米国、南NJ州クリスチャン教会コミュの出エジプト記。

出エジプト記。

出エジプト記は＜贖いと契約＞の書です。神がアブラハムと結ばれた契約を、その子孫がどのように履行されたかを書き記しています。神はアブラハムとの契約に基ずいてイスラエルの民をエジプトから救い出し、ご自分の民とし、この民と契約を結ばれました。イスラエルの民の経験、贖いと契約は、後のイスラエルの民の歴史と思想に大きな影響を与えることになりました。

イスラエルの民が神によってエジプトから救い出され、その後にシナイにおいて契約が結ばれたことは、人類がイエス、キリストによって悪魔のなわ目から贖い出され永遠の契約が新たにされたことのひな型です。シナイ（地名）出エジプト後のイスラエルが、モーセを通して神から契約と律法を授けられた山。別名ホレプ＜モーセが十戒を与えられた、あの神の山ホレブにたどり着いた。＞（1列王記 19：8）

このことは、イスラエルの救いを覚えそれを記念する祭である過越の食事が、主の十字架の贖いを覚えそれを記念する聖餐の儀式へと変り、過越の小羊が殺される時に主イエス、キリストが十字架の上で死なれたことが新約聖書に詳しく記されています。（マタイ26:17-29.マルコ14:12-25.ルカ22:1-20）

キリストの死は出エジプト記における贖いの完成だけでなく祭儀律法の完成です。（出エジプト記25章以下とレビ記）また＜キリストは、すでに成就された祝福の大祭司として来られた時、天にある偉大で完全な天幕を通リ、また、山羊や子牛の血ではなく、ご自分の尊い血によって、唯一度だけ、本当の聖所に入り、永遠の救いを成し遂げられた。こういうわけで、キリストは新しい契約の仲介者であられる。それは、古い制度下で犯した罪を償うための死が実現したので、救いにあずかった者たちが約束された永遠の神の国を継ぐためである。＞（現代訳、へブル9:11-12.15）

マタイ、マルコ、ルカ福音書は、三書ともキリストの山上の変貌ついて語っています。（マタイ17:1-8.マルコ9:2-8.ルカ9:28-36）この山で栄光の雲はキリストをおおい、その雲の中から神の声がしています。これはシナイ山でのモーセの経験と似ています。（出エジプト、24:17-18,34:45）

ルカは、モーセとエリヤがイエスと交わした会話は人類の救いのためのイエスの死のことであったとし、それをこの世からのイエスの＜エクソドス、脱出＞と表現しています。＜栄光のうちに現れて、イエスはその昔モーセが神の民をエジプトから救い出し、約束の地に導き入れたように、私たちをこの罪の世から救い出し、天に導き入れてくださるために、十字架上で身代わりの死を遂げようとしておられたのである。＞福音書の中でエクソドスが用いられているのはここだけです。（ルカ9:31）アーメン。