米国、南NJ州クリスチャン教会コミュのイエスの受けられたバプテスマ

イエスの受けられたバプテスマ。
マタイ3:13-17.

イエスはナザレの村で大工ヨセフの子として育てられました。ユダヤでは、家は木で建てるのではなく、石で造るので、大工と言っても家を建てるのではなく、むしろ家具や農機具などを作る仕事であったと考えられています。

伝承によればヨセフは早く死んだので、長男としてのイエスは、ヨセフに代わって家計を支え一生懸命働く中で人々の貧しさと生活の苦労を十分に味わうことができたと思います。ところが30 歳頃になると（ルカ3:23）突然ユダヤの荒野に姿を現し、ヨハネからバプテスマを受け、メシヤとしての公の生涯に入ります。

イエスはヨハネからバプテスマ受けられました。「バプテスマ」とは、水の中に「浸す」とか、「洗う」という意味の言葉に由来しています。旧約時代、祭司が神殿で祭儀を行う時には、自分の体を洗って清めてから行きました。一種の宗教的な清め儀式として水で体を洗ったのです。

新約聖書の時代に近付くと、異邦人がユダヤ教に改宗する際には、水の中で自分の体を洗うバプテスマが必要な条件の一つとされました。しかし、ヨハネのバプテスマは、ユダヤ教の改宗者のバプテスマとは異なっていました。ユダヤ教の場合には異邦人だけでしたが、ヨハネのバプテスマはユダヤ人も受けなければならなかったのです。しかし、何と言ってもヨハネのバプ

テスマの大きな特色は、それが悔改めを表すという点です。
つまり、人々は「自分の罪を告白して」（3:6）悔い改め、新しい生活をすることを表すためにバプテスマを受けたのです。このような背景を理解していると、14節においてイエスがヨハネからパプテスマを受けようとするのを、ヨハネが断ろうとした事情が分かってきます。イエスは神によって生まれた罪のない方です。

それゆえ罪を悔い改める必要もなければ、パプテスマを受ける必要もなかったのですが、人間であるヨハネの方が、神の子イエスからバプテスマを受けるべきであるというヨハネのことば（14）は正しかったのです。それにもかかわらずイエスは「今はそうさせてもらいたい」（15）と言われました。

イエスがバプテスマを受けようとされたのは、彼に罪があったからではなく、「すべての正しいことを実行することは、私たちにふさわしい」ことであったからです。イエスは、救い主として罪人の身代わりになるためには、あらゆる点において人間と等しくなる必要があることを知っておられました。そのため、人間にとってバプテスマを受けることがふさわしいので、自分もバプテスマを受けようと言われたのです。