ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

超短編小説集コミュの「午前0時」

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「やったね」と博士は、笑みを見せながら作成したての
コンピュータをネットワークにつなげた。
「出来ましたか」と隣に座った男が、身を乗り出した
どちらも、髭は伸び放題、髪は油でべとつき、風呂に
何日も入っていないような汚いなりをしていた。
「とうとうやった、OSは自作だが、ドイチェージョサ
のアルゴリズムは完璧だぞ。これで、この世のRSA暗号
は私にとっては、無いも同然さ」
「博士・・ネットはもう我々のものですね」
「そうさ、我々の理論を無視した奴らをこの新しい
量子コンピュータで見返してやる。こんな早く完成される
と思ってもいないだけに、この世のインフラは、いまだに
普通の公開鍵に、秘密鍵のままさ、ふふふ・・・・」
博士は大笑いをした
「私も、多くの借金をしてまで博士につぎ込んだ甲斐が
あったものですよ。これで全ての借金をチャラにして
なおかつボロ儲けができそうですよ」
画面には、接続の文字が現れた。
「さぁ・・いよいよですよ」
と博士が言った瞬間、天井灯が消えた。
「停電か?」男の声がして、ライターの石をこする音が
した。ほのかな灯りの中、UPSの電源を頼りに
量子コンピュータは、ネット上で巨大な素数に守られた
データの裸の姿を次々と顕わにしていった。
博士は、それを満足げに見つめいた
男は、出入り口の上にあるブレーカを見にいった
そして大きくため息をついて戻ってきた
「博士・・電気料の不払いで、止められてしまったようです
この部屋も、今日・・いやもう昨日になってしまいますね
支払いがないと出て行くことになっていました」
男は、督促と書かれた沢山の紙を床に落とした。
「参ったね」博士は、そういって画面で一つのコマンドを
打ち込んだ。
「せめて、裸にされたデータでも拝んでみるか。クレジットの
決済だと面白いけどね」
しかし、画面に現れたのは、女性のポルノ画像だけ
だった。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

超短編小説集 更新情報

超短編小説集のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング