祝日前の夜、賑やかな渋谷中心からちょっと離れたアップリンク・ファクトリーでいつもながら和やかな雰囲気の中で行われた第3回LOST & FOUND ニューオリンズ・ガンボ。 すでにメンバーの方々が日記などで充実したレポートを載せてくださっていますが(管理人失格の罵声が飛んできそーだ;)、当日の模様、簡単にご報告させてください。
アラン・トゥーサンの「YES WE CAN CAN」♪で幕を明けた前半は「啓蒙タイム」(?)ということで、シルクリのお二人によって彼の地の音楽的な歴史と、我々が親しむようになったきっかけが紐解かれていきました。 ポインター・シスターズのデビュー盤(73年)からの聴き比べも。 スライ・ストーンやタワー・オブ・パワーといったファンクのアーティストを輩出したオークランドにも話が及び、いきあたりばったりしているうちにいろんなものと出会うのが音楽の面白さだね、というコメントが印象的でした。 ディキシーランド・ジャズの当時からどことなくいかがわしい感じがあったニューオリンズの音楽。ロック・ファンがニューオリンズの音楽に親しむようになったのは、やっぱりDr.John『GUMBO』の判りやすさ入りやすさであったと。フランスやカリブ、キューバなどいろんな文化がぶつかり合って新しい音楽が生まれる面白さ。 日本人にも親しみやすかったNO独自のビート「セカンド・ライン」については諸説あるようですが、本土のR&Bよりもカリブのリズムの影響が強かったんですね。 数々のアーティストのバックをつとめてきたミーターズ、メンフィスのブッカーT&MG’Sや日本のティン・パン・アレーも引き合いに出ました。そしてNO音楽が細野さんや大瀧さんら日本のアーティストにも影響を及ぼしていったことも。
休憩を挟んで後半は、ニューオリンズ渡航歴7回以上というユニバーサルの影山さん、ワーナーの道島さん両氏が登場。今年のジャズ&ヘリテッジ・フェスの模様やハリケーンの後の復興がまだまだ停滞している現状、地元ミュージシャンの活動状況や最近オススメの地元アーティストの紹介など、多岐にわたるお話がはずみ、私たちも一緒に旅を楽しんでいるような気分にさせてもらいました。 河と海が近いこの地は文化の港であると共に食の港でもあったようで、生牡蠣やザリガニやナマズ、そしてお米と美味しいもの、たくさんあるんですって。 地元の老舗TIPITINA'SやMAPLE LEAFEといったオススメのライヴハウスや、LOUISIANNA MUSIC FACTORYという地元音楽が充実しまくりのCDショップのことなど、耳寄り情報も。 お二人から紹介されたオススメの地元アーティストは ピアノマンJOHN CLEARYの「 SOMETIMES I WONDER」、ブラスバンドBONERAMAの「FUNKY MIRACLE」、ANDAS OSBORNE「PLEASIN' YOU」、JAMES & TROY ANDREWSの「LIL LIZA JANE」(NO在住の山岸淳史さんも参加!)。いずれもごきげんでした♪
セットリストは以下のとおり。耳情報なので間違っていたら何卒ご了承を; ALLEN TOUSSAINT / YES WE CAN CAN THE POINTER SISTERS / YES WE CAN CAN LOUIS ARMSTRONG, BILLIE HOLIDAY / NEW ORLEANS(40年代の映画『NEW ORLEANS』映像) DR.JOHN / IKO IKO(リンゴ・スター・オールスターズのセッションからの映像) PROFESSOR LONGHAIR / MARDI GRAS IN NEW ORLEANS THE METERS / HEY POCKY A-WAY LITTLE FEAT / ROCK'N ROLL DOCTOR(イギリスのスタジオ・ライヴ映像) ALLEN TOUSSAINT / A CERTAIN GIRL(映像) THE BAND / THE NIGHT THEY DROVE OLD DIXIE DOWN(『ラスト・ワルツ』より映像) THE NEVILLE BROTHERS / FIRE & BRIMSTONE(DIRTY DOZEN BRASS BANDやDANIEL LANOISらとの競演映像)