米国、南NJ州クリスチャン教会コミュの永遠に滅びることのない生命。

永遠に滅びることのない生命。
マルコ10:17-22。

イエスが道に出て行かれると、一人の人がイエスのみもとに走り寄り、御前にひざまずいて、尋ねました。＜善い先生。救われるためには、どんなことをしたらよいでしょうか。＞（現代訳、10:17）マタイによる福音書によりますと、この人は青年であり（マタイ19:20）ルカによれば役人ですが（ルカ18:18）いずれにしても、たくさんの資産をもった大金持ちでした。

この人は若さと社会的地位と豊かな財産とに恵まれた、幸せな青年でした。しかし、この世において考えられるかぎりの幸せを手に入れていながら、彼の心はけっして満たされていなかったのです。物質的な豊かさは、けっして私たちを満足させることはできません。

いくら沢山のものを持っていても、さらに沢山持っている人をみると、それで満足することはありません。ほしいものは何でも手に入る豊かな世の中に生きている私たちが、いつも不平不満をもっているのはそのためです。この青年が、イエスのもとに走りよったということは、物質的な豊かさによっては、けっして満たされない痛切なものであったかを示しています。

今の自分の生きかたはこれでよいのだろうか。このまま、幸せな一生をおくって、死んだらどうなるのだろうかというようなことを考えると、喉の乾いた人が泉を見付けてかけるように、イエスのもとに走り寄ったのです。

今の幸せに満足することなく、人間にとって、本当に大切なものを真剣に求めるこの真面目な青年に対して、イエスは慈しみの目を向けてお答えになりました。私たちもどんなに物質的な豊かさや幸せに心を向けて生きていても、やはり、死とか永遠の生命というような、理性では解決できない問題に対して、無関心ではおれないでしょうか。

財産や、地位や、健康というような、生きている間しか価値を持たないものを超えた永遠の価値を求めることなしには、人生そのものが空しく、無意味なものになってしまします。この青年が求めた「永遠の生命」とは、この肉体の生命がいつまでもつずくという不老長寿のことでなく、信仰によって神の恵みとして与えられる、永遠に滅びることのない生命のことです。
アメーン。