米国、南NJ州クリスチャン教会コミュのレビ（マタイ）を弟子とする。

レビ（マタイ）を弟子とする。
マルコ2:13-17。　

＜イエスが取税人レビ（マタイ）を弟子としてお召しになり、彼の家で、仲間の収税人や罪人たちと、食事を共にしておられたのを、パリサイ人たちが非難したのに対して、イエスはこのようにお答えになりました。＞

健康な人に医者がいらないのはあたりまえのことです。しかし私たちは、はたして丈夫な人なのでしょうか。肉体の健康を保つために健康診断が必要なように、私たちは自分の生きかたや、心のありかたが、健康であるか、病んでいないかを、診断しなくてはなりません。　

イエスを非難したパリサイ人たちは、自分の努力で律法を守り、神のみ心にかなう人間として生きてゆけるとうのぼれて、律法をもたない異邦人や、律法を守ることのできない罪人を、軽蔑していました。人間の知性によって、科学文明を築き上げた現代人もまた、神なしにでも人間の知性と、人間が生み出した科学の技術成果によって、未来を築くことができると自負している健康な人です。現代人にとって宗教は迷信に過ぎません。

私たちもまた、自分の考えによって将来の計画をたて、それを実現するために必要な学力、技術、財産、権力などを手に入れようと、懸命に努力しています。学校教育は私たちが健康な人として、自分の力で生きていける実力を養う手段になっています。神なき世界では人間の力だけが頼りです。

このような、人間の力だけが頼りである社会では、隣人は愛する対象ではなく、自分が生きるために、蹴おとなさければならぬ競争相手です。敵を愛せよというようなイエスの教えは、センチメンタルな弱者の道徳にすぎません。弱者は敗北し、油断もすきもない、砂漠のような世界に、私たちは健康な人として、自分の力に頼って生きているのです。

神を見失った今日の世の中で、自分は健康な人であると妄想して生きている私たちこそ文明の病に、知らずのうちに病人であることを、認めなければなりません。人間は神なしに生きることができるのかと言うことです。神を信じるということは、神に祈ることであり、救われるということは、神を父と呼んで祈ることができる神の子とされるということです。アメーン。