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ベテラン歯科衛生士への道コミュのフッ化物について

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フッ化物に関しては多くの歯科衛生士が熟知されていることと思います.

本日は,よくありがちな話題となりそうですが,ありきたりな内容は今回はスルーします.
そうは言っても誤解や釈然としなことも多いものですけど ^^;

先日の接着性レジンのトピで,グラスアイオノマーの話に少し波及しました.

『グラスアイオノマーセメントのフッ素徐放性の真意』について,
歯科医師らと話す機会があり,フッ化物のことを勉強しなおしてみました.

★フッ素徐放性のメカニズムって?
グラスアイオノマーセメントの内側,つまり健全象牙質に作用して,再発性う蝕の予防に役立つのか?
→その可能性はある.しかし,きちんと証明されていない.

では,グラスアイオノマーセメントの外側からフッ素イオンが溶出し,周囲のエナメル質に作用するのか?
→その可能性は少ないのでは?これもきちんと証明されていない.
この効果を期待するのなら,歯磨剤や洗口剤に期待する方が現実的である.


★フッ化物によるう蝕予防のメカニズム(おさらい)
エナメル質の99%は無機質(リン酸カルシウムの結晶)であり,ハイドロキシアパタイト(ヒドロキシアパタイト)と非常に良く似た構成をしている.

しかし,エナメル質アパタイトは結晶性が低いため,結晶の不完全な部分からカルシウムが溶出したり,唾液中のカルシウムが取り込まれたりを繰り返し,再石灰化(再結晶化)を行う.

余談であるが,う蝕発生のメカニズムは,エナメル質成分の塩基性ヒドロキシアパタイトとう蝕原因菌が産出する乳酸の中和反応により,エナメル質が脱灰される.


フッ素がエナメル質に取り込まれると,水酸基と置換してフルオロアパタイトになる.
フルオロアパタイトは,結晶の不完全な部分を修復し,ハイドロキシアパタイトよりも水や酸に溶けにくい安定した結晶となり,う蝕予防効果を発揮する.



次回,フッ化物の種類とその作用に続く.

コメント(16)

続きです.

★歯科医院で行われるフッ化物歯面塗布
歯科医院で行われるフッ化物歯面塗布には,酸性フッ素リン酸溶液が使われます.
フッ化物濃度は,0.9%(9,000ppmF)で年に1〜2回実施します.
この機序は,歯面からフッ化カルシウムとリン酸が溶け出す際,溶け出たフッ化カルシウムは低濃度のフッ素供給源となり,再びエナメル質アパタイトと反応して,フルオロアパタイトを作り出します.
つまり,エナメル質アパタイトが一旦,破壊された後にフルオロアパタイトが作られることになります.う蝕の抑制率は,20〜50%と聞きます.


★フッ化物洗口
フッ化物配合の洗口剤では,フッ素濃度が100〜500ppmFのものがあります.
エナメル質アパタイトは破壊されることなく,フルオロアパタイトやハイドロキシアパタイトが作られます.
前述のフッ化物歯面塗布剤と成分が違うので,取り込まれる際の機序が異なります.


★フッ化物配合の歯磨剤
歯磨剤では,フッ素濃度1,000ppmF未満のものが使用されます.
フッ化ナトリウム,フッ化第一スズ,モノフルオロリン酸ナトリウム(フッ化リン酸ナトリウム)の3種類あります.
フッ化ナトリウムは,フッ化物洗口と同様の反応で,フルオロアパタイトを作ります.
フッ化第一スズとモノフルオロリン酸ナトリウムは,フッ化物局所塗布と同様にフッ化カルシウムを溶出させます.
フッ化第一スズは,フッ化リン酸スズという不溶性の複合塩を作ります.
モノフルオロリン酸ナトリウムは,リン酸塩とフッ化カルシウムが溶出する際に,アパタイトからリン酸が溶け出すのを防ぐ働きがあります.う蝕の抑制率は,15〜20%と聞きます.


◆フッ化ナトリウムの使用方法

?歯面塗布(9,000ppmF):2〜4週の間に3,4回塗布.これを1クールとして年に1,2回実施
?洗口:226ppmFのものは,毎日(0.05%)使用で,900ppmF(0.2%)のものは週に1回の使用
?歯磨剤(1,000ppmF未満):ブラッシング時に使用

◆フッ化第一スズ

?歯面塗布(9,700ppmF):う蝕のハイリスク者には6ヶ月に1回以上,
ローリスク者には年に1回程度実施
?歯磨剤(1,000ppmF未満):ブラッシング時に使用

スズイオンが細菌の産生する硫化物と反応すると硫化スズを作り出し,
歯を着色させることがある.


◆モノフルオロリン酸ナトリウム(フッ化リン酸ナトリウム)
歯磨剤(1,000ppmF未満):ブラッシング時に使用


◆フッ化ジアンミン銀
う蝕の進行抑制(フッ化ジアンミン銀として38%)
:初期のう蝕に対して,数日間隔で3,4回塗布する.

硝酸銀は,う蝕部分のタンパク質を凝固させて進行抑制に働く.
銀の沈着により,塗布した部分は,黒変する.
◆フッ化ナトリウムの使用方法の?
塗布回数が多いのがネックですが、最近は口腔内の状況に応じて、使用している歯科医院も増えています。

しかし、フッ化物塗布全体についてですが、フッ化物の使用量、作用時間など測らずに、塗布後の注意もなしの歯科医院が多いのも事実です。。。
>ママ佐竹さん

コメントありがとうございます!

ご指摘のフッ化ナトリウム?ですが,
実は,当歯科診療所では実施したことがありません.
ハイリスク者が少ないと言う理由になるか・・・

今回,実施にあたり注意点などコメント頂ければ幸いです.
ご教示の程,よろしくお願いいたしますm(_ _)m
最近のフッ化物は、りんごやグレープの香味があり、以前はすっぱくて嫌だと泣いていた小児の患者さんにも、好評です。

矯正治療中の患者さんには、イオン導入法で行うことが多いのですが、こちらは、以前のまま、すっぱくて、
「えー、あのすっぱいの、やるのー」と言われてしまいます。
「強い歯、きれいな歯のために、頑張ろうね」と言って、施術していますが、こちらも何か良いものがあるといいのですが・・。
>arikaさん

コメントありがとうございました!

酸性フッ素リン酸溶液って,「フルオールゼリー」も入りますかね?いわゆるりんご味です.

それとサンスターの泡状のものもそうですね.グレープ味です.

イオン導入っていうのは,どういった仕組みでされるのでしょうか?
矯正のブラケットに侵襲を与えないものですね.

>neneさん
私の記憶では、サンスターの泡状は、中性のフッ化ナトリウム?に当ると思います。
用法も↓
>2〜4週の間に3,4回塗布.これを1クールとして年に1,2回実施

フッ化ナトリウムは、この用法で、酸性フッ素リン酸溶液(APF)1回法と同じ効果を得られます。
むし歯予防効果が高い訳ではなく、金属補綴物などが多い場合に腐食のリスクが少ないので使用します。


>arikaさん
イオン導入法の場合、酸性フッ素リン酸溶液は禁忌で、フッ化ナトリウム溶液を使用するので、ほんの少し「しょっぱい」ですが、「すっぱい」ことは無いはずですが、溶液は何を使用していらっしゃいますか?

1、2% NaF溶液(フッ化ナトリウム溶液) pH7.0
2、2% APF溶液(リン酸酸性フッ化物溶液)(第2法) pH3〜4
  (APFは、Acidulateed Phosphate Fluoride の略)
  2% NaF+リン酸(1.02ml/100ml)

先に書きました理由で、サンスターの泡状は、矯正装置が入っている場合も使えると思います。
>ママ佐竹さん

コメントありがとうございました!

フッ化物の詳細と実際の製品がマッチしなくて^^;

頭の中で整理できていなかったようです<(_ _)>
>nene様
イオン導入の仕組みは、微量の電気を流すことで、フッ化ナトリウムをフッ素とナトリウムに電気分解します。
フッ素は、マイナスイオンで、人体を一時的にプラスの電位に変えることで、フッ素を単に塗布するよりも効率よく、歯質に浸透させるようです。
歯質に取り込まれたフッ素は、フルオロアパタイトになるのは同じです。

臨床経験では、矯正装置には問題はないようです。
ただ、予防に熱心で矯正前から、定期的にイオン導入をされていた患者さんは、矯正装置の脱離が多いようにも感じます。
なので、ブラケットの接着の前には、イオン導入はしていません。

>ママ佐竹様
イオン導入の際に使用しているのは、ナルコームの弗化ナトリウム「ネオ」です。
成分は、100ml中フッ化ナトリウム2gです。

歯磨剤でも、キシレステシンでも、ボンディング剤でも、新しく医院で使うものは、味見をしているのですが、ネオは久しぶりで・・・。

先ほど、もう一度味見をしてみました。
「しょっぱい」と言われれば、しょっぱいような
「すっぱい」ような・・・

患者さんの反応は、唾液がたくさんでる=「すっぱい」との表現が多いです。
>arikaさん
今の矯正装置は、エッチングして接着させていると思うので、フッ素塗布によって歯面が強化されていると脱灰が起こりにくいので、接着力が低下して脱離が多くなると思われます。

イオン導入法は私が新卒だった30年前くらいにはポピュラーで先進的な方法でしたが、最近のフッ素推進派の教授などによれば、日本以外では行われておらず、理論上で考えられているだけで、効果の違いのデータはないらしいです。

使用するフッ化物が中性なので、金属やコンポジットレジンへの影響は少ないです。
ただ、フッ化ナトリウムと用法は同じなので、1ヶ月間に4回程度の塗布が必要になります。

フッ化ナトリウムのフォームのトレー法でも、同じ効果は得られるはずです。
フッ化物と接着性レジンの関係ってあるのかな?つまり禁忌かどうか.

ちょっとこの点は,ひっかかりますね〜

安田先生か中林先生に確認してみますね.後日回答いたします.
>ママ佐竹様

ご教授ありがとうございます。

>最近のフッ素推進派の教授などによれば、日本以外では行われておらず、理論上で考えられているだけで、効果の違いのデータはないらしいです。

そうなんですかげっそり
すっかり、メーカーの資料を鵜呑みにしておりました。



>neneさん
定期的にフッ素塗布をされている場合、歯牙表面が脱灰されにくくなっていると言う意味です。
違います?(??)
追加:
私も矯正装置をセットする直前の歯面清掃には、フッ化物入りの研磨剤は使わないように、矯正歯科のDrに指示されていました。
>ママ佐竹さん

本日,安田先生に昨日の件,確認しました.

ママさんらの見解は,正しいそうです.

フッ化物を塗布することで,エナメル質表面はハイドロキシアパイトからフルオロアパタイトに変化します.
と言うことは,耐酸性が上がってエッチングが十分でなくなるから,
接着性レジンがつかなくなるという道理です.
フッ化物がう蝕予防に効果的であるのは,
フルオロアパタイトになって耐酸性が向上するのも一因です.

ブラケットを装着する際に,フッ化物そのものが邪魔をすると考えるのではなく,
エッチングの効果が十分でないと考えてください.

しかし,いずれにしろ,机上の空論で,実際に臨床では,
どの程度影響を受けるのかは残念ながら誰にも分かっておらず,
それこそエビデンスはないそうです.

矯正のブラケット装着であるならば,むしろあまり接着力が働かない方が,デボンディングの時にいいという考えもあります.
つまりブラケットが外れない程度に接着していれば,矯正治療においては,都合が良いと申しておりました.

以上の回答から,
臨床に即した使用方法に順ずるということで話はまとまると思います.
フッソによって強化されたエナメル質に矯正治療する場合(ブラケットの接着)歯質に対する前処理はスーパーボントの表面処理レッド(リン酸水溶液)を通常の処理時間より長めに処理をしてください。水洗乾燥時に脱灰(白濁)を確認して接着してください。
また、neneさんのコメントにもありましたがブラケットのディボンディングを短期間の時にはエッチング時間を通常より短くします。フッソ強化に対する接着についての質問は、時々あります。
>ママ佐竹様

トレー法によるフッ化物塗布に興味はあるものの、コスト面から、保険適用の場合は、綿球での塗布。
矯正など自費の患者さんは、イオン導入を使用していましたので、トレー法を使うタイミングがありませんでした。
イオン導入とトレー法が、同じだけの効果があがるのであれば、グレープ味の泡状のものでのトレー法が、患者さんのストレスが少ないでしょうか?

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