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PWL音楽論コミュのベースラインで検証するSAWサウンド

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1987年以降において、トレード・マーク的なサウンドスタイルと言えば、「PWL−EURO」。
(SAW−EURO)
このサウンド作りに関わったのは、SAWを筆頭に、エンジニア・スタッフに「MARK MCGUIRE」、
リミキサーは「PETE HAMMOND」という体制の下、「SINITTA」、「KYLIE MINOGUE」や、
「MANDY」といった多くのアーティスト作品がこれに相当する。

サウンドについては、「どれも皆同じ」というイメージを持つ人も多い。
しかしサウンド・アレンジを検証することによって、それぞれの楽曲タイプの違いをみることができる。

今回は「ド真ん中サウンド」である「PWL−EURO」について。

「EUROBEAT」典型スタイルと言えば、「ベースライン」。
楽曲タイプでは「TOY BOY」、「NOTHING'S GONNA STOP ME NOW」。

この通称「ズンドコ・ベース」(ズンドコ..ズンドコ..)は、80年代初期「EUROBEAT」
(HI-ENERGY)で発祥したもので、4つ打ち「バスドラム」に対し絶妙にフィットするこのベースラインは、当時のダンスフロアを盛上げるメイン・フレーズともなった。

SAWの場合は、「ズンドコ・ベース」に加えて「チョッパー・ベース」を重ねた「Wベース」による手法が特徴的であるが、(「SHATTERED GLASS」同様)よく調べてみると、意外にも作品としては数少ない。

「リミックス・バージョン」では、
「WHO'S LEAVING WHO(The Boys Are Back In Town Mix)」、
「CROSS MY BROKEN HEART(Extra Pulsing Beat Mix)」の2作品のみ。

「ズンドコ・ベース」は、「ズン」の音に対して1オクターブ上で「ドコ」と2回打ち込むモノで、これに対して8ビートにノーマルに打つ(ズンズンズンズン)ベースラインの作品の方が数多く存在する。

細かい部分ではあるが、この違いが「EUROBEAT」と「POP-MUSIC」との境界線となる。
「I SHOULD BE SO LUCKY」は、一般的に「EUROBEAT」定番となっているが、ベースラインでは「オリジナル」はノーマル型なので「POP-MUSIC」タイプ、「リミックス」が「EUROBEAT」タイプという事になる。
しかし「リミックス」(Bicentennial Remix)の方は「Wベース」ではなく、「ズンドコ・ベース」のみであるが、典型サウンドに比べて割と「静かな仕上がり」となっている。
「EUROBEAT」テイストでありながら、基本は「POP-MUSIC」路線という事なのでしょう。

ちなみにベースラインを変える事でジャンルが切り替わるモノではなく、あくまで楽曲イメージにフィットした音を当てはめる事が重要となる。

同系サウンドでも違うノリを感じてならないのが、
「CROSS MY BROKEN HEART(Extra Pulsing Beat Mix)」。

何かが違う。 何故違うのか?
よく聴いてみると、「一小節」単位でベースラインが途切れている。
これは、「チョッパー・ベース」と「クラップ」の打ち込みが「一小節」中の前半に集中しており、空白が多い「後半部分」でノリが止まるイメージがある。

典型的な「Wベース」ではあるが、ベースラインの流れは正に「リミックス・バージョン」のイメージが強く、4つ打ち「バスドラム」にフィットした「EUROBEAT」タイプとは少し違う。

「SHATTERED GLASS」のベースラインは、典型的な「Wベース」による「EUROBEAT」タイプ。
しかし、「ハスキーボイス」が魅力である「Laura Branigan」というアーティストのイメージを考慮し、「ROCKテイスト」である「ギター音」を前面にアピールすることで、「EUROBEAT」サウンドが少し抑えられた。

これに近いところでは、「WHO'S LEAVING WHO」の2バージョン。
「オリジナル」(Bob's Tambourine Mix)では、「ズンドコ・ベース」、「クラップ&パーカッション」が抑えられ、「ギター音」、「ストリングス」が前面にアピールされることで「POP-MUSIC」テイストの強いサウンドに仕上げられた。

一方「リミックス」(The Boys Are Back In Town Mix)では「オリジナル」とは逆に、「Wベース」、「クラップ&パーカッション」が強調され、どちらかと言うとこちらの方が「PWL-EURO」に近い仕上がりとなったが、以前にも書いた「UK盤プレス・ミス」によって「リミックス・バージョン」に対する世間の印象は薄いモノとなってしまった。

そんな中でも「TOY BOY」は典型サウンドに加えて、ハイトーンな「電子ドラム」を特徴とした
「オリジナリティ」ある楽曲となったのは、原曲クオリティが生み出す、作り手の
「インスピレーション能力」の勢い溢れたモノが伝わってくる。

これぞ「PWL−EURO」ド真ん中と言えば、なんと言っても
「NOTHING'S GONNA STOP ME NOW」である。

UKチャート8位という記録は「ポップ・フィールド」の領域に達する大ヒットとなりましたが、この楽曲こそが「PWL−EURO」全開とも言えるサウンド。

「Wベース」である「ズンドコ・ベース」が強調され、絶妙な「メイン・シンセ」と「チョッパー・ベース」のカッティング技術ひとつで「ノリ」が作られたと言っていい。

この曲は当時、数十分程で完成させたという話もある。
こういった話を聞くと、「なあ〜んだ、簡単に作っちゃったんだなあ。」等と思ってしまうところだが、曲作りとは至ってこんなもので、以前にも書いたように「ソング・ライティング」とは決して作業時間によって完成するものではなく、あくまで「インスピレーション」能力であり、長い時間を費やしても
「GOOD-MUSIC」は生まれない。

また、ゲスト・リミキサー「Jerry Peal」氏によるリミックス(Cub Mix)の方は、
「オリジナル+デコレーション」タイプでもSAW音源を残しながら、「エレキ・ギター」をはじめとする独自の音源を上手く絡めたサウンドとなっており、それぞれバランスのとれた、これ程にも
「SAW音源」をキープした作品も珍しい。

私事ですが、以前に「PWL-INSTRUMENTAL MIX」というインストのMIXテープ(NON-STOP)を作ったことがある。

「UK-POP MUSIC」らしい、綺麗な「ストリングス」をはじめとする「打ち込みサウンド」は、子供の頃に聴いた「ポールモーリア・オーケストラ」を思い出させる程に、魅力たっぷりな世界が味わえる。

SAWポップには、カップリングとして「INSTRUMENTAL」が多く収録されている。

皆さんも是非一度、作ってみては如何でしょうか?

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