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保土ヶ谷工業大学コミュの保土ヶ谷工業大学的恋愛小説1

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一人一文ずつ足していって、
保土工大を舞台にした恋愛小説を完成させよう〜!

上手くいった暁には、角川など出版社に飛び込んできます。
打倒『世界の中心で愛を叫ぶ』

では、今後の展開を占う大事な第一節は・・・



『第一章 -出会い-』

そう、すべては、あの小さな一つの米粒からはじまった・・・。

コメント(31)

『あっ、ちょっと動かないでもらえますか??』
ミナコは言う。
なんだと思い、動揺を隠せないユウサク。
『えっ、えっ・・・』
ミナコの顔が近づいてくるに連れて、ユウサクは徐々に目を閉じていった・・・。鼓動が異常に速くなってきた・・・。


『ほら、ご飯粒。』
ミナコはあどけない顔で取ったご飯粒を眺めていた。
『おいしい♪』
ミナコはその米粒を口いっぱいにほおばった。

『あっ、、、』
ユウサクは気づいてしまった。。
ミナコが食べた米粒のかけらがまたミナコの口についてしまっていることを…
『お前も付いてるぞっ☆』
そういってユウサクは、ミナコの口周りに付いた米粒をお茶碗に戻してやった。

そう、ミナコとの出会いも一粒の米粒から始まったんだ。


あれは彼女の大学の大学祭でのことだった。
ユウサクは、出店で買った牛丼をほおばったあと、次にクレープでも食べようかとクレープ屋に向かった。

クレープ屋の前で、何をトッピングしようかと考えていると、店員がユウサクを見て笑っていることに気づいた。
狼狽しているユウサクに、店員は言った。

『フフフッ、顔にご飯粒付いてますよっ。』
『えっ、まじっすか!!??』
『トッピングは〜チョコレートとパイナップルと、、、グリコ!』
そう言ったユウサクにミナコはすかさずこう返した。

『それって階段でジャンケンするときじゃんかYO!』

しかし、店員は
『グリコね!ありますよ〜♪』

慣れた手つきでクレープを作っていた。それはまるで職人のようだ。

『HEYおまち!ついでにおまけもあげるよ☆』

それはグリコのおまけについていた一粒の米粒だった。。
ユウサクは英会話教室に2ヶ月ほど前から通い始めた。

その年の春、就職先が決まり、
その勤め先となる会社の方針に従い、最低限の英会話能力をつけなければならなかったからだ。

(日本語が世界共通の言語だったら、こんな苦労なんて必要なかったのに。)

そんな思いとは裏腹に、足は英会話教室に向かっている。
社会の流れに乗って、安全に生きていこうとしている自分が少しもどかしくもあった。


2ヶ月通えども、一向に英語能力は上昇しない。
先行き不安だ。


そういえば先週、ユウサクのクラスの先生のキャシーが、今週から新しい生徒が入ってくるとか言ってたことを思い出した。

(俺なんかすぐに抜かれて、そいつは次のクラスに行っちゃうんだろうな。 )

ユウサクの気持ちはどんよりと沈んでいた。
英会話は毎週火・木と2回通っている。
週明けで少し重い足取りではあるが、新しい生徒が入ってくるので、胸の高鳴りがした。

教室に入ると、先生のキャシーと知らない男性が向かい合わせに座っていた。

『あっ、Mr.ユウサク。コチラガキョウカライッショニナル”Mr.シュウサク”です。』

『Nice to meet you』
精一杯の笑顔で俺は彼に挨拶をした。

『Nice to meet you,too』
白い歯を見せながら彼も微笑んで挨拶を返してきた。

明らかに俺とはレベルの違う発音で驚いた。
友達づたいで聞いたところ、貿易関係で働いていて、
更なるステップアップを目指して来たらしい。

彼の容姿は、、、
最近の言葉で言う、『イケメン』だ。

海外と日本を行き来するようなやり手な上に、
容姿もいいとなっちゃお手上げだ。
昔からこんな やつには劣等感を感じずにはいられない。

こいつとは仲良くなれないだろう・・・。


最初はそう思っていた。
それからしばらく淡々とした日々が過ぎていった。

やはりシュウサクは上達も早く、俺より上のクラスになってしまっていた。
しかし、マイペースな俺はなかなか上達しない。
いや、明らかに実戦不足だ。

今日は金曜ということで、思い切って六本木のバーに行こうと考えていた。
友人から教えてもらっていて、ムードがあり、料理もおいしいらしい。

ウエスタン風のドアを開け、少し暗い店内を歩いた。
あちらこちらで黒人が踊っている。
カウンターに座り、店員に酒を頼んだ。
『マスター!ヴァーヴォン、プリーズ』
俺にしてはなかなかいい発音だ。

隣にいる客は常連なのか店員と楽しそうに話している。
『ケンサク!ビアーくれ。』

聞いたことがある声だった。

俺はゆっくりとそちらに目をやった。
そこにいたのはなんとシュウサクだった!!
やっぱりエリートは違うな。
と思い、さっきまで感じていた心地よい錯覚は徐々に失われていった。

でも、シュウサクは本当にいいやつだ。
なんたって、ユウサクが心から尊敬している川相昌弘のことをシュウサクも負けず劣らず尊敬している。
川相好きに悪い人間がいるはずがない。

話も合う。
ユウサクとシュウサクは同い年だった。
ユウサクは大学院にへ進学し、シュウサクは普通に就職した。
進んだ道の違いこそあるけれど、
同い年の上に、二人とも野球部出身となれば、話が合わないわけがない。


そんなシュウサクのことを、ユウサクはかなり近しい存在に感じてきていた。

『おっ、電話だ!!わりぃ、ちょっとはずずな。』
そういってシュウサクは席をはずした。

『あいつ、また彼女からの電話か。』
ケンサクは笑いながら言う。

『彼女いたんだ??』
ユウサクがそういうと、ケンサクは仕事を続けながら、

『最近出来たんだよ。女子大生!!なんだか、コンパで知り合ったとか言って、妙に入れ込んでるんだよなぁ。かわいいかわいいって。確か、ミナコとか言ったっけなぁ・・・・。まぁ偶然だけど、俺の彼女もミナコって名前なんだけどね。』

その瞬間、ユウサクの胸はざわついた。
5分程でシュウサクは戻ってきた。
『わりぃわりぃ』

俺は電話の相手が気になって仕方なかった。
その話題を切り出すには少し勇気が必要だったが、思い切って聞こうと思っていると、ケンサクが
『彼女できたんだろ!?今度店に連れてきて紹介しろよな。』

『わかってるよ。ちゃんと紹介するから。』
シュウサクは笑顔でそう答えた。

ミナコという名が気になり、俺も話題に入っていった。
『シュウサクは男前だからきっと可愛い彼女なんだろな。
俺なんて…』

『そうだ!彼女紹介するついでに今度皆でバーベキューでもしようぜ!ユウサクにも誰か女の子紹介するよ。』
かなり乗り気な口調でシュウサクは言った。

『んじゃ善は急げってことで次の日曜な!』
シュウサクは手帳を手に取り、すでにスケジュールを書き込んでいた。

『わかった。』
俺は少し低い調子で答えた。

電話の声の相手が誰であるか知れるチャンスであるが、
何故か嫌な胸騒ぎがした。
その週は、大学院で行っている研究があまり手に付かなかった。
週の半ばには発表会もあったが、満足に発表ができずに、教授にこっぴどく叱られた。


この間感じた、何か嫌な胸騒ぎを拭いきれなかったからだ。


週末に控えたバーベキューのことを考えると、床についてもなかなか眠ることが出来なかった。

ミナコ・・・この名前にどうしても何かを感じずにはいられない。
やはりあの子なのだろうか。
もしそうだとしたら、俺はどんな反応をしてしまうのだろうか・・・。


不安を拭い去れないまま、その朝はやってきた。
日曜日の早朝の天理ビル前は、日帰り旅行に向かう業者のバスでいっぱいになる。
今日も例に漏れず、バスを待っている旅行者でごったがえしている。

そんな旅行者たちをボーっと眺めていると、
大きな二台のバスの間にするりと一台のジープが入ってきた。

シュウサクだ。

さすが貿易関係の仕事をしているだけある。
ユウサクも車に詳しいわけではないが、そのジープの値段くらいは見当がつく。

ユウサクはちょっとした敗北感を感じた。

シュウサクがドアを豪快に開けて出てきた。
そして慣れた動きで後ろのドアを颯爽と開ける。

そこには二人の女性がいた。
降りてきた二人のうち、一人は見知らぬ顔であったが、

もう一人は・・・・


ミナコだった。



第一章   完

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