米国、南NJ州クリスチャン教会コミュのユダの自殺

ユダの自殺。
マタイ27:1-10。

イエスの生涯にとって最も長い一夜が明けました。（27:1）当時ユダヤはローマの支配下に置かれており、死刑を執行する権限はローマの地方総督が握っていました。ユダヤ人の指導者たちは、議会においてイエスの死刑を正式に決議し、それに基ずいて地方総督ピラドに告訴しょうとしたのでした。

イエスが有罪の判決を受けたと知ったユダは、裏切ったことを後悔して、イエスを売り渡した代価である銀貨三十枚を祭司長たちに返そうとしました。しかし、彼らはそれはユダが自分で解決するべき問題であると言って、受け取ることを拒否しました。（27:4）そこで、ユダはその金を神殿に投げ込み、外に出て行って首をつったのです。

祭司長たちは、ユダの投げ込んだ銀貨は汚れた金であるから、神殿の金庫に入れるのはよくないと考えました。（申命記23:18）。彼らはその金で陶器師の畑を買い、旅人たちの墓地にしました。これは旧約聖書の預言の成就です。エレミヤ32:6-9には、エレミヤが畑を買うことが語られています。また、ゼカリヤ11:12-13には、銀三十シュケルを陶器師に投げ与えることが語られています。

そして、マタイは二人の預言者のうち、有名なエレミヤの名をあげて両方を代表させています。この畑は「血の畑」（使徒1:19アケルダマ）と呼ばれて、神殿のある丘を南にあるケデロンの谷とヒノムの谷の合流地点の付近にあります。ユダの自殺は、私たちに何を教えているでしょうか。それは、後悔と悔改めとは違うということです。私たちは、後悔と悔改めとはあまり違わないように思っていますが、聖書では、はっきりと異なる言葉を用いています。

ユダは、イエスを売り渡すことなどしなければよかったと後悔しました。「後悔先に立たず」とはまさにこのことです。しかし、悔改めとは、心を180度方向転換させて生き方を変えることです。ユダは自分の生き方を改めなかったのです。彼は金を返そうとはしましたが、神の前に自分の犯した罪を告白して、赦しを求めることをしなかったのです。

ベテロもイエスを三度否定するという大きな罪を犯しましたが、後にその罪を悔いて、激しく泣きました。しかし、彼は方向転換して神のもとに戻って来ました。彼は、神に罪を告白すれば赦されることを信じていたのです。それゆえ、彼には救いがあり、再び使徒として用いられるようになったのです。私たちも、誤って罪を犯すことがあるかもしれません。ベテロのように罪を悔い改めて、神のもとに立ち返り、赦されなければならないのです（1ヨハネ 1:9）。　アメーン。