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PWL音楽論コミュのDELAGEの行方

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後期SAWワークの中でも、これ程に密かな動きを見せたアーティストはいない。
「DELAGE」は「BOY KRAZY」同様、PWL独自プロモートによる「PWL MANAGEMENT」契約で、アーティスト・マネジメントから音楽プロデュースに至るまで、全面的に手掛けたという、正に
「PWL一色・アーティスト」であった。

しかし、90年代に入ると「DANCE−MUSIC」が主流となり、SAWポップは低迷していった。
デビューは「HUES CORPORATION」(1974年)の大ヒット・カバー、「ROCK THE BOAT」。
結果はUKチャート63位という、序盤から下降線を辿ることとなった。

通常ならばこの時点で活動は終結するのだが、「MATT AITKEN」脱退により急遽、SAW作品の在庫整理とも捉えられる「マイナー・アーティスト」のレコードが立て続けにリリースされ、その中に
「RUNNING BACK FOR MORE」が結果として「DELAGE」セカンド・シングルとなった。

大ヒット・カバーの勢いで弾みをつけ、SAWオリジナルを売り込む戦略であったが、
「GOOD MUSIC」に値するクオリティに至らず。個人的には、Bメロからサビメロにかけての流れ方に「STOCK,AITKEN」独自の世界を感じる。

しかし注目したいのは、「BACKING−VOCAL」。
メンバーにはナント!「LORRAINE MCINTOSH」が参加していた!

それもそのはず、「COOL NOTES」と同時期(91年10月)リリースというタイミングでもあり、このあたりから完全に「STOCK & WATERMAN」ワークに切替わっている。
この状況から、恐らくオリジナル・バージョンはSAWによって既に作られていたが、マスターである「12インチ・バージョン」はMATT抜きで仕上げられた可能性もある。
しかも「7インチ・バージョン」を聴く限り、「12インチ」を基に「EDIT」された形跡がある。

リリースされたのはこの2作品のみであったが、スタジオ録音されていたのは他に、
「BANANARAMA / POP LIFE」収録曲となった「Ain't No Cure」や、86年の大ヒット・カバー
「NU SHOOZ」の「I CAN'T WAIT」がある。

「Ain't No Cure」は、オーストラリア・オンリーのリリースCD「12 INCH CLASSICS VOLUME 3」のみ収録されたもので、ソング・ライトに「DALLIN」のクレジットがあるところから、オリジナルは元々
「BANANARAMA」のモノ。

当然ながら「BANANARAMA」の方が魅力あるバージョン。
「DELAGE」の方は全体的にオリジナリティに到達しきれていない。
これは、ストレートなユニゾンによる歌唱法である「BANANARAMA」の方が楽曲にフィットしているのでしょう。
また、「DELAGE」バージョンではAメロ部分の歌い回しが変更されたが、効果は得られなかったようだ。

「I CAN'T WAIT」は個人的にお気に入りで、クオリティ高いダンス・トラックである事は勿論のこと、最高の「CLUB−SOUND」に加え、90年代特有な「GRAND−BEAT」を強烈に打ち込んでいるのがまたイイ!
これは恐らく「TONY KING」に違いない。
この企画自体に多少のズルさは感じられるが、個人的にはアーティストを替えてでも実現して欲しかった..。

実は「DELAGE」はここで終らなかった!
私も最近、偶然に知り得た情報で、SAWワークを離れた92年以降、ドイツでアーティスト・ネームを変えて活動していたのです!
その名も「EDEN」。

新星「EDEN」としてのファースト・シングルは、「PRINCESS / I KEEP ON LOVING YOU」の「U.S−REMIX」でお馴染みの「BRUCE FOREST」プロデュースによる、「CAN THIS BE LOVE」。

楽曲タイプとしては、正に「LISA STANSFIELD」流UK−SOULなのですが、「ミックス・アレンジ」がアンバランスな「HOUSE−BEAT」に感じてならない。
ブレイク部分では色々なアレンジを加えてみるが、どうしても「切り貼り」イメージが抜けない。
更にカップリングとして「IAN LEVINE」によるリミックスも収録されたが、これと言ってメイン・ミックスとの違いは感じられず、全く意味のない内容。

しかしジャケット下をよく見てみると、ナント!「PWL MANAGEMENT」の文字が入っており、
アーティストのマネジメント部分はPWLが存続していた。

更に、続くセカンド・シングル「Keep On Pushing Our Love」は93年にフランス・オンリーでリリースされた。
驚くことにプロデュースは同様に「BRUCE FOREST」であったが、「ADDITIONAL-PRODUCTION & REMIX」を「STONE & SHARMA」が手掛けていた!

サウンドの方は正に「STOCK & WATERMAN」ソノモノ!
恐らく、これ以上の「リアル・サウンド」も他に見当たらない。
ソング・ライトは「EISEMBERG STEVEN TRACEY / MELAN GLENN」なる見知らぬ人物だが、
「DELAGE」ならではのコーラス・メロがフィットした作品で、ピアノの打ち込みやラッパ音までもが忠実にミックスされ、ボイス・サンプリングの使い方も含め、これはファンにとって最高の1枚である。

クレジット上では「STONE & SHARMA FOR ARS PRODUCTION」という事だが、前作の
「IAN LEVINE」も同プロダクション名義で、恐らく契約上の表記と思われる。

「DELAGE」全作品を通して見ると、基本コンセプトは「ガールズ・コーラス・グループ」で、
「BOY KRAZY」のような「JOHNNA」を中心とした「POP−IDOL」ではなく、サビメロでは常に
「コーラス・ハーモニー」スタイルを貫いた。

SAWプロデュース作品では、シングル曲(プロモ含む)は全4曲。
更にカップリング曲「I Wanna Be Your Everything」と「I Wanna Shout About It」。
そして「EDEN」名義の2曲全てを合わせると、8作品という事になる。

PWLは密かに彼女達をバックアップし続けていたのです。

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