米国、南NJ州クリスチャン教会コミュの正しい人は一人もいない。

正しい人は一人もいない。
ローマ3:9-20。

主イエス、キリストによって、全ての民にもたされた福音について説き進めるすすめるにあたって、パウロはまず、不潔な生活にふける異邦人の罪と、自分たちを特別なもののように思い違いして異邦人を裁き、神の憐れみをないがしろにして悔い改めようとしないユダヤ人の傲慢の罪を仮借なく指摘しました。

光は闇の中にこそ明るく輝き、私たちに希望と喜びをもたらします。神からの喜びのおとずれは、人間の罪のゆえに神の怒りの下におかれた闇の世界にもたされたのです。私たちはここに記されている厳しいみ言葉をとおして、＜神の豊かな慈愛と寛容と忍耐＞なしには生きることのできない自分自身の罪を認め＜神の憐みによって悔い改めに導かれる＞ことを祈り求めたいと思います（2:4）。

私たちは常に自分を周りの人と比べて、いわれのない優越感にひたったり、しながら生きています。学校においても生徒は成績や序列を気にしながら学んでいます。主イエスの弟子たちのあいだにおいてさえ、主が明日は十字架におかかりになるという最後の晩餐の席上で、＜自分たちのうちで誰が一番偉いだろうか、という議論も起こった＞（ルカ22:24）と福音書は伝えています。

確かに世の中を、人と人との横の関係だけで見るかぎり、善人もいれば悪人もおり、世間に害を及ぼす人もあれば、世の中を少しでもよくするために愛と奉仕に生きている人もあります。従ってパウロのように、＜正しい者は一人もいない＞とか＜私たちには優れた点が、全くありません＞などと断言するのは言い過ぎではないかと思われるのではないでしょうか。横の関係で生きている限り、ここで言われているようなことは、けっして納得できません。

何も聖書など読まなくても自分が傷まない程度に人に親切をして、満足感にひたっていればすむことです。私たちが絶対的な視点から評価される時、教養、地位、学歴、家柄、民族性というような、すべての相対的な優劣はまったく意味を失います。すべての人間が全く弁解の余地のない罪深い存在であると共に、またかけがいのない貴い存在として生かされていることがわかるのです。アメーン。