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PWL音楽論コミュのRESPECTABLEの完成度分析

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今回はスーパーヒット曲となった「RESPECTABLE」について語りたいと思う。
ご存知、この曲はUK1位を記録した「名曲ダンスポップ」である。
しかし、どういう楽曲なのかと言われると、答えられる人は少ないかも知れません。

12インチでは3種のレコードが存在するが、サウンド別では「4種」に分類される。
マスターとなるのは「アルバム・バージョン」。
しかしアルバム・バージョンと言っても通常のショートバージョンとは違い、サウンド全体からすると、これは紛れもない「12インチバージョン」。

この音源を基に「12インチ・リミックス」として仕上げられたのが「Club Mix」であり、
そのショートバージョンが「7”VERSION」。

カップリング収録となった「Extra Beats Version」は、「Club Mix」音源を基にベースラインを主に入れ換えた「ANOTHER-VERSION」。

サウンドを完全に入れ換えた「リミックス・バージョン」は、「The Tabloid Mix」(セカンド・ミックス)と「Shop Mix」(サード・ミックス)であるが、フルボーカル入りとなった「Shop Mix」を含め、
こちらは全て「DUB」テイストが強い。

「MEL & KIM」をはじめとする「SUPREME RECORD」は、「PWL-SOUL専用レーベル」であり、他には「PRINCESS」・「THREE DEGREES」・「LONNIE GORDON」も同レーベル。
中でも「PRINCESS」、「MEL & KIM」では「3種類」もの12インチが存在している。

まずは「マスターバージョン」となる「アルバム・バージョン」ですが、以前に
「STOCK AITKEN WATERMAN / DIAMONDS」(BMG出版社向けプロモCD)について語った内容には大きな誤りがあった。
この中に収録された「RESPECTABLE」は、「アルバム・バージョン」と「Club Mix」を織り交ぜた別バージョンであると説明しましたが、よく聴いてみるとこれは「アルバム・バージョン」の基となる「FULL-VERSION」(編集前のマスターロング・ミックス)でありました!

これは、中間ブレイク部分に「約50秒」の「BREAK-BEATS」が加えられたモノで、
恐らくこれが「マスター中のマスター」であると考えられる。

「RESPECTABLE」のミックス・エンジニアは「PHIL HARDING & PETE HAMMOND」という、珍しく二者によるワークであり、これは両者の持ち味である「シャープ」な部分と「ソフト」を融合させようという判断があったように感じられる。

「マスターバージョン」(アルバム)では、どちらかというと「PHIL HARDING」色が強く、87年特有であるリズム・ビートとなった「跳ね上がるクラップ音」をはじめとするパーカッションサンプルには彼らしさがあり、「SHOWING OUT」のノリを含んでいる理由も分かり易い。

一方シングル・バージョン(Club Mix含む)では全体的に「濃いチューニング」にインパクトが加えられたサウンドは、どちらかというと「PETE HAMMOND」色が強い。

注目したいのはこの「Club Mix」。
このトラックの流れには「PWLサウンド」の特徴的である後半部分での「スパーク感」があえて取り払われている点に疑問を感じた。
これは、個性ある楽曲タイプが「PETE WATERMAN」を悩みに悩ませたシーンとして捉えられる。
というのも、「F.L.M. (Auto Mix)」(プロモ・オンリー)のカップリングに
「Showing Out/Respectable Mega Mix」(ドイツ盤アルバムのボーナス・トラック同様)というのが存在する。
これはタイトルからすると、「2大ヒットのコンビ・メガ」とイメージしてしまうが、この内容には問題となる「音源」が含まれていた。

まずは前半部分での「RESPECTABLE」で、基本は「7”VERSION」なのだが、間奏のピアノ部分が「アルバム・バージョン」(Showing Outフレーズ)と同様サンプルに変更されていた。
更に、後半の「RESPECTABLE」では、「Club Mix」ブレイク・ビートにサンプリングを加えたモノと思いきや、よく聴くとこれは全く違うものであったのです。

何が違うのか?
実はここがポイントとなる。
「Club Mix」では後半サビメロからエンドにかけて、スネアから「跳ね上がるクラップ」が削除されたのに対し、この「コンビ・メガ」後半では「跳ね上がるクラップ」が最後まで打ち込まれていたのです。

これは私の憶測であるが、この後半サビメロからエンド部分の「約2分」が「2パターン」作られていた可能性が高い。
その理由は、一定したインパクトを最後まで押しとおすか、若しくは流れを変えるか。
ここで「PETE WATERMAN」は悩んだと思われる。

「RESPECTABLE」という曲は、数多くの「SAWポップ」の特徴である「サビメロ」や、「後半ブレイク」で盛上げるというタイプとは違い、「終始一定したインパクト」で盛上げ続けるという、
非常に珍しい楽曲。

そのメインフレーズが16ビートの中で音階を付けた個性あるベースラインを軸に、ハウス・ビート特有となる「跳ね上がるクラップ」、このノリ一つで原曲メロを上手く当てはめながら作られている。
試しにこの曲を歌いながらベースラインを追いかけてみると、メインフレーズであるベースラインの邪魔にならないタイミングで当てはめられている事に気付く。

この絶妙な「ブレイクサンプル」が、後にある人物によって使われていた。
それは、限りなく身近な存在であったアーティスト、「PETE BURNS」であったのです!
86年、「SOMETHING IN MY HOUSE」でのトラブルによりSAWから離れていた
「PETE BURNS」が、アルバム「NUDE」(89年リリース)の中で
「BABY DON’T SAY GOODBYE」のアレンジに使用していた。

特徴あるベースラインは勿論のこと、「RESPECTABLE」と同フレーズである
「TAY.TAY.TAY〜」部分のメインシンセに至るまで、正にソックリ。
いや、「パクッた」話をしたい訳ではない。
実はこのパクリ方にも重要なポイントが表れているのです。

「BABY DON’T SAY GOODBYE」の原曲イメージは、「PETE BURNS」らしいポップであり、
このベースラインを乗せる必要性はない。
それは「RESPECTABLE」のような「横ノリ・ベースライン」を引き出す原曲メロとは違って、むしろこの流れを無視したかのようにメロディが重ねられている。
ただひとつ言えるのは、SAWとの決別にも関わらず、「PETE BURNS」が「RESPECTABLE」サウンドに衝撃を受けた事実は証明されるが、このベースラインの「GROOVE」を彼は完全に無視してしまったのです。

「RESPECTABLE」には他にも面白いところがある。
カップリングとなった「Extra Beats Version」は、3種類のレコード全てに収録されており、いずれもB面内容が同様にも関わらず、レコード盤ミゾ全体の幅が3種とも全て違うのです。
しかし、3種に収録された「Extra Beats Version」タイムは全て同じ。
ちなみに、「ファーストミックス」(Club Mix)のミゾが一番長く、続いて「セカンドミックス」
(The Tabloid Mix)、そして更に短いのは「サードミックス」(Shop Mix)となっていて、
それぞれプレスし直されていたのです。

個人的に理想的な「EXTENDED-REMIX」をイメージしてみると、前半2コーラスまでは
「Club Mix」、ただしこの後の「ピアノ間奏」部分は削除されてしまった為、「7”VERSION」の流れるような「ピアノ間奏」を加え、後半は「Showing Out/Respectable Mega Mix」という、終始インパクトあるバージョンが魅力的であると思う。

またこの曲はカラオケ各機種で多く目にするが、どれを聴いても理想的なアレンジとは程遠いモノばかり。
その理由は、メインフレーズである「ベースライン」を強調し過ぎてしまうと、一般の人にとっては音が拾いづらくなり、どの部分を歌っているか見失ってしまう。
それを補う為にオリジナル音源にない「ピアノアレンジ」を加える等、工夫しているのだが、
これが返って原曲イメージを打ち消してしまった。

このように、「RESPECTABLE」は「MEL & KIM」のような「GROOVE感」たっぷりで且つ、音を楽しみながら歌う事が求められるという、極めて難しい楽曲であり、改めて「名曲ダンスポップ」として評価すべき作品であると思う。

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