米国、南NJ州クリスチャン教会コミュのユダの裏切り。

ユダの裏切り。
マルコ14:10-31.

金の欲に目がくらんでいたユダは（12弟子のイスカリオテのユダ）は、イエスを奴隷一人の値段であると言われた、銀貨30枚(マタイ26:15)で祭司長たちに売り渡す約束を済ませたうえで、そしらぬ顔をし、イエスが弟子たちとともにされた最後の食事の席に連なっていました。

罪の中で、最も恐ろしいものは、友情や誠意を裏切り、恩を仇で返すことです。裏切りは、人間関係を決定的に破壊します。ユダは自分の主君や、教師を裏切ったのではなく、ご自分の命を捨てるほどに私たちを愛してくださる神の子を裏切ったことによって、神の愛を裏切るという、最も恐ろしい罪を犯してしまいました。

イエスさまは、彼の恐ろしい陰謀を見抜いておられましたが、何とかして取り返しのつかない過ちを犯すことを思いとどまらせようとして、他の弟子たちには、それが誰であるか気ずかれないように、＜あなたがたの中の一人で、私と一緒に食事をしている者が、私を裏切ろうとしている＞と言われたのです。

食事の最中、突然イエスから、仲間の一人が裏切ると言うことを聞かされた弟子たちは驚くとともに、ひょっとすると自分がイエスから疑われているのではないかと心配してイエスさまにたずねました。彼らはイエスの身のうえにふりかかる不幸な出来事について心配するよりも、まず自分のことが心配になったのです。自分の身を守ろうとする人間のみにくいエゴイズムが暴露されています。

自分の利益や安全を守ることに心を向けて生きている私たちの心の中には、誰にも裏切りの動機がひそんでいるのです。したがって私は絶対にイエスを裏切ることはないと言いきれる者は、弟子たちの中に一人もいなかったのです。彼らが自分のことを言われているのではないかと心配したのは当然のことです。

彼らは皆自分の身を守るために、イエスを身捨てて逃げ去ったり（14:50）彼の弟子であることを否定したりしたのです。（14:66以下）弟子たちの問いに対してイエスは＜私と一緒に同じ鉢にパンひたしている者がそれである＞と言われました。食事を共にしている、仲間から裏切り者が出たのです。最も信仰ぶかい人が神を裏切ることがないとは言いきれなのです。人間がサタンの思いのままに動かされると実に恐ろしいことです。

私たちもユダのように、神の愛のうちに生きることが許されているにもかかわらず、神さまのお世話にならなくても、自分の力で生きてゆけるように思いあがり、神をないがしろにし、神の愛を裏切るような、恐ろしい罪をおかしているのではないでしょうか。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　