石川県の阪神タイガースファンコミュのアニキ、不死身Ｖ打でＧに勝ち越し

★アニキ魂のＶ撃！能見を見殺しにできるか

グラウンドに立てたことが「奇跡」だった。
踏み込んだ足に鈍痛が走り、腫れた右手はままならない。
それでも金本は、こん身の力で日本最速男をねじ伏せた。

「今は僕より、全然ブラゼルの方が調子がいい。当然僕で勝負だと思っていた」
カウント１-１からの３球目。
外の１５６キロを芯でとらえた打球は、右中間を真っ二つに切り裂いた。１-０。歓喜のスタンドをよそに、二塁に達した金本に派手なアクションも笑顔もなかった。
「ホッとした」
仕事を果たせた安堵（ど）感で深く息を吐き出した。

「久々にバットの芯でとらえたので、感触は良かった。前回は１勝もできてなかったけど、今度は勝ち越すことができた。ジャイアンツに意地を見せることができた」

前日、六回に一塁走者に立った金本は、ブラゼルの強烈な打球を右ふくらはぎに受け、塁間でうずくまり動けなくなった。
「ふくらはぎでは、２番目にやばい個所。正直、今回はもうダメだと思った」。それまで１４０８試合連続フルイニング出場を継続していた主砲が、世界記録のピリオドを本気で覚悟した。

だが、金本は立ち上がった。
患部をテーピングで締め上げてグラウンドに立ち続けた。
前夜は宿舎でアイシングを施し、治療用バンドをグルグル巻きにして眠りについた。
目が覚め、真っ先にふくらはぎを触った。
「全然、腫れてなかった。奇跡よ。奇跡」
４番左翼の欄には何事もなかったように、金本の名が記された。

内海と前回対峙（たいじ）した１週間前の巨人戦でも危機を乗り越えていた。
金本は第１打席で空振り三振に倒れると、左足を引きずりながらベンチへ戻った。
「ひざがかなり悪かった」
術後順調だった患部が悲鳴を上げていた。

この試合で阪神での４番在位が、ちょうど８００試合を数えた。
これは４代目ミスタータイガース・掛布雅之氏と肩を並べる数字。
金本が阪神の４番に座り続ける理由が、この日もまた証明された。

★能見「変身」Ｇ斬り４勝目！

初回から生まれ変わった姿を見せつけた。
１４０キロ台の直球とスライダー、フォークを主体とした変化球を織り交ぜて凡打の山を築き、７回２死からラミレスに中前打を打たれるまでノーヒットピッチング。
「変に力が入ってしまうので、早く（相手に）打ってくれないかな、と思って投げていました」
自分の記録よりも、相手をゼロに抑えてさえいれば負けはない。
その後も自然体を貫き、９回を２安打無失点で自己最多タイの１２奪三振。
０７年４月７日以来、２年３カ月ぶりとなる巨人戦勝利の味は格別だった。

★赤星113スイングで最終調整完了！きょう１軍合流
　
気合の１１３スイングで最終調整は完了だ。
首痛のため２軍調整中の赤星がきょう２０日から１軍に合流する。
１９日は鳴尾浜で調整。
フリー打撃では力強い打球を右方向へ飛ばし、中堅、左方向へと広角に鋭い打ち分けも披露。
軽めのキャッチボールも行った。
石原チーフトレーナー補佐は「いい感じで（状態が）上がってきた」と太鼓判。頼れる切り込み隊長が満を持して出撃する。