クローズアップ現代コミュの2008年２月4日（月）　追跡・毒混入ルート～中国製ギョーザ　深まる謎～

2008年２月4日（月）　追跡・毒混入ルート～中国製ギョーザ　深まる謎～

スタジオゲスト：太田　光雄（経営コンサルタント）
　　　　　　：岩﨑　惠美子（元仙台検疫所長・仙台市副市長）
スタジオ出演：西川　拓之介（ＮＨＫ科学文化部・記者）

危険な殺虫剤の成分はどこで混入したのか。下痢や嘔吐。激しい中毒症状。「めまいがすごい」「体がいうことをきかない」。混入した原因は分かっていない。対応に追われる食品会社。中国からの食品輸入なしではやっていけない日本社会。深まる謎と事件の波紋にせまる。

5歳の女の子は一時意識不明。検出されたのはメタミドホス。自主回収の動き。10社40品目に及ぶ。輸入食品は大丈夫なのか。最大の焦点はどこで混入したか。生産、加工、流通の3段階のうちどこか。食材の生産の段階での可能性はあまりない。基準をはるかにこえる濃度であった。加工か流通かという可能性が高い。河北省の石家荘市。北京から車で4時間。周辺は農業地帯。メタミドホスは一昨年まで一般的な農薬。毒性が強いので昨年一月に中国政府が生産・使用を禁止。販売店「以前にもらった人は使っているかもしれない」農家A「一部で使っている」農家B「安くはないけどよくきく」。天洋食品。日本向け加工食品で急成長。国際的な衛生管理の手法を導入。日本企業の要求にこたえられるとPR。この工場での混入の可能性は？日本から調査員の派遣。製造工程を調査。材料を水洗い。機械で裁断。異物がまじっていないか確認。一部の薬品を使うがメタミドホス使用の履歴なし。何者かが持ち込んだ可能性は？入り口で服装や持ち物の監視。作業場でも監視。蒸し・急速冷凍では人は直接触れない。袋詰め。箱詰めにも監視がある。まだ手ぬるいとする専門家もいる。他と比べて監視が手薄な場所は冷凍倉庫。日中鍵がかかっていない。梱包以降は監視がない。通常は異物混入のリスクは小さいため。問題の食品は冷凍倉庫に1ヶ月保管されていた。　

日本で混入した可能性は？天津の港から日本へ、大阪では袋の外側からも検出。商品は店頭に並んでいたもの。レジ係の店員がぬるっとしていたのに気づく。警察は日本で何者かが付着させた可能性も調査。日本国内では特殊な試薬屋から入手しなければならない。相当難しい。西川記者。国内では兵庫大阪千葉で検出される。兵庫、内側から検出、穴あり。大阪、袋の外内両方から検出→袋詰めの工程？。千葉、袋内側、穴なし→工場での可能性。9月製造の餃子からも微量だがメタミドホスを検出。西川「まず国内で回収された製品を徹底分析。製造工程や保管体制なども調査する必要性」

食品会社の困惑。神奈川県相模原。ある会社。餃子の売上が1割近く減少。希望する取引先には残留農薬の検査結果を送る。消費者の不信感を取り除くのは容易ではないと感じる。惣菜を作る会社。ほとんどに中国産の食材を使用。9割以上の惣菜に中国産の材料が使われる。厳しい価格競争の中で中国産に切り替える。価格と大量に確保できる点から中国産は不可欠。石田「ほとんどの食生活を中国産を除いては作れない」。安全性の確認は難しくなる。ある会社。250の企業と契約。卸売業者に問い合わせ。産地や農薬を確かめようとするができなかった。「森を確かめるのではなく、木の一本一本まで確かめてくれというのが消費者の要望」納入される食材を一つ一つ調べる。大手の冷凍業者。別の会社に委託していて確認が難しい。「製造がどこか調べる必要がある」。給食センター・卸売り業者・食品センター・委託先の業者の4段階。卸売り業者の営業「確認は非常に難しい」。納入先の老人ホームからの問い合わせ。しかし十分な回答ができず。どう安全性を確かめるのか。

スタジオで太田光雄（経営コンサルタント）と岩﨑惠美子（元仙台検疫所長・仙台市副市長）。畠山智之キャスター「不安をどう考えているか」太田「実際は食品検査に違反している件数は中国産でも米国からのものよりも違反率は低い。管理レベルは日本と比べても遜色ない。」畠山「何故こうしたことが起こるのか。どう防げばよいのか。」太田「自社の担当者を貼り付けさせることで自信を持って販売できる。ある意味で検証できる。」畠山「口にする前にどうして確認できないのか」岩崎「輸入量も莫大。チェックするべき有害物質も膨大」畠山「早期に対処するにはどうすればよいのか」岩崎「患者が見つかった時点で調査開始するよりない。申告していない例もある。被害がパラパラ起きると把握しにくい」畠山「他の原因でも対処がなされているのか」岩崎「病原菌によるものでも同様。きちんと検査されていない。さらに報告されていない」畠山「どう安全を担保するか」岩崎「3点ある。?早期発見。?情報を集める?分析し対処する部署があること。米国のCDCがやっているシステムを導入したらどうか。全ての情報が集めて対処を決定する部署。」畠山「輸入食品に頼っている現状」岩崎「早期に発見・対処することができればもっと防げたのではないか」

明日はソフトウェア危機　　　　　

以上見ながらのメモと見終わってから20分の記憶より

コメント(1)

最初
全て
最新の40件

[1] mixiユーザー 02月05日 04:53

＞輸入食品に頼っている現状
http://www.reishokukyo.or.jp/report/import.html
中国製品のウェイトが大きいことが分かる。また次のページではここ10年ほどで調理冷凍食品の輸入が増えていることがわかる。
http://www.reishokukyo.or.jp/report/consumption.html
国内生産量はここ10年間頭打ちだが輸入は一貫して増加している。こうした状況下で輸入加工食品の検査は細菌検査などが主で農薬検査は行われてこなかった。理由は次のリンク先の記事を参照。
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0000821542.shtml
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080131-1068087/fe_080201_03.htm?from=yoltop

＞件数は中国産でも米国からのものよりも違反率は低い。管理レベルは日本と比べても遜色ない。
2006年の件数と違反率で見ると確かにそうなっている。次のリンク先を参照。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0907&f=column_0907_006.shtml
http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/news/20071225gr02.htm
http://www.j-cast.com/2007/09/17011257.html
違反率は中国以外の国のうちでより高い国が多いが、確かに発生件数は中国が多い。このため報道される機会も多いのだろう。こうして消費者の疑いの対象とされることが多いのではないだろうか。こうした疑いを晴らすべく多くの取組がなされている。次のリンク先の中日新聞の記事を参照。
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2007123102076388.html

今回の問題はともかく、一般的に考えた場合に中国のみに安全性の問題の原因を押し付けることには無理があるだろう。食料を海外に依存した結果安全性が損なわれていないかどうか、が検証されなければならないのではだろうか。しかし、この点を検証するためには海外産と国内産の両方の産品について同種の検査をした上で基準違反率を比較するなどしなければならないだろう。比較できるデータがあればいいのだが残念ながら利用できそうな国内データを知らない。

＞木の一本一本まで確かめてくれというのが消費者の要望
もし継続的に確かめるとすれば、そのコストの負担は生産者か消費者に帰着することになる。ある程度の割合で消費者にコスト負担は帰着するはずだが、安全性のためにコストを負担する意思は消費者はどの程度あるのだろうか。この点が不明確だと生産者も安全性を継続して確保することに踏み込めないだろう。

ところで今回のギョーザに関しては最終的な結論はまだ出されていない。個人的な立場としては加の情報でもない限り、次の毎日の記事にほぼ同意する立場。
http://mainichi.jp/select/jiken/archive/news/2008/01/31/20080131ddm002040011000c.html
とはいえ、穴がどうして開いたのか。薬物と穴の関連性はあるのか、ないのか。故意なのかそうでないのか。この点はよくわからないし、専門家の説得的な議論もまだ見かけていない。原材料の段階は関係ないので、包装段階か流通段階なのだろうけど。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ