ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

PWL音楽論コミュのROB DAVISの世界

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
PETE WATERMANによるHI-ENERGY作品として取り上げてきた「LIFE FORCE」、
またPWL-SOUL作品では「OLIVER CHEATHAM」でのリミックスワーク。
これらに共通するオリジナル・プロデューサーこそが、「ROB DAVIS」。

私が「ROB DAVIS」を追いかけるきっかけとなったのは、約15年以上前に渋谷レコード屋店長との会話が記憶に残っていたのも理由のひとつにある。

私:「LIFE FORCEのMAN IN A MILLIONってWATERMANがミックスしてるんですよね。」
店長:「LIFE FORCEはいいっすねえ。」(ニッコリと気持ちをかみしめながら)
  「でも僕はオリジナルの方が好きですけどね..。」

正直、この頃の私はPWLを追いかけることに必死で、「HI-ENERGYマニア」という訳でもなく、
「ああ、この曲にもオリジナルバージョンがあるのかあ..。」という程度だったのですが、最近になって昔レコード屋を転々と渡り歩いたあのワクワク感にも似た、久しぶりに楽しい気分を味わうことができたような気がする。

NET社会となった今では、レコードを買う前に、YOUTUBEなどで事前に音源をチェックして自分の気に入ったモノが確実にゲットできる。
これは何とも嬉しい時代になった。
早速、隠れた名作HI-ENERGYはないかと探していると、気になったのが
「LIFE FORCE / INVITATION」。
これはいい!ということで、NETでジャケット付12インチを注文した。
後日レコードが届いて針を落としてみると、「んん?何か違う!」
なんとレコードナンバーが同じなのに、バージョンが違っていたのだ。

更に「REACH FOR THE STARS」も気に入ったので、またもNETで注文。
そして針を落としてみると、ナント!またバージョンが違う!
これはなんなんだ?

なんと、同じレコードナンバーにも関わらず、バージョンが二つ存在していたのです。
それにしても、この「LIFE FORCE」、楽曲・アレンジ・シンセ技術、どれをとってもパーフェクトとも言える程のハイ・クオリティなHI-ENERGY作品ばかり。
「LIFE FORCE」のシングルは全部で4作。
全作品のソングライト・プロデュース・ミックス全てをメインで手掛けたのが、
「ROB DAVIS」でありました。

SAWのような、繊細なシンセ技術、また「70’S SOUL-DISCO」というより、「UK-SOULテイスト」な
ボーカルセンスを活かしたグッド・メロウ且つ、激しい「UK’S HI-ENERGY」サウンドを作り出す、
数少ない名プロデューサーがここにいた。

では、その作品について順に紹介してみたいと思う。

◆What A Way To Go ( Energetic Mix & Instrumental )

LIFE FORCEの記念すべき、ファーストシングル。
デビュー作というのは、兎角インパクト重視や、個性的な楽曲を取り入れる等、ある意味ワンポイント・アピールとなる傾向が強い。
後追いにはなるが、セカンドシングル以降の楽曲タイプに比べてファースト「What A Way To Go」も、ちょっと違ったテイストを感じさせる。

ちなみに一度聴いて気付いた人はいるかも知れませんが、この曲には元ネタがある。
それはあまりにも分かりやすいコード進行に対し、当てはめられたボーカルメロ。
これは「70’S-DISCO」を代表する「PEACHES & HERB」の名作、「Shake Your Groove Thing」を元ネタとしたHI-ENERGYバージョン。(PWLではPAT&MICKも92年にカバー)

では何故、このような戦略に出たのか?
これは恐らく、HI-ENERGYブーム真っ只中であった84年当時、UK市場で活躍していた
「IAN LEVINE」をはじめ、「SOUL-DISCO」をベースとしたシンセサウンドが流行していた為、
LIFE FORCEもこの流れを意識したものだと思われる。
これも後追いになるが、セカンドシングル以降についてはROB DAVIS自身がメインでソングライティングを行っているのに対し、「What A Way To Go」では4者がソングライターに関わっていることから、恐らくレコード会社である「POLO-RECORDS」としての戦略でもあったようだ。

まあ、そんな戦略があったにせよ、「Shake Your Groove Thing」をサウンド・フィーチャーとしながらも、ROB DAVISならではの絶妙な「UK’S HI-ENERGYサウンド」が見事に発揮されている。
ROB DAVISの魅力はメインバージョンだけでなく、INSTRUMENTALバージョンにも決して手を抜くことなく、素晴らしい「ROB’S DUB-INST」の世界がある。
通常なら、B面にはボーカルとコーラスを削除した「カラオケINST」になるのが主流だが、
ROB DAVISの場合、単なるインストに終わることなく、ノーマルにインストを流しながらも、
キメ細かなGROOVE感あるDUBテイストを織り交ぜてくる。
トラックが進むに連れ、展開するサウンドに思わず最後まで聴き入ってしまう。
「What A Way To Go」の場合、恐らくインストの時点でROB DAVISとしては、完成度に満足していたような気もする。

また、レコードレーベル・ジャケットに貼られたステッカーには、「HI-ENERGY・HI-ENERGY・
HI-ENERGY」と、この時代ならではの力強いアピール度も伝わってくる。

◆Invitation (Master-Version & Another-Version & Instrumental-Dub)

LIFE FORCEにとって、唯一ヨーロッパ各国でリリースされたディスコヒット・シングルであり、これぞ「UK’S HI-ENERGY」とも言えるパーフェクト感がここにある。
まずはバージョンが2種類存在する為、初回音源と思われる方を「Master-Version」、この後にサウンドメイクアップされた方を「Another-Version」として説明したいと思います。

更に驚くことに、2バージョンにそれぞれ「Instrumental-Dub」が存在しており、
こちらもROB DAVISのサウンドコンセプトに基づいたセンスが感じられる。

初回「Master-Version」の方は、サビメロ部分で強力に打ち込まれる「16打ちクラップ」を軸にストレートな「HI-ENERGY」がアピールされており、ヨーロッパ各国でリリースされたのはこちらの方で、リミックスサービス専門レーベル「DISCONET社」でも使用されたバージョン。
この12インチトラックの流れの凄さは、ブレイクダウンが3回もあるにも関わらず、決してノリが落ちないところだ。
しかし、聴き続けていくうちにその理由が分かった。
それは、ROB DAVISにとってのブレイクダウンは、次のアップに向けてどう盛り上げていくかの過程を位置づけるブレイクダウンを常に意識しているということ。
単に、一旦ブレイクダウンさせるという発想ではプロデューサーとしては失格。
本来、当然と言えば当然なのかも知れないが、意外にもこうした才能ある人物は数少ない。

カップリング「Instrumental-Dub」の方は、メイン・アレンジを崩さずにシンセ・サンプル個々の魅力を引き出しながら、時には気持ちいいディレイ技術を取り入れたりする。
「Instrumental-Dub」をオープニングブレイクとして繋いでみるのもまた魅力あるバージョンになりそうだ。

一方で「Another-Version」のサウンドコンセプトはメインシンセや、シンセ・ストリングスを強調してアレンジ全体にボリューム感を出しながら、更に2音階をつけたカウベル音が追加され、
こちらも初回に負けない絶妙なバージョンに仕上げられている。

一見、「Master-Version」を基にサウンドメイクアップされたに過ぎないようにも感じられるが、
サウンドとしての訴えるテーマが違う。
12インチトラックの上手さでは、中間ブレイク部分「IN〜VI〜TA〜TION」と伸ばすコーラスから、
シンセベースが入り徐々に上げていくところと、もう一点はその後にサビメロインストを流しながら、
コーラスサンプルによるディレイ技術が加えられ、後半サビに繋げていく描き方はまた見事。

カップリング「Instrumental-Dub」の方は、これまた違ったコンセプトとなっている。
一番のアピール部分は「16打ちクラップ」のところで、倍の32を打つ激しい箇所があり、
エネルギッシュさが伝わってくる。
これはまるで「BOBBY ORLANDO」のグルーブセンスを彷彿させるパンチも感じられ、
時には16打ちに戻すなど、いい意味でのフェイントを織り交ぜながらフェードアウトする
ギリギリまで盛り上げていく。

ということで、ROB DAVISについては語るところが非常に多いため、
次回に引き続いていきたいと思います。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

PWL音楽論 更新情報

PWL音楽論のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング