何はともあれ、最も重要なのは、音楽だ。 この中の素晴らしい演奏と、開いた口が塞がらないようなメロディーラインの応酬する、特級のソウル、ロックのブレンドだ。 特に、「ジェシー」と「アップル・グリーン」は格別だ。 この世の中に正義というものがあるなら、間違いなくヒットするはずだった、名曲中の名曲。 これらの曲は沢山の人の耳に届くべきもので、聞いてもらわないと話にならない。 アルバムは、一般的に言われるブリット・ポップ手前、の音を見事に捉えている。ロックのカテゴリーに治まりきらない、様々な要素がうまくブレンドされている。 言ってみたら、ポール・ウェラーの”Wild Wood"や、プライマル・スクリームの"Give OUt But Don't GIve Up"みたいな、レトロ的な音創りであって、気違い博士が実験室で様々な事を試みているような、そんな感じだ。ビートルズとか、フーとかキンクスとか、そういうストレートなルートのアーティストのサウンドといったような音が一面を占める手前の。
再発盤には、オリジナル・アルバムに加えて、CD一枚分のボーナストラックがついている。シングルのb面や、未発表バージョン、と、これ迄の音の軌跡が足されている。 "You Have Been Watching"アルバムに繋がる"Life Eternal(Headf**k)”の未発表バージョン、や、上記の名曲2曲、の未発表バージョンも含まれている。