米国、南NJ州クリスチャン教会コミュのベデスタの池で病人を治す。

ベテスダの池で病人を治す。
ヨハネ5:1-47。

ユダヤ、サマリヤ、そしてガリラヤにおけるイエスの初期の公的宣教は、その大きな目標を達成して、多くの実を結ぶことができました。ユダヤの指導者たちは、イエスに対して弾圧の手を伸ばしてはいましたが、それでもまわりに弟子を集めて集団を形成していることについて調査することの方に重点が置かれていました。

しかし、彼らの態度は敵意に満ちた殺意へと急展開して、ユダヤ当局者とイエスとの対立は厳しさを増していきました。＜エルサレムの市内、羊の門の近くに、ヘブル語でベデスダと言う名前の池があって、そこには、五つの回廊があった（現代訳、5:2）＞。
近年の發掘調査の結果、長方形の池が南北に二つ並び、おのおのの池の周囲を囲んで四つの回廊と二つの池の間を仕切るようにしてもう一つの回廊があったことが明らかになっていたと言われています。

ベテスダの池とは「あわれみの家」の意で、多くの病人が癒しを経験した恵みの場所であったと思われます。そこには、「大勢の病人、例えば、盲人、足の不自由な人、やせ衰えた者たちが、体を横たえていた。この人々は水が動くのを待っていた。」（5:3）。「それは、この池が間欠泉であって、時々水が吹き出すのを、人々は主のみ使いがこの池に降りて来て、水を動かすものと考え、その時最初にこの池に入った人どのような病気でも治るものと信じていた。（5:4）

皆その池の水の動くのを今か今かと待っていたのです。そこに、「38年もの間、中風で寝たきりの男がいた。」彼がその回廊で寝ている所へ来られたイエスは、その男をご覧になって、こう言われた。「本当に治りたいのか。」その病人は答えました。「勿論です。でも、私は、水がかき回された時、自分で池の中に入ることができません。誰も私を池の中に入れてくれる人はいません。何時でも他の人が先に入ってしまうのです。（5:5-7）」

イエスは彼に言われた。＜さあ、御き上がって、床をたたんで歩き出しなさい。その男はその通リにした。彼は治り、床をたたんで歩きだした。＞（5:8-9）ベテスダの池の光景でもう一つ目につくことは、ユダヤの指導者たちのあまりにも冷たく無関心な態度です。神殿の荘厳な儀式や、神の律法を厳格に守っている自分たちの誇りの宗教家たち。またこの池の南には、ヘロデ大王が建造を始めてから46年を経た未完の神殿がその威容を誇っています。

それとはあまりにも対照的な、ベデスダの池の病める人々の姿。きらびやかに着飾った宗教家たちは、目の前にいるこうした弱い者には目もくれようとしなかったのではないでしょうか。こうして見てくると、このベデスタの池の悲惨な情景こそ、刑骸化した偶像礼拝を痛烈に批判しているのではないでしょうか。アメーン。