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Art Bulletinコミュのオペラ「モーゼとアロン」

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ストローブ=ユレイ監督による「モーゼとアロン」(シェーンベルクによるオペラ)がDVD化されました。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-TITLE=%83%82%81%5B%83%5B%82%C6%83%41%83%8D%83%93&VMODE=ON

モーゼとアロンの話しというと、チャールストン・へストン主演、セシル・B・デミル監督のスペクタクル映画「十戒」を思い出しますが、スペクタクルという意味ではシェーンベルクのオペラ「モーゼとアロン」も負けていません。システマティックに無調音楽を作り出す十二音技法によるオペラですが、オーケストレーションが大編成、そこに独奏者、コーラスまで入るからまさにスペクタクル・オペラ。

内容はモーゼとアロンの対立を軸にした出エジプト記の有名な話し。モーゼによって真っ二つに割られた紅海をくぐり抜けたイスラエルの民が、次第にモーゼに不信感を抱きアロンへとなびく様が描かれていますが、この2人の指導者の描き込み方がすごい。モーゼはオペラでありながら語りのみでその愚直な性格を表し、イスラエルの民を煽動するアロンには歌唱を与えその雄弁で狡猾な性格を表現しています。劇の最後のモーゼの語りが説得力あります。

監督はドイツ・ニュージャーマン・シネマの一人にも数えられるダニエル・ユレイとジャン=マリー・ストローブ(フランス人。アルジェリア戦争への徴兵を拒否し、西ドイツに亡命)。詳しくは↓
http://www.athenee.net/culturalcenter/DATABASE/director/s/s-h.html
固定カメラによる映像はミニマル映画にも近いですが、その間に挿入されるパン撮影が素晴らしい。音楽監督はクラシック界のマッドサイエンティストことミヒャエル・ギーレン。

先ほどはスペクタクルと言いつつも、なかなか渋い作品で取っ付き難いかと思いますが、20世紀最高のオペラに1つには間違いありません。シェーンベルクはユダヤ人であり、ナチスの迫害を恐れてアメリカに亡命。そんな彼が挑んだイスラエル民族を描いたオペラ(映画では宗教的な面は前面には出ていませんが)。

ストローブ=ユレイの作品はその他「セザンヌ」、「ルーブル美術館訪問」、「アンナ・マグダーレーナ・バッハの年代記」、「階級関係」(原作はカフカの「アメリカ」)などもDVD化されました。

上記真中はシェーンベルクが描いた油彩画。彼は絵も描きます。かなりヤバそうな人格だと推察されます。もっとご覧になりたい方は↓
http://www.schoenberg.at/6_archiv/paintings/catalogue/fantasien/fantasien.htm

コメント(2)

実際はどうだったんでしょうね?この絵が描かれた年代はシェーンベルクもまだロマン派時代だったし、美術史的にはドイツ表現主義の時代ですね。

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