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クローズアップ現代コミュの2008年2月5日(火)ソフトウエア危機 〜誤作動相次ぐハイテク製品〜

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2008年2月5日(火)ソフトウエア危機 〜誤作動相次ぐハイテク製品〜

スタジオゲスト :西 康晴(電気通信大学講師)

暮らしを支えるハイテク製品。先月上旬大阪の特急が別のルートに侵入。コンピュータソフトが誤った指示を出していた。ソフトの指示で本体が誤作動。ダムで水が放水される。ブレーキの効きが変化する。航空管制システムでのトラブル。システムを動かす巨大ソフトに潜む欠陥。政府も動き出す。ソフトウェア危機の実態に迫る。

ソフトウェアは製品の頭脳。数万行をこえるものも珍しくない。主なトラブル。証券取引所。風呂のガス。インフルエンザで陰性、陽性の間違い。

たったそれだけで・・・。2007年10月12日。桶川駅。自動改札機がいっせいに閉じる。警報音。午前3時にメーカーに緊急連絡。トラブルは662もの駅で発生。改札機は半年前に納入したもので最新式。
「なぜということがずっと分からなかった。フィールドでは分かりにくい。」
派遣して調査。モーターなど機械本体の調査を行う。本体にはどこにも異常が見つからない。残るは基盤に組み込んだソフトウェア。ソフトウェアは指示書。1箇所でも誤りがあれば正常に作動しない。短時間ではチェックできない。83万行に及ぶ。
去年3月に大規模なシステムを導入。1枚のカードでJRも私鉄も利用できる。12億3千通りもの乗り降りパターンがありそれに対応したソフトウェアが求められる。4年がかりでソフトウェアを開発した。その中の小さな誤りを探す。技術者100人を緊急召集して調査。
トラブルはICカードの紛失届け情報を処理した時点で起こることが判明。毎日始発の前に紛失届けが出されたカードを無効にする情報が送られる。その直後にトラブルが発生。関連する26万行に対象を絞る。
営業時間になってもシステムが復旧しなかったため、鉄道各社は自動改札機を開けたままにし運賃を取らないという決断を下す。鉄道各社からの問い合わせがメーカーに相次ぐ。
メーカーの塚本「大変申し訳ないと思った」。特定は午後2時。トラブル発生から12時間経過。
「間違っていたのはこの1行」「たったそれだけですか」
+OFFSETという7文字がが抜けていただけ。紛失届けの累積件数が5452件をこえるとトラブルが発生。
「手順を踏んで検証するのでほとんど見つかる。通常の手順でないものは見つかりにくい」
その後システム全体の再検証をして1ヶ月2億円かかる。

スタジオゲストは西康晴(電気通信大学講師)。
畠山智之キャスター「たった一行の誤りでこんなことになるんですね」
西「・・・海外の事例で、携帯電話で9時間トラブルがあり、11億ドルの損失が出た。・・・致死量の何千倍の放射線が医療機器から照射された。・・・日本製品は世界中で売れているので影響が大きい。」
畠山「なぜこうしたことが起こるのか」
西「ソフトウェアが巨大で複雑だから。携帯電話の例を挙げる。普段よく使う機能は?」
畠山「・・・」
西「非常にたくさんの機能がある。今では500万行のプログラムになっている。
畠山「それはどれぐらいなのか」
西「一昔前の銀行のオンラインシステムぐらい」
畠山「かつて製品のトラブルは液晶が映らないなどの本体だったが。・・・今は中身になっているのか」
西「そう」
畠山「どのくらいの多さなのか」
西「経産省の調査では43%はソフトウェアによるもの」
畠山「・・・」
西「今は携帯にしても家電製品にしても新機種がどんどん出る。新しい機能や機能の向上はほとんどソフトウェアで実現できる。ハイブリッド車もそう。」

畠山「開発現場では深刻な人手不足が問題となっている。33万人必要といわれているが10万人不足している。」

厚労省。過労や自殺の報告書。ソフト開発の現場に衝撃を与える。うつ病や過労死が最も多い職業の一つがシステムエンジニア。20代のある男性。一昨年うつ病と診断される。原因は過酷な勤務。午前4時に出社。納期が迫ると盆も正月もなく全て休日返上。残業は1ヶ月で200時間。開発するソフトの巨大化が原因。ソフトウェアの大きさは5年で5倍に。しかし技術者はそこまで増えない。業界の競争は激しく納期が次々と迫ってくる。
男性「納期が第一優先でくる。上司には早くしろといわれる。楽になりたいという思いが一番だった」
こうした状況がソフトの欠陥を生む原因。出荷前にチェックできない。発売後に次々と欠陥が発覚。
男性「必ず不具合が出る。・・・納期と利益が優先される。・・・めちゃくちゃだった」

一方、対策に乗り出した自動車業界。環境や安全が重要。そのためのソフトを開発。急な飛び出しを回避しやすいソフト。運転手の怪我を軽減するソフト。CO2の排出を減らすソフト。最新の自動車は80のコンピュータを積み込み、700万行のソフトウェアをもっている。技術者の不足は深刻。メーカーの危機感。
トヨタの担当者「トヨタには約1万人のエンジニアがいるが倍は必要と考えている。」
日産、トヨタ、ホンダなどが手を組んで共同でソフトウェアを開発。限られた数の技術者でソフトを開発し続ける。
こうした取組に国も注目。情報家電や産業機械にも広げようとしている。経産省情報処理推進課の担当者。

畠山「人手不足が深刻になっています」
西「不足しているから追いつかない。欠陥がでる。欠陥に対処するために仕事が増加する。ますます人手不足になる。という悪循環がある。こうした状況はデスマーチともいわれる。多重下請け構造が背景にある」
畠山「作る現場がこれではお寒い状況だ。自動車メーカーの取組をどうみるか」
西「これまでなかなかなかった取組で評価できると思う。・・・どうやってソフトウェアを上手に作っていくか。もし欠陥があるとメーカーをまたいで影響がある。・・・まず共通化し、そしてその上で各社個別で開発することになるだろう。」
畠山「これまでハードが基本と思っていた。ソフトが重要なのですね。」
西「ソフトウェアを作るには人間しか要らない。他に資源も必要ない。環境も汚さない。日本にむいていて必要な産業だ。・・・しかし疲れ果てている。・・・難しいソフトを開発するから他の国に追いつけないものができる・・・技術者が笑顔、誇りをもって働ける環境を整えること。日々改善していくこと。」
畠山「サポートすることも必要ですね」
西「産業、国、大学などの教育機関の三位一体の取組が必要。」
畠山「ぜひサポートも検討したいですね。」

明日はCO2の見える化

以上、メモと食事を挟んでの1時間と10分ほどの記憶より

コメント(1)

あの自動改札機が一斉に動かなくなってしまった騒動の原因が、83万行に及ぶプログラムの中のたった一行、7文字が抜けていたところにあったっていうのが、私には衝撃でした。

メカ音痴なので、「システムに不具合」があったと言われても、全然ピンと来なかったのです。

エンジニアが不足しているという実態も初めて知りました。

教師も不足している、医師も不足している、システムエンジニアも不足している・・。
大変だなあ。

「ソフトの開発に必要なのは人材だけであり、日本に適した産業」というコメントは、なるほど〜と納得しました。

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