米国、南NJ州クリスチャン教会コミュの神の国の奥義。

神の国の奥義。
マルコ4:26-34。

譬え話によってイエスがときあかそうとしておられるのは、神の国の奥義です。「神の国」というのは、天国、極楽、パラダイスというような、昔から人々が、死後の世界や、この地上のどこかに空想していたような、場所のことではなく、神の支配という意味で、神が支配され、その御心の行なわれる所が神の国です。

私たちの住む世界は、神に代わっ人間がその権力によって支配する国であり、お互いに、他を支配する力を手にいれようとして、醜い争いを繰り返しながら、滅びの道をたどっています。私たちの周りに繰り広げられている激し生存競争や、政治家たちの醜い争いを繰り返しながら、滅びの道をたどっているのです。

私たちの周りに繰り広げられている激しい生存競争や、政治家たちの醜い権力闘争や、人間が人間を支配しようとして、食い合っているかぎり、お互いに滅ぼされてしまうことは明らかです。（ガラテヤ5:15）神の支配に背いて自分本位の生活をしている人間の罪と、その結果としての死の力が、私たちを支配しているのです。隣人を愛さなければならないと頭では分かっていても、私たちは自分のことしか考えられない、利己主義に支配されている心を乗り越えることができません。

この利己主義という罪は悪性の癌細胞のように、私たちの心の中で、だんだん大きくなって、しまいには私たち自身を滅ぼしてしまうのです。私たちが、自分の意志ではどんなにしても乗り超えることのできない、罪の支配から解放されない限り、神の支配のもとに生きることは出来ません。ご自分のことは少しも顧みることなく、人々を愛し、死に至るまで神の御心に従って生きられたイエス、キリストだけが、不従順と利己主義の罪を乗り越えることのできる、ただ一人のかたです。

イエスがおられるところ、そして人々が彼を信じて生きるところ、そこが神の国です。イエスは「二人又は三人が、私の名によって集まっている所には、私もその中にいるのである」（マタイ18:20）と約束されましたが、イエス、キリストの御名によって祈り、その御言葉を聞き、彼に従って生きる人々が集まっている所はどこでも、目には見えませんが、目に見えるものよりはるかに確かな実存として、イエスは私たちと共におられるのです。

私たちが集まる礼拝のなかに、イエス、キリストは親しく望んでおられます。彼が生きて共にいますところ、そこが神の国です。礼拝において、私たちは神の国が完成する日を待ち望みながら、そのご支配のもとに生かされるのです。アメーン。