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持続可能な社会と金融コミュのコペンハーゲン合意 資金メカニズムも焦点に

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排出量取引 世界はいま(JBIC・本郷尚 氏のコラム)

12月7日から2週間にわたってデンマークの首都コペンハーゲンで第15回気候変動枠組条約締約会合(COP15)が開催された。今回会合の最大の狙いは温室効果ガス削減のための2013年以降の国際的枠組みだ。1997年に採択された京都議定書では2008年から2012年までの5年間が第一約束期間であり、2013年からは第二約束期間として延長することができる。しかし、今のままでは先進国だけが削減義務を負い、また先進国の中では米国が参加していないという課題が残る。

■予想の範囲内の「コペンハーゲン合意」

大量に排出してきた先進国で温室効果ガスを減らすべきと主張する途上国と、中国やインドなどの増加もあり途上国の排出量が先進国を上回るのだから、途上国も責任を果たすべきと切り返す先進国の従来からの対立に加えて、大量に排出する豊かな途上国とそれ以外の対立も出始め、対立軸は複雑となってきた。温室効果ガスを減らすことは世界共通の利益とはいえ、各国の利益が絡むだけに交渉が難航するのは当然だ。

予定最終日の18日24時を過ぎても会議は続き、ようやく19日に「コペンハーゲン合意に留意する(takes note of Copenhagen Accord)」ということでまとまった。各国ごとの削減目標は継続協議だが、温度上昇を2度以内に抑える、途上国の支援のため2012年までに300億ドル(約2兆7000億円)の資金を提供することなどが盛り込まれた。一時は収拾困難と見られただけに、コペンハーゲンから戻った鳩山首相は、報告を受けて「よかった、よかった」と言ったと伝えられたし、またオバマ大統領も「重要な突破口」と評価し、まずは一安心したことだろう。

会合終盤には米中を含め120カ国以上の首脳が集まったので期待が急速に高まっただけに、落胆も大きく、消極的な国への批判もみられる。しかし、2大排出国の中国と米国の国内政策が固まらない中での会議であり、この結果は予想の範囲内と言って良い。こうした発言は政治的なパフォーマンスや来年の落着を目指しての交渉戦術と見れなくもない。低炭素社会に向けての流れは変わっていない。

■資金問題に焦点が

先進国の削減も大事だが、エネルギー消費ベースのニ酸化炭素排出量でみれば途上国の温室効果ガス排出量は既に先進国を上回っており、また増加も著しい。途上国での削減努力も忘れてはならない。そのためには技術と資金が必要だ。だから、気候変動枠組条約条文の中にも途上国への技術移転と資金提供はしっかり書き込まれているのだ。途上国にとって資金メカニズムは先進国の削減と並んで重要な関心事項であることは間違いない。

では、膨大な資金が必要というがどのくらい必要なのだろうか。国際エネルギー機関(IEA)の試算を見てみよう。IEAによれば2020年に途上国での二酸化炭素削減投資のために、約200億ドルの追加資金が必要であり、この半分を先進国に期待している。しかし、財政難にあるのは先進国も同じであり、援助だけでは無理な金額だろう。

鳩山首相のコペンハーゲン到着を前に小沢鋭仁環境相が150億ドルの資金提供という鳩山イニシアテイブを発表した。最も重要なメッセージは官民資金で協力するという点だ。米国はクリントン国務長官が「2020年には毎年1000億ドルの資金の動員を先進国共同で行う」と演説したが、これも民間資金をあてにしているし、また73億ユーロの資金提供を表明した欧州連合(EU)も資金の中に国際排出量取引による資金を含んでいる。規模が規模だけに民間資金の動員がカギを握るということで方向性は見えてきた。

来年12月のメキシコ会合までに、どの国で、どの分野で、どのくらいの投資が必要であるか具体的に議論されれば、動員する資金の分担、さらには民間資金動員の具体的仕組みなどが自ずと見えてくるだろう。まずは数字についての相場観の共有に努めることが必要だ。

■意外な活躍の排出量取引関係者

今ある枠組みの終わりまであと3年と残り少なくなった。事業を始めるまでの準備期間を考えれば、これから新しく温室効果ガス削減事業に取り組むのでは得られる京都クレジットの量は多くはない。新規投資は少し引き気味だが、省エネ家電の普及のためのプログラムを作り京都クレジットを得るような即効性のある仕組みには引き続き関心は高いようだ。さらに、リスクを承知で既に2013年以降に得られるクレジットの取引も行われているし、また、国連での議論も進み、森林保全クレジットの現実性も高まってきたので取り組みを強化する企業も少なくない。

こうした中で排出量取引関係者が意外な活躍をしていた。国際交渉は大詰めを迎え、各国の経済や社会にも影響を及ぼすだけに、各国とも本気で交渉に取り組まなければならない。膨大な量の資料や次々と出てくる提案などを読み込み、すばやく対応しなければならない。しかし、小国では交渉担当者が数人程度の国も少なくない。そして何より経験不足だ。そこで登場したのが排出量取引関係者だ。実務と市場を知り、そして充実したネットワークが強みの即戦力だ。アジアのある途上国には排出量取引の業界団体の前会長が、またある旧社会主義国には英国人弁護士がアドバイザーとして手伝っていた。国境を越えた起用であり、外人部隊さながらの活躍だ。日本人専門家がアジアの国々を手伝ってもよいのかもしれない。

■2010年のメキシコでのCOP16を目指して

国連気候変動枠組条約のデ・ボア事務局長が「メキシコ会合での合意までにすべきことは多い」と語ったように、まだまだたくさんの難問が山積している。資金問題でも2020年の年間1000億ドルについては、分担や具体的仕組みはこれから交渉だ。

気候変動枠組条約の場以外での主要国首脳による直接交渉も重要になってくる。最終的には気候変動枠組条約に基づく交渉になるが、主要国による議論は論点を明確にし、落としどころの相場観を作るのに役立つからだ。大国の独占との批判も出てきているが、温暖化対策という目的達成のためには現実的な対応も必要なのではないだろうか。

鳩山首相も出席を決めた1月末の世界経済フォーラム(ダボス会議)、6月のカナダでのG8サミット、そして国際的に関心が高くなるであろう10月の名古屋での生物多様性条約締約国会合も重要な場になりそうだ。日本の技術力と金融力で気候変動問題に貢献するとともに、環境投資で日本の経済成長をけん引する仕組みを作らなければならない。鳩山イニシアテイブのフォローのため、二の矢、三の矢をタイミングよく繰り出し、国際交渉をリードしながら落着点を目指すべきだろう。

(日経Ecolomy 12/29)

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