米国、南NJ州クリスチャン教会コミュの一番大切な戒め。

一番大切な戒め。
マルコ12:28-34。
並行箇所マタイ22:34-40。

律法学者たちは一般的にイエスに対して敵意を抱いていましたが、ある律法学者がきて、＜すべての戒めの中で、どれが第一のものですか＞と、イエスに質問しました。（12:28）ユダヤ人の生活は、日常生活のこまかいことまで、約600あまりもあると言われる厳しい戒律によって規定されていました。それらはすべて神の命令として大切にされており、そのうちでどれが一番大切なものであるかを、人間が勝手に判断することは許されなかったのです。

このような質問をした律法学者は、たいへん進んだ考えの持ち主であったか、それともイエスを困らせようとしたのかどちらかです。人々は沢山ある戒律のうえの一言一句にこだわって、いましめの底に流れている本質的なものを見失っていたのです。私たちも現代の情報化時代と言われる忙しい生活の中で、次々におしよせてくる情報の処理に追われて、人間として生きるために無くてならぬ大切なものを、見失っているのではないでしょうか。

この重要な質問に対して、イエスは旧約聖書から二つの戒めを引用して、神を愛し、自分を愛するように隣り人を愛することが、すべての戒めの基礎になる一番大事なことであるとお答えになり、質問して律法学者もまた、心からこの答えに同意しました。神と隣り人を愛することが律法全体つらぬく根本精神です。

イエスは、律法に対するこのような自由な考えで、パリサイ人から非難されながらも、何もしてはならない安息日に、病人をお癒しになりました。（3:1-6）すべてのおきてをつらぬく精神は愛です。神のご支配のもとに生かされている人間の、正しい生き方を示すこれらの戒めは、人を束縛するだけの死文になってしまうのです。愛が律法を完成するのです。（ローマ13:10）　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　アメーン。