石川県の阪神タイガースファンコミュの打って投げて“歓”

★久保、打って投げて“歓”投４勝！

“投打”のヒーローは大歓声のど真ん中で、最後まで仁王立ちした。
これぞ先発の柱。今季２度目の完投勝利を飾った久保が、軽々とナインとのタッチを交わした。

「最少失点でいけば、今の打線なら追いついてくれる。この点差になったので（最後まで）行くしかないと思った。援護があったのが一番です」

その猛攻。試合を決めた六回は、自ら５得点の口火を切った。
一死一、二塁からの２球目、バスターで２点差にする中前適時打。
投球と同時に三塁カバーに走った遊撃・川崎の右を抜いた。
「初球で川崎が動いたのが見えた。普通にバントしたら併殺だなと」とサインじゃなく、自らの判断。
投手陣が苦しい中、代打を出さなかった真弓監督も「ビックリしました」と最敬礼する大仕事だった。

本業では四回に失策も絡んで逆転されたが、マイペースを崩さず。
六回一死一、三塁、ペタジーニには「勝負をかけた」と、カウント２−２からフォークを連投。
三振ゲッツーで切り抜けると、九回まで直球のキレと制球力は健在だった。
６安打２失点で４月２８日のヤクルト戦（神宮）以来の４勝目。
５度目の先発での交流戦初勝利は、今季甲子園で初めての白星だ。

「こういう場面（打席）が一試合に一度くらいある。やっぱり（練習を）やっているのとやっていないので違う」

打撃にかける時間は多い。
３日も、投手の練習の開始まで室内で打ち込んだ。
この日昇格した林に、助言を求めたこともあった。
通常、先発した２日後は休日だが「走った方がいいかなと」と返上もしばしば。毎年この時期は納豆や梅干し、オクラなどを多めに食べて夏バテ対策。
体調管理にぬかりはない。

久しぶりの白星も「投げた試合は勝っていたし、気にしていない。中継ぎも休めるときに休んでほしい」。
登板した試合は４連勝。
チームの全３完投はすべて久保。今やその背中に、エースの風格すら漂う。

★桜井、弾丸ライナーで同点７号ソロ！逆転劇先導

快音と共に甲子園に“閃光（せんこう）”が走った。その主は桜井。
頼れる７番打者が会心の一撃で逆転劇の先導役を担った。

１点ビハインドで迎えた４回。
ソフトバンク先発の大隣が投じた１２９キロのスライダーを迷うことなく振り抜いた。
打球は弾丸ライナーで瞬く間に左翼席に突き刺さる同点の７号ソロ。
虎党の声援を追い風に堂々とダイヤモンドを一周した。

「なんとか塁に出ようと思っていたので、当たってくれて良かったです。大隣？１打席目にやられていたんでね」

一切の感情を吐き出すことなく、淡々と殊勲者は振り返った。

★林ら４人を１軍登録、鶴ら４人抹消

金村暁投手、筒井和也投手、高橋光信内野手、林威助外野手を出場選手登録。

杉山直久投手、江草仁貴投手、鶴直人投手、葛城育郎外野手の出場選手登録を抹消した。
再登録は１６日以降。