米国、南NJ州クリスチャン教会コミュの祈ってください。

祈ってください。
ローマ15:22-33.

何年も前から、ローマのき教会を訪問することを熱望していたパウロには、その前に果さなければならない重要な仕事がありました。それは最初の教会であるエルサレム教会の貧しい人々を援助する目的でマケドニヤ州とアカイヤ州（共にギリシア）の諸教会から集めた献金を確実に手渡すために、パウロ自身がエルサレムに赴くことでした。

パウロは異邦人の諸教会に対して、経済的に困窮しているエルサレムの聖徒を援助する献金を訴えていました。異邦人の教会は、エルサレムの教会から伝えられた福音によって救われたので、霊的な贈物を受けた者が、献金や物品を送ることによって感謝の気持ちをあらわすのは当然のことです（15:27）。

愛とか交わりと言うのは、ただ精神的な問題ではなく、物を共有することによって交わりが成り立つのです。それまでもしっくりとしていなかったユダヤ人キリスト者と、異邦人キリスト者との間の壁が取り除かれることをパウロは期待していたのです。しかしパウロのエルサレム訪問には危険と困難が予想されていました。

エルサレムのユダヤ教徒にとっては、彼らの仲間であり、熱心な律法主義者、教会の迫害者であったパウロがキリスト教に改宗したことは、赦すことのできない裏切りでした。＜夜が明けると、ユダヤ人たちは陰謀を巡らし、パウロを殺してしまうまでは飲み食いをしないと誓い合いました。＞彼がエルサレムに滞在中、40人以上のユダヤ人たちは彼を殺害する陰謀を企みました（現代訳、使徒：23,12-15）。

もう一つの心配は、彼の訪問がエルサレム教会の聖徒たちにさえ歓迎されないのではないか、異邦人から集めた献金をユダヤ人が果たして喜んで受けとってくれるかどうかということでした。そこでパウロはローマの教会の人々に対して、彼が危険から守られて無事にその努めを果すことができるように、エルサレム教会の人々が献金を喜んで受けてくれるように一緒に祈ってほしいと懇願しているのです（15:30）。

パウロはこのたびのエルサレム訪問の目的を無事に果したのち、計画していたとおり、ローマを訪問してイスパニヤに赴くことができるように祈ってほしいと懇願するためにこの手紙を書いたのです。