米国、南NJ州クリスチャン教会コミュの喜びの福音。

喜びの福音。
ローマ9:1-29。

私たちにもたされた喜びの福音について書き進めてきたパウロは、主イエス、キリストによって示された神の愛の輝かしい勝利を高らかに賛美しています。しかし、ユダヤ人であるパウロの心を暗くしている問題がありました。それは神の民として選ばれたはずのユダヤ人が、なぜ神からつかわされた救い主を受け入れないで十字架にかけたのか（ヨハネ1:11）なぜ異邦人に

福音を宣べ伝えるために召されたパウロの働きを妨げるのかという問題です。
彼は心から同胞であるユダヤ人を愛するがゆえに、たえずそのことに心を痛め、深く悲しみ（ 2節）、同胞であるユダヤ人が救われるためなら、自分がキリストから引き離され、神から見捨てられた者となってもよいとさえ思ったのです（ 3 節）それは罪を犯した愛するわが子のために心を痛めて悲しむ親のような気持です。私たちは隣人が犯した罪を無責任に批判したり、攻撃したりすることはあっても、それを自分のことのように悲しみ、心を痛めることが果してあるでしょうか。

異邦人が福音によって救われることを願って、そのために生涯を献げたパウロは、それ以上に、福音を受け入れようとしない頑固なユダヤ人が、悔い改めて救われることを願い求めているのです（ 10:1）。しかしパウロの心を苦しめたのは、そのような心情的なことではありません。ユダヤ人がキリストを受けいれなかったために神から見離されたとしたら、選民イスラエルに対して与えられた神の救いの約束は取り消されたことになるのでしょうか。

約束されたことは、どんなことがあっても必ず実現されるはずの真実な神が、約束を破棄されるようなことがあるでしょうか。ユダヤ人はイスラエルの民です。（4節）彼らは諸国民の中から選ばれて「神の子としての身分」を与えられ、律法、神殿における礼拝、預言者をとおして語られた‘神の救いの約束など、あらゆる栄光に満ちた特権が彼らのために用意されました。そして何よりも全人類の救い主として神からつかわされたキリストは、イスラエルの王ダビデの子孫としてお生まれになったのです。（5節）

救い主がユダヤ人の間に人としてお生まれになったことによって、イスラエルの先祖たちに与えられた救いの約束は、破棄されることなく実現したのです。アブラハムの子孫とされていた民族としてのイスラエルが神の約束にしたがって、彼らの間にお生まれになったキリストを受け入れなかったために、神は信仰によってキリストを受け入れるすべての人を、民族や国籍の違いを超えて、新しいイスラエルとしてお選びになったのです。アーメン。