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PWL音楽論コミュのPETE WATERMAN’S激レアREMIX

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前回のDENISE GYINGELLに引き続き、PETE WATERMANによる激レアワークをご紹介したいと思います。

今から約15年以上前の話になりますが、当時仲良くして頂いたレコード屋店長には大変世話になった。
東京圏内に住んでいたこともあり、貴重なアイテムの数々をコレクトできたのも、コアな中古レコード屋との出会い無くして語ることができない。

特にこのアイテムに関しては、決して忘れることのない、思い出のひとつである。

◆SHILLELAGH SISTERS−PASSION FRUIT(84年リリース)

このタイトルを知るPWLファンは少ない。(というか私だけか?)
それもそのはず、これは中心ジャンルであるPOP-DISCOではなく、ネオロカビリーであり、PWLファンにとってあまり興味のないところかも知れない。
しかし、私にとってPETE WATERMANに関わる作品となれば、たとえどんなモノであっても絶対手に入れたい。

偶然にも私はロカビリー専門のレコード屋との繋がりがありました。
というのも、その店は2人兄弟で経営する中古レコード屋で、兄がHI-ENERGYからPOP-DISCOを中心に、そして弟がナントROCKABILLY担当という極めて珍しい店であったのです。
(これで分かってしまった人いるかも..。)

店長(兄):Kさん、ロカビリーでPETE WATERMANがリミックスしてる12インチがあるらしいんですけど、いります?
私:ええ?何ですかそれ?欲しいっすねー!
店長(兄):なあ、あったよなあ。(と弟に確認)
店長(弟):ああ、あれですよね..。 コレです、知ってます?
REMIXED BY PETE WATERMANって、ココに書いてますよね。
私:うおー! ホ、ホ、欲しいっすコレ。
店長(弟):これはですねえ、ネオロカビリーなんですけど、80年代に打ち込み系で再ブレイクした時ので、ロカビリーファンの間では凄く人気のあるレア盤なんですよ。
ちょっと高いんですけどいいですか?
私:は、はい! 買います!

こんな偶然がなければ、未だこの情報を知ることもなかったかもしれない。
しかし、この1枚を手に入れることで更なるキーワードに繋がろうとは..。

SHILLELAGH SISTERSのリードボーカルとはナント!
後にBANANARAMAメンバー加入となった、Jacquie O'Sullivanであったのです!

店長との会話のとおり、この12インチはロカビリーファンの間では超レア盤で、ロカビリーファンにとって魅力なのが、実はメインシングル「Passion Fruit」の方ではなく、カップリング曲であったのです。

(CBS-TA4684)
A  Passion Fruit (Equatorial Mix)
B1 These Boots Are Made For Walkin'
B2 Shout!

更にジャケットに書かれたリミキサー表記が非常に紛らわしく、レコード盤上では、リミックス表記は
Passion Fruitのみで、カップリング2曲には表記されていない。
しかし、ジャケット裏をみてみると上記3曲の下欄に、
PRODUECED BY STUART COLMAN
REMIXED BY PETE WATERMAN
とある。

ジャケット上では3曲全てWATERMANによるリミックスとも読み取れるが、レコード盤表記では、
Passion Fruitのみとも捉えられる。
ロカビリー店長はPassion Fruitのみと言っていたが、私にはどうも腑に落ちない気がした。

気になったのが、3曲全てに共通するエネルギッシュに打ち込まれた「クラップ音」。
この音は紛れもなく、PETE WATERMANによるものではないだろうか?

この疑問を解き明かしたのが、後に手に入れた「7インチシングル」。(実はこちらも超レア盤、というよりこの曲自体がレア盤)
ジャケット表記は12インチと同様でしたが、レコード盤では両面ともにリミキサー表記がなかったのです。(カップリングはThese Boots Are Made For Walkin')
すなわち、全てPETE WATERMAN-REMIXだということが判明したのです。

3曲入り12インチの中でも、最も魅力ある楽曲こそが、カップリング
「These Boots Are Made For Walkin'」。
BANANARAMAではあまり目立たないJacquie O'Sullivanでしたが、こんなにも歌の上手いアーティストだったと誰が知っていたことでしょう。
ロカビリーは、ジャンル的にもインストそのもののノリが良い為、ボーカリストの歌の上手さが正直分かりづらい。

しかし、グルーブセンスを備え持つ人には決して誤魔化せない。
楽曲そのもののノリなのか、ボーカリスト自身のノリなのか。

もう一度言わせて頂くが、本当にJacquie O'Sullivanは歌が超上手い。
こんなに上手いとは思っていなかった。
素晴らしいボーカル・グルーブとテクニックである。

Passion Fruitは、ミックスタイトル「Equatorial Mix」という名のとおり、ラテンテイストな温かいロカビリーポップタイプで、PWL好きな人にとっても聴きやすいが、ロカビリーファンからみればちょっと物足りない。

しかし、ロカビリーファンが喜ぶバージョンこそが、7インチバージョン。
その内容とはボーカルが取り直されており、12インチはポップタイプでどちらかと言うとロカビリー調なアクセントが少なく、ボーカルミキシングにもテイストの違いがあり、7インチの方はJacquie O'Sullivanのボーカル魅力がストレートに味わえる「本格ロカビリー」に仕上げられており、この2種類のバージョンを共に手掛けたWATERMANのサウンドセンスにも注目したい。

BANANARAMA初期メンバー「Siobhan Fahey」は、音楽の方向性による不満から、88年にグループを脱退、後にJacquie O'Sullivanが新メンバーとして加入したのですが、実はJacquieをメンバーに導いた人物こそが、WATERMANでありました。
この動きは正にSHILLELAGH SISTERSとのワークがきっかけとなっている。

改めて、Jacquie O'Sullivanが加入した新生BANANARAMAの作品について、ボーカル全体の違いを聴き比べてみた。
最も比較しやすいのが、「I Want You Back」。
オリジナルはアルバム「WOW!」収録バージョンで、こちらがSiobhan Faheyによるボーカル入り。その後Jacquie O'Sullivanに切り替えて再録音されたのがシングルバージョン。

違いは何か?
まあ、何となく聴いてしまえば気にならないかも知れませんが、
よく気にして聴いてみるとその違いに気付く。

オリジナルSiobhan Faheyバージョンの場合、ボーカル全体としては非常にキュートで、どちらかと言うとソフトなイメージに対し、シングルJacquie O'Sullivanバージョンの方が全体的に力強い。
これは決してSiobhan Faheyに力強さがないということではなく、彼女がメンバーに加わることで
三者ボーカルにキュートなユニゾン(ハモらない声)が完成される。
(以前にBANANARAMAはハモらないと書きましたが、実はかなりハモッてます)
一方Jacquie O'Sullivanの方は、どちらかと言うとキュートな歌声は苦手なようだ。

これはパワフルなシャウトを売りとする「ロカビリージャンル」にとってはフィットしないイメージですが、
Jacquie O'Sullivanが加わることで、コーラスがよりハッキリとした見事なハーモニーの進化を作り出しており、「I Want You Back」で言うと、2コーラスAメロの部分は非常に分かり易い。

続く、「Nathan Jones」、「Help!」、更にはSAWオリジナル作品の中でもメッセージ性の強い名作ポップ「Love, Truth & Honesty」にも通じるものを感じさせる。
流石はPETE WATERMAN。

SHILLELAGH SISTERSは84年4月に、Give Me My Freedomでデビュー。
Passion Fruitはこの後にセカンドシングルとしてリリースされたが、2曲ともにヒットには至らなかった。
Passion Fruitのリリース時期は不明ですが、ファーストシングルのリリース時期と、ラテンテイストな楽曲タイプから、恐らく8月頃であったと考えられる。

SAW初期活動となったDIVINE、HAZELL DEANのリリース時期が同年の7月。
ということは、SHILLELAGH SISTERSでのリミックスワークはほぼ同タイミングであったことが分かる。
但し、Passion Fruitの音色イメージからすると、これは確立されたPWL-REMIXとは異なるもので、
WATERMAN単独による極めてレアなゲストリミキサーワークであったと言える。

91年にBANANARAMAを脱退したJacquie O'Sullivanは、その後SHILLELAGH SISTERSの活動を
再開し、ベストアルバムをリリース。
当時新宿でライブも行われたらしい。
と今回はテーマがテーマなだけに、とても長くなってしまいました..。

それでは最後に、Jacquie O'Sullivanの素晴らしいボーカル・グルーブをご覧あれ!
(こちらはWATERMANリミックスではありません)

http://www.youtube.com/watch?v=SlszPkhQkKI
http://www.youtube.com/watch?v=Ri9mdF81_v8

コメント(3)

>もとちゃんさん

はい。これはEPIC-RECORDSですね。
元々、WATERMAN氏は12インチリミックス・ワークについては
70年代から多く手掛けているんですが、こうした84年(PWL設立)
頃のSAWワーク以外の作品というのが非常にレアなんです。

最近、DENISE GYINGELLの存在を知ってからの流れもあって
ついにこの話に行き着いたという感じです。

自分でも色々調べるうちに、新たな発見にも繋がったり、
書き続けるのも面白いですね。

いつもどうもです!
<訂正>

EPICではなく、CBS-RECORDSでした。
失礼しました。

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