石川県の阪神タイガースファンコミュの連夜の竜倒！下柳が「男気２勝」雨中の熱投

★下柳の男気！金本のため負けられるか！

まさに老かい、熟練技の粋を集めた下柳剛投手が７回を無失点に抑え、今季２連勝だ。
同学年の金本知憲外野手の２０００本安打達成がかかる試合は負けられない、と燃えたベテラン左腕の熱投。
アニキはまたも持ち越しとなったが、チームは４カード連続勝ち越しを決めた。

義理人情に厚い人柄が、白球ににじみ出た。

中日を倒す。

勝って祝う。

オレが花を添えたる。

黒土のマウンドで示したのは、８８球の男気だ。祈り続けた金本の一打は出なくとも、下柳の熱投にスタンドが沸いた。
７回２安打無失点。完ぺきと言っていい２勝目だ。

「カネが打って、負け試合というわけには、いかんやろ」

試合後に絞り出したのは、胸に秘めていた決意だった。
試合途中から降り出した雨にも、左腕の闘志は消えることはない。
金本の２０００本目。リベンジへの思い。
昨年、中日にはシーズンで５戦２勝２敗、クライマックスシリーズでは初戦に先発して序盤ＫＯされていた。
燃える要素はそろっていた。

★弟分・新井は走った！今季初盗塁

力強く二塁ベースに滑り込んだ。新井が移籍後、初盗塁をマークした。

三回、四球で出塁し二死後、５番・今岡の２球目、変化球のサインを見抜き二盗を敢行した。

「サインです。和田コーチからも、山脇コーチからも『いつでも行けるように準備しておけ』と言われてたので」と、好走塁でチャンスを広げた。
「いつでも行けるように練習してる。これからも体のキレを出していきたい」とさらなる盗塁に意欲も見せた。

★今岡ラッキー決勝打…14打席ぶり安打

いい笑顔だった。
こんなラッキーなお立ち台も、またいいもんだ。
今岡誠、虎の５番として納得いく快打ではないだろうけど、幸運は幸運で素直に喜んだ。

「笑うしかない内容だけど、ラッキーがいいように流れてくれたらね」

０-０の一回。２０００安打目前の金本が四球となり、聖地が相手マウンドへの大ブーイングに包まれる中、二死一、二塁の打席へ。
「冷静になれませんね（笑）でも、やるしかない！！」

★金本、偉業へ足踏み11打席「早く終わらせたいよ」

声援と期待は痛いほど伝わった。
さすがの金本にも重圧になるのか。
通算２０００本安打に王手をかけてから足踏みが２試合続いた。
連勝からの帰途。
真っ先に脳裏に浮かんだのは雨に打たれながら記念の一打を待っていたファンの姿だった。

「そら、（球場へ）来てる人は見たいやろうしなあ…」

本人が『通過点』と見る節目も周囲は偉業と称える。
阪神での２０００本安打達成は過去に山内一弘氏、藤田平氏の２人だけで、両者とも記念の舞台は本拠地ではなかった。
甲子園で見たい。
寄せられる思いの強さが分かるから、残った１安打はもう単なる１安打とは違った。

１回の２死一塁では四球でつないだ好機が先制点につながった。３、５回は連続三振。最後の８回は二飛に倒れた。０５年には３００号本塁打を放ち、０６年にはフルイニング出場の世界記録を作った記念日『４・９』を無安打で通り過ぎた。

観客席からのカメラのフラッシュに照らされた計４打席。
見守った岡田監督も「関係ないところなら簡単に打つのにな。１日、楽しみが増えたと思えばええ」と気遣う。

「そら、早く終わらせたいよ。キミたち（報道陣）に付きまとわれないように」。
本人が苦笑で望む平常を取り戻すにはやはり打つしかない。

きょう１０日。予報は雨だ。
誰もが願う甲子園達成はなるのか。
春雨が恨めしくグラウンドを叩いていた。