タブロイドコミュの＜第9回＞

夕刊トップでは、リポーター長田美奈（山村美智子）暴行事件の続報を「犯人はテレビで見た顔」として紙面作りすることにし、くるみ（ともさかりえ）が担当することになる。
　編集局長の桐野（佐藤浩市）は咲（常盤貴子）に、真鍋（真田広之）を取材した理由と釈放後の真鍋に会ったかどうかをたずねる。否定する咲は、真鍋をかくまっているだけに心苦しい。
　桐野は、「探してくる」と言って出た咲の後をくるみに追わせる。カメラマンの猿渡（柏原崇）は「同僚を尾行するのか」とくるみに同情するが、くるみの方は暴行事件に関して真鍋犯人説が出たことで咲に同情している。
　自分の部屋で咲は、かくまった真鍋に向かい、真鍋と殺害されたビンゴ（中野英雄）との間に接点があったことが分かったと告げる。だが、真鍋は「話す気はない」とそっけなく答える。
　そのころ、刑事の都倉（若松武史）らは、タクシーの運転手から美奈を襲った男のことを聞き込んでいる。咲のアパートの前ではくるみと猿渡とが咲と真鍋の関係を話している。
　咲の部屋の動きのなさにたまりかねたくるみは、咲の部屋に入ろうとして追い出される。煮え切らない咲の態度に業をにやしたくるみは部屋に入るが、真鍋の姿はない。
　運転手の話から入院中の美奈に会いに出かけた都倉たちは、美奈に真鍋の写真を見せる。その反応の大きさから都倉たちは、美奈を襲ったのは保釈中の真鍋だと確信する。
　真鍋が姿を消したことを知った桐野は激怒する。そこへ、都倉たちが咲に会いにやってくる。咲が真鍋にわたした電話番号を書いた紙切れを示しながら「真鍋はどこだ」と追及するが、咲は答えようがない。
　真鍋は警戒の目をくぐりぬけ、美奈の病室を訪れて「俺の娘も生きたかったのだ」と脅している。同じころ、真鍋を弁護した香月（もたいまさこ）は、咲に「堂々としていろ」と励ましている。
　各新聞は、美奈暴行事件の容疑者として真鍋のことを書くはずだ。真鍋の冤罪を打ち出して成功した夕刊トップとしては書き辛いところだが、桐野は「事実を書くほかない」と言いきる。
　咲は、真鍋が事件を起こした真相を探り出そうと,、真鍋の娘が事故死すると共にビンゴも自殺未遂を起こしたマンションに出かける。さらに、その事件を伝えたテレビのワイドショーのビデオを入手し…。