台湾ｳｷｳｷﾚﾎﾞﾘｭｰｼｮﾝコミュの映画「空を拓く―郭茂林という男」渋谷ユーロスペースで２月朝上映中

ドキュメンタリー映画「台湾人生」の監督酒井充子さんの監督第二作「空を拓く」をみた。
「台湾人生」は、酒井さんが北海道新聞の記者時代に、休暇で台湾にいって台湾の日本語世代のお年寄りと話したことがきっかけでできた映画だ。
その後新聞社をやめた酒井さんは、台湾の日本語世代を口コミで尋ね歩いてきた。
酒井さんは北京語も台湾語もできないが、日本語で尋ね歩くうちに日本語ができる誰かが知り合いを紹介するというような感じで、取材が広がったようだ。
「台湾人生」は日本時代に中学生だった人、日本人が経営していた農場で働いていた人などだ。
日本人と教育されて育てられ（台湾人と日本人の差別はあったが）、アイデンティティが日本人なのが、終戦、その後中華民国とかわった中でどのように生きてきたかをそれぞれに語っていて興味深い映画だ。
一方「空を拓く」の郭茂林氏も台湾の日本語世代。
彼も台北で生まれ、日本語教育をうけて、優秀だったため、昭和１５年に日本の鉄道省に推薦されて就職。
その後東京帝大の聴講も許され、学んでいるうちに終戦。
終戦後は、名前の郭茂林と変えずに、日本国籍を取得。日本に残ることを選んだ。（元総統の李登輝は、同じく留学で日本で終戦を迎えたが、台湾に帰った。）
郭氏は、東京大学建築学助手を長年勤めたあとに、昭和３０代終わりから４０年代初めに、霞ヶ関ビル建設のコーディネーターとして活躍して名を馳せた。
その後も、浜松町の貿易センタービルや、新宿住友ビル、サンシャイン６０、新宿副都心の都市計画にたずさわった。