンドの発祥はこの曲だと言える。
打ち込みサウンドに夢を描いていたミュージシャンは、当然ながら生音バンド出身の人物であり、シンセサイザーの出現によって今まで想像もしていなかった様々な音色の広がりと、シンセ音色でしか表現できない新たな音楽作りというものにワクワクしていたに違いない。
「どんなサウンドにしてやろうか」、「どんな個性を引き出してやろうか」そんなハングリーな気持ちをイメージしながら、マシンを使いこなすことから始まり、サウンドの形ができていくのに数年がかかった。

そうしたハングリーと発想力のボルテージが一気に高まった瞬間こそが、84〜85年でありました。
今まで数々の新たな音楽ジャンルがブームを作り出してきましたが、このように自然な流れから発祥したモノもあれば、80年代中期以降のように誰かの意図的な火付けによるジャンルの発祥もありました。

ジャンルの発祥が自然なものか否かについては、サウンドを聴けば分かること。
HI-ENERGYのように、新ジャンル専門のランキングチャートが生まれたこと自体、これは紛れもない大ブームを意味している証だと言える。
これは誰かが意図的に仕掛けたブームではない。
正にそうした音楽文化の自然な流れによって生まれた真のDISCOジャンルである。

だからこそ、84〜85年に作られたHI-ENERGYにはミュージシャンのボルテージが頂点を極めたエネルギッシュさがサウンドに表れているのです。
美しいメロディに対してド派手なシンセアレンジをはめ込む、果たしてこれ以上のモノがあるでしょうか?
そう思わせる程のスパーク感がこの年代に注入されているのです。

85年と言えば、気になっていたのがU-BAHN X。
果たして、本国UKではどうだったのか? 改めてこの作品について追跡してみた。
Young Hearts Of Europeのリリース時期は85年4月。
早速このあたりに近いレコードミラー誌を購入し確認してみると、初めてU-BAHN Xが取り上げられたと思われる記事が4月6日付の表紙裏ページにあった。
簡単なメンバー3名の紹介とサウンドスタイルについては、「NEW YORK STREET &GERMAN-
METAL BEAT」という記述があった。
このキーワードは、恐らくプロデューサーCOLIN THURSTONによるオリジナルバージョンを指していると推測される。

更に4月20日付の記事では、これを確定付ける記述が確認することができた。
ここでは、4月22日に12インチバージョンVALKYRIE-MEGAMIXでデビューとあり、
女性ボーカルHeidi Von Dusseldorfのピクチャースリーブ入りで掲載された。

このタイミングでVALKYRIE-MEGAMIXがオリジナル候補となっていたということは、後にESSENTIAL-MEGAMIX(PWL)に切り替えられたのはかなり土壇場の状況であったことが分かる。
言い換えれば、この時、英国のCLUB-DISCOではPWLバージョンは殆どプロモーションされなかった可能性が高い。
これを証明付ける形跡こそが、2種類の12インチプロモのレコードナンバーに表れている。

以前に紹介した白地ジャケットに黒いロゴ入りのプロモ(COLIN THURSTONによるファーストテイクとなるVALHALLA-MEGAMIX)はファーストであり、実はこの後にPWLバージョンによるプロモが急遽プレスされたようだ。
ラッキーにも昨年に超レア盤とも言えるセカンドプロモを入手することができた。
こちらは、黒地に白いロゴ入りというファーストとは真逆のデザインで、収録内容は、正規盤3トラックの中のYoung Hearts Of Europe2バージョンのみでありました。

ファーストのレコードナンバーは5516A3U-1-1-X1で正規盤の続き番号となっているのに対し、セカンドではFSLF390A-1-1-X1とあり、全く別の記号が刻まれていた。
これも急遽バージョンが変更されたことを意味するものなのかも知れない。

リリース後のHI-ENERGYチャートをチェックしてみたが、残念ながらU-BAHN Xの文字を確認することはできず、全くヒットしていなかったことが分かった。
こうした背景もあり、本国では幻の名作HI-ENERGYとなってしまったが、この後日本のディスコにおいて偶然の出来事が起こった。

恐らく東京ではあの新宿NEW YORK NEW YORKが仕掛けたのだと私は思う。
一体誰があの数少ない12インチを探し出し、針を落としたのか?
日本のHI-ENERGYブームに新たな音を送り込んだ人物とは?

そしてもうひとつは、Young Hearts Of Europeは一度聴けば誰もがインパクトあるHI-ENERGYサウンドであることには気付くものの、未だPWLが関わっているという情報に対するイメージが然程無い。
これは残念なことでもあるが、言い換えればリミキサーを意識しなくとも、サウンドそのものに衝撃を与えたことは紛れもない事実だということが言える。
だからこそPETE WATERMANの才能が自然と評価されたことにもなるのです。

ちなみに当時のHI-ENERGY DISCOチャートでは、ANGIE GOLD、SEVENTH AVENUE、LEGEAR、
PAMELA NIGHTINGALE、DIVINE(WALK LIKE A MAN)、MODERN TALKING、LIFE FORCE
(MAN IN A MILLION)と、D.O.A / LOVER COME BACK TO MEが上位を占めており、
正にボルテージが頂点を極めた瞬間であった。

U-BAHN Xには他にもプロモが存在しており、正規盤ジャケットにNOT FOR SALEシールが貼られたものもある。
昨年に入手した上記プロモの中にU-BAHN Xのプロモーション用ピクチャーが2枚入っていた。
これも極めて珍しい超レア・アイテム。

HI-ENERGYチャートを基に様々なヒット曲を探していくと、アメリカ・カナダ・メキシコ・ヨーロッパなど、世界各国が新ジャンルに注目していたことが伝わってくる。

さあ、まだまだ探すぞ、隠れた名作の数々を..!

コメント(2)

以前の記事でも拝見しましたが、これらのプロモ盤はかなり貴重ですね!
それまでは他のテイクがあったとは全くつゆ知らずでした。

曖昧な記憶や当時の話をまとめて私の知る限りでは、U-bahn Xは福岡のディスコでのリアルタイムで大ヒットしていたのですが、その頃からレコードは既に「幻のアイテム」化しておりました。

当時通っていた福岡のディスコで、この盤を見せてもらい、レコード番号で輸入盤店にオーダーしても発売は大手のEMIにもかかわらず全然入荷せずに廃盤になったという連絡が来るのみでした。
あの頃は今と違って流通事情も非常に悪かったですし輸入盤店なんて数えるほどしかなく、しかも多くはアメリカのメジャーアーティストの12ばかりで、ハイエナジーなどは「コレクター」という概念もなくというのが現状でかなり入手には苦労しましたし、福岡のDJの方も多くは東京でレコードを購入していたという感じでした・・・・・バブルでしたしね・・・・・。

DJの方に聞いたところ、U-Bahn Xは、福岡の「UKロック専門店」に置いてあったというのです!

その頃は、各地のDJがそれぞれ横のつながりもあって、各地でゲストで参加したり、東京にレコードの買い出しに行く際に知り合いのいるディスコに立ち寄ったりして情報を仕入れていたのかもしれません。

ある意味、新しいジャンルという面では、ハイエナジー・ミュージックというものはかなりエポックメイキングなものでしたので、今とは大違いであの頃はソウルからダンス音楽に興味を持ちDJになられたような先輩DJ諸兄も、このハイエナジーミュージックに対してはかなりの興味を示してレコードを買っていたようです。

新しい音楽、いい音楽に対してはジャンルにとらわれず現場が熱狂するという非常にフラットかつニュートラルな時代で、それだけ音楽に対して熱い人が多かったので、それらをヘビープレイすることで多くの人に広まって浸透していったの
だと思います。

それにしてもコリン・サーストンのこのバージョンは興味深いですね!
私も気長に探してみたいと思います。

また、そういった隠れた名作はまだまだあるはずです!
そういったものをどんどん掘り起こしていきましょう!

またのトピックを楽しみにしております!
>もとちゃんさん

福岡でも大ブレイクだったんですね。
恐らく当時のDJの方は情報が乏しい中で
片っ端から12インチを買いまくっていたのでしょう。
バブルというのもありますが、半端ない投資でしたね。

改めて、この幻の名盤は日本で発掘され日本で輝いた名作となりました。
本国ではEMIともあって、リリース前は僅かながらもプロモーションを
していたことが分かりました。
ただこの時の売りはNEW-WAVE ROCKだったんですね。

ですが、あまりにもプロモーションの反応が少なかった。
それで急遽PETE WATERMANにオファーしたのでしょう。

渋谷CISCOで再発盤が出たのが印象強く懐かしい。


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