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PWL音楽論コミュのTHE HI-ENERGY STORY 2

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前回は初期立役者「IAN LEVINE」、「BOBBY ORLANDO」について語りましたが、これに続き「HI-ENERGY」サウンドに影響を受け、様々なアーティストや、プロデューサーが次々と登場しました。

まずは「LIME / UNEXPECTED LOVERS」。(85年リリース)

男女ユニットによるカナダ人アーティストで、本来のサウンド・スタイルは「ELECTRIC-POP」であったが、「HI-ENERGY」ブームに便乗し、ワンポイント・ワークとして「哀愁サウンド」を取り入れたのが「UNEXPECTED LOVERS」。

原曲というよりも、インスト・アレンジ自体が既に「哀愁サウンド」として完成されており、
「YOU SPIN ME ROUND」同様、「カウベル」キーが高いところも特徴的だが、やはり「間奏インスト」をメインフレーズとした楽曲タイプが大ヒットとなった。

そして、「DEN HARROW」もその一人。
彼もまた、「ELECTRIC-DISCO」サウンドを主流としていたが、「FUTURE BRAIN」(85年リリース)では繊細な「ELECTRIC-DISCO」を絡めた個性溢れる「HI-ENERGY」サウンドは名曲となった。
タイトルどおり、未来へ向けたメッセージ性を強く感じさせる楽曲ですが、
何と言っても「サウンド・アレンジ」。
ミディアム・テンポながら、こちらの方も「間奏インスト」がメインフレーズとなっている。
また、イタリア原盤のみ収録となったA面バージョン(ミックス・タイトルなし)ではアカペラから始まるが、あとは殆どオリジナル音源による「インスト・バージョン」となっていて、どちらかというとこちらの方がじっくりと「サウンド・アレンジ」の素晴らしさが再確認できる。
この曲を手掛けたのは、後に大ヒットとなる「PAUL LEKAKIS / BOOM BOOM」(87年作)を世に送り出した「M.CHIEREGATO & R.TURATTI」(イタリア人)によるモノであった。

「ワンヒット」に終わったものの、これぞ「美しい爽快メロ・ソング」に値する作品こそが、
「JACKIE RAWE / I BELIEVE IN DREAMS」。(85年リリース)

通常ならば、ここまで「爽快メロ」にしてしまうと「エアロビクス」に近いイメージになってしまうところ
だが、オープニングと後半ブレイク部分でド派手なインパクトある「HI-ENERGY」ビートを取り入れており、不思議と違和感がない。

UKサウンド代表作としてもうひとつ挙げるならば、
何と言っても「ANGIE GOLD / EAT YOU UP」(85年リリース)である。

但し、この曲は日本においてはあまりにも「カバー・バージョン」のイメージが強くなり過ぎてしまったようだ。
別に日本人カバーを否定するものではない。
しかし、イメージとは時には恐ろしいもので、段々と聴き続けているとまるで「歌謡曲」のように聴こえてきてしまう。
改めて、まずは「カバー・バージョン」イメージをリセットしなければならない。

原曲「オリジナルサウンド」に多くのクオリティ高い技術がある。
まずは「ANGIE GOLD」の魅力ある「GROOVE & SHOUT」なボーカル。
これが無くてはこの曲が活かされない。
最も分かり易いのはサビメロ部分で、(I’m gonna Eat You Up〜)力強くまた、メリハリもあり、
そして絶妙な「しゃくり技術」。
厳しいようだがこれが無くして、この曲は歌ってはならない。

次にプロデューサー「LES HUNT」の細かいブレイク部分がポイントとなっている。
「EAT YOU UP」のブレイク部分はオープニング、そして中盤と2箇所がほぼ同じ
「ブレイク・パターン」となっている。
これを単にワンパターンと感じてしまうところですが、除々にボルテージが上がるこの「流れ」はキーポイントとなる。
「ラテン・テイスト」なパーカション・リズムに始まり、続いてパンチの効いた「オーケストラ・サンプル」の後、ボーカル・サンプリング(EAT YOU UP〜)とド派手な「チョッパーベース」、「ピアノ音」が入り、ジワジワと上がってくる。
そしてこの後に「メインフレーズ」へと繋がる。
これは何度聴いても飽きない、実に絶妙なブレイク技術となった。

彼は、元々「IAN LEVINE」、「KEVIN ANTONY ROBERTS」とのプロジェクトにおいて、エンジニアとして参加した実績を誇る人物。
「LES HUNT」単独作品としては「ワンヒット」となったが、改めて「名曲HI-ENERGY」として残すべき逸品。

「JACKIE RAWE」、「ANGIE GOLD」は共に本国UKによるアーティストであり、
英国音楽センスの素晴らしさを感じさせる。

「IAN LEVINE」、「BOBBY ORLANDO」に次ぐ、名プロデューサーと言えば
「STEVE O’DONNELL」。
しかし、彼の手掛けた作品をよく調べてみると、意外にも数少ないことが判った。
日本国内盤でもお馴染み、「LORRAINE McKANE」、「PAMELA NIGHTINGALE」が代表作に終わっていたようだ。
但し、「STEVE O’DONNELL」ワークには様々な国々の人種が上手くサウンドに反映されている。

名曲「LET THE NIGHT TAKE THE BLAME」の発売元はUKだが、「CARRERE」はフランス資本のレコードレーベル。
「LORRAINE McKANE」はイギリス出身だが、母はイタリア系、父は西インド諸島出身という、
いわゆる移住民でイギリスでは珍しくない。
PWLでは「PRINCESS」のように、「UK-SOUL」を歌う黒人アーティストは数多く、そういう点では
「LORRAINE」もまた「哀愁HI-ENERGY」に相応しい。
原曲イメージも「哀愁たっぷり」だが、UK出身プロデューサー「STEVE O’DONNELL」によって、
ド派手且つ、繊細なサウンド作りと上手く融合しながら、「クオリティ・バランス」がとれている。

この曲は基本的に同じコード進行の繰り返しである。
しかし、センスあるコード進行を編み出し、これを繰り返すことで「哀愁」が深まる。
サウンドの方も絶妙で、強い「バスドラム」と「シンセ・ベース」を軸に、長い12インチトラックの流れにも工夫がみられる。
中盤ブレイクではパーカッションの「激しい打ち込み」を強調する一方で、後半では「バスドラム」の連打で違ったブレイクを表現している。
これぞ「HI-ENERGY」だと感じさせるのは、ひとつひとつの「パーカッション」の打ち込みタイミングは全てジャスト・フィットしており、分かり易いパターンにも関わらず、聴く側もこのタイミングに合わせることで心地よさを得る。
これは素晴らしいことだ!
タイミングが分かっていながらも心地良くさせるのは、正にクオリティの高さを証明しているのです。

2作目は「PAMELA NIGHTINGALE / I’LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN」。(85年)

「LORRAINE」に増して更に激しい「HI-ENERGY」テイストな原曲と「カウベル」、「パーカッション」を売りとした、もう一つの「O’DONNELL’S-SOUND」として見事に完成された。

個人的にこれぞ「HI-ENERGY」マスター・サウンドと感じさせるのは、
やはり「LET THE NIGHT TAKE THE BLAME」でしょう。
前回で説明したとおり、「情熱や哀愁」と「シンセ・サウンド」とのバランスが頂点を極めたという
「パーフェクト感」が正にこの曲。

では一体、こうした「情熱や哀愁」サウンドは何処からやってきたのか?
ポイントとなる「奥深いメロディ」。
これは恐らく「ポールモーリア・オーケストラ」等に代表される「ムード音楽」からきていると思われる。
「ムード音楽」は「インスト・モノ」であるが、こうした深い「サウンド・アレンジ」にボーカルを付け、更に激しい「シンセ・サウンド」に入れ変えたスタイルこそが、「HI-ENERGY」誕生のきっかけではないだろうか?

典型と言えるのが「LET THE NIGHT TAKE THE BLAME」や、
「UNEXPECTED LOVERS」等がこれに相当し、またアーティストでは「MODERN TALKING」(ドイツ人)もまた、この「ムード音楽」にフィットした「サウンド・スタイル」でダンスフロアを大いに盛上げた。

彼らはド派手な「HI-ENERGY」というよりは、ミディアム・テンポによる
「哀愁EURO-BEAT」サウンドの原型を作り上げた才能溢れるドイツ人アーティスト。
デビュー曲「YOU’RE MY HEART YOU’RE MY SOUL」(85年リリース)をきっかけに、実に数多くのヒット曲を生んだ。
中でも「CHERY,CHERY LADY」(85年リリース)は涙が出てくる程に「哀愁度」は最高潮に達した。

彼らのように、86年以降も同様なスタイルで走り続けることができたのも稀なケースであり、
その理由は持ち前のボーカル技術と、そして独特なサウンドにある。
リード・ボーカル「THOMAS ANDERS」の魅力は、低音(地声)とファルセット(高音)それぞれに
クオリティ高いセンスがある。
これを上手く楽曲に取り入れており、サビメロ部分が二段階構成となっていて、1回目は「地声」、
2回目は「ファルセット」というパターンを見事な武器としている。

更にサウンドを固める「DIETER BOHLEN」ならではの独特な「シンセ・サウンド」を武器に、美しい原曲メロを最大に演出しており、例えるならば、彼らの作り上げた音楽こそが「GERMAN’S-R&B」と言っても過言ではない。

今回ご紹介した作品の数々が85年当時にも関わらず、見事にコンプリートを実現させた
「コンピレーション・アルバム」が、ナント! 日本発「ALFA RECORDS社」であった!
(ご存知「THAT’ S HI-ENERGY」)
「ANGIE GOLD」、「LORRAINE McKANE」、「PAMELA NIGHTINGALE」、そしてPWLから
「HAZELL DEAN」という、これ程に名作の数々を凝縮したアルバムは世界中の何処を探しても存在しないのです。
LP盤帯に記された「ALFA INTERNATIONAL PRESENTS」。
これは決して大げさではなかった。
「SEACHIN’」、「BACK IN MY ARMS」と一部アルバムバージョンが収録されるあたりに
コンプリート化への苦労も感じられるが、言い換えれば「いい加減な楽曲」を無理やり収録するよりは、むしろこのほうがいい。
NET社会となった今現在においても、これ程に貴重な基本情報となる「村岡裕司さん」の解説を含め、改めて「ALFA RECORDS社」には絶大なる感謝をしたい。

いやあ..、「HI-ENERGY」は長いぞ。
まだまだ続く!

コメント(3)

一点だけ気になったので。
「Future Brain」のアカペラから始まるヴァージョン(所謂オリジナル)はいろいろな盤に入ってますね。決してイタリー原盤だけのレア・テイクではないです。
☆k-gee☆さん>

それは失礼しました。
ヨーロッパ全般のようでしたね。
ご指摘ありがとうございます。

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