米国、南NJ州クリスチャン教会コミュのキリストによる救い。

キリストによる救い。
ローマ9:30-10:13.
建物の土台に用いられる貴い石でも、路傍に置かれると人を傷つける＜躓きの石、妨げの岩＞になります。私たちが救われるのは律法の行いによるのではなく、ただ信仰のみによるという福音は、律法を誇りにしてきたユダヤ人、人間の正しさや力に頼って生きようとする人にとっては,どんなことが起きても慌てることのない＜試験済みの石、尊い礎石を置く。＞となります。
＜そうすれば、この方があなたを守ってくださる。しかし、ユダとイスラエルの民はそれを分からず、躓いてしまう。＞律法を誇りにしてきたユダヤ人がキリストを受け入れなかったのはそのためです。パウロにとって、彼の同胞であるユダヤ人がキリストの福音につまずいたのは、確かに悲しみであり、心の痛むことでした。

しかし彼にとって大事なのは、そのような私情にとらわれることではなく、どこまでも信仰によって義とされるという福音の真理を明らかにすることでした。神の民として選ばれたユダヤ人が、キリストを受け入れないので神の救いから洩れ、異邦人が先に救われるということが起こったのです。福音の真理が明らかにされるためでした。

そこに、人間の知恵でははかり知ることのできない、神の深いご計画がかくされているのです。私たちは信仰にしても仕事や勉強にしても、何事にたいしても熱心でありさえすればよいと思いがちです。仕事熱心な人は職場でも信用されます。ただ熱心でありさえすればよいのではなく、その内容が問題なのです。

律法に対するユダヤ人の熱心さが、キリストを十字架につける結果となったのは、その熱心さが＜正しい認識に基ずくものでなかった＞からであるとパウロは述べています。　「正しい認識」とは、キリストを通して、神から与えられる認識です。具体的には＜私たちが救われるのは人間の努力や熱心さによるのではなく、ただキリストによって与えられる恵みを信じることです。
福音によって与えられた「正しい認識」のことです。このような主観的自己主張がキリストの福音を拒ませたのです。それはユダヤ人のだけの問題ではありません。人類の歴史において、このような宗教的確信が異なる立場をお互いに否定し分裂抗争を生み、宗教戦争を引き起こしてきたのです。
私たちにはただ、罪深い人間に代って律法の要求を満たすために十字架に死んで下さったキリストの恵みを感謝して受け入れる信仰だけが求められているのです。