石川県の阪神タイガースファンコミュの開幕３連勝　虎が５２年ぶり　ロケットスタート

★５打点新井がお立ち台

虎が５２年ぶりのホーム開幕３連戦３連勝や。主役は背番号「２５」。

新井貴浩内野手が先制打を含む３安打５打点の大爆発で打線を引っ張った。
投げては福原忍投手（３１）が４併殺を奪う快投で３年ぶりの完封。
痛快快勝劇で、豪快に開幕ロケットスタートを決めた！！

ひと呼吸置いて、思いついた言葉は、これしかなかった。

「初めまして、新井です。よろしくお願いします」
移籍初のお立ち台。超満員虎党が、大爆笑で“新入り”を迎え入れた。新井がようやく『阪神の新井』になった。

０４年以来の開幕３連勝は、３打数３安打、５打点の男がもたらした。
試合終了の瞬間、ヒーローは９度手をたたいてマウンドへ駆け寄った。

「ミーティングで点をとって中継ぎ陣を休ませようという話になった」
前日のヒーローインタビューで「中継ぎに負担をかけないように明日は大量点を取りたい」と宣言したのは金本。そのアニキから主役の座を奪った。お立ち台で「金本選手の前で走者を徹底的にかえしましたね」と振られると、ひと呼吸置いて「ノーコメントでお願いします」と笑いを誘った。

なかなか真の意味で阪神の一員になれなかった。
１月３０日。
キャンプに備え、沖縄入りしたのは自身３１回目の誕生日だった。
前夜家族が開いてくれた誕生会が新天地への出陣式となった。

広島空港から１人沖縄に向かったが、阪神キャンプに参加するという感覚は一向にわいてこなかった。
那覇空港から宿舎へ向かう道中、通り過ぎる広島のキャンプ地・沖縄市街の風景を目で追い、心の奥で「さようなら…」とつぶやいた。
キャンプ中も鏡に映るタテジマ姿に違和感を感じ続けていた。
「本当に阪神に来たんだよな」
夜中、何度も自問自答した。

安芸キャンプ最初の休日、チーム内で３１歳の同期会が開かれた。
赤星、福原、金村暁、秀太…。
選手会長赤星が、待ち合わせ時間５分前に部屋を訪ねると、新井はまだ上半身裸でバットを振っていた。
キャンプ中、雑念を振り払う一心でスイング数を毎日決め、欠かさず実行していた。広島時代にはなかった習慣だ。

昨年７月１日巨人戦以来の１試合５打点。通算６度目の５打点以上の荒稼ぎとなった。まだ３試合とはいえ６打点で、５打点の金本を抜き、チーム打点王に躍り出た。

「もっともっと皆さんに喜んでもらいたい」

３年連続１００打点の個人記録よりもほかに目指すものがある。
ここに来た理由、ここにいる理由がある。
その男がまず『阪神の新井』になった。

★福原セ界一番乗り完封で復活祭

ドームに響く「六甲おろし」が勝者の胸に熱くしみた。
「え～、本当にうれしいです」。
埋め尽くされたスタンドから「福原コール」が響く。歩んできた道に間違いはなかった。
福原が１０７球の完封劇で“復肩”を力強く証明した。

★岡田監督、３タテ発進に大満足「ほんといい流れでいった」

開幕３戦目で現実になった。
赤星、平野の１、２番がかき回し、新井、金本、今岡のＡＫＩトリオが次々と本塁に迎え入れる。
理想のオーダーで４年ぶりの開幕３連勝発進。
出来過ぎ？の滑り出しに岡田監督は顔を上気させていた。

４月１日からは昨年９勝１４敗１分けと大きく負け越した広島と敵地で戦う。
首脳陣は３１日、ナイター練習を行うことを決めた。
昨季序盤、広島に８連敗を喫し、広島市民球場でも４勝５敗と相性が悪かった。今週は６連戦のため、選手は２４日の練習休日から１３連勤となる。
取りこぼしに泣いた昨年を猛省。
周到な準備で、鯉を丸飲み！！　一気の６タテを狙う。