アルベルト　ジャコメッティコミュの矢内原氏との出会い（６）

★スタンパでの写真ですが、アネット夫人は美しく溌剌としていますね。

矢内原氏とアネット夫人のことについては、ジャコメッティの評伝作家、ジェイムス・ロードなどは批判的でした。でも最近は矢内原氏の「ジャコメッティとともに」が英訳されて、欧米の研究者にも浸透しているみたいですね。一番新しい評伝であるローリー・ウィルソンの本では一定の理解？を示しています。

They also shared the same woman :with Giacometti's consent, Annette and
the Japanese philosopher become lovers a month after Yanaihara started
posing.
Annette and Yanaihara's affair, beginning in November1956 and continuing
to the end of his last visit to Paris in 1960, was open and very public.
They become a threesome and frequently dined together.

（彼らは、同じ女性を共有さえした、つまりジャコッメッティの同意で、アネットと日本の哲学者は、矢内原氏がポーズし始めて一ヶ月後に恋人関係になるのである。
　アネットと矢内原の恋愛関係は、1956年11月から始まって、彼の1960年のパリへの最後の訪問の終わりまで続き、オープンで皆が周知の事だった。彼らは、三人組になって、一緒にしばしば食事をした。）
(Laurie Wilson 「Alberto Giacometti Myth,Magic, and the Man」より）

open and very public,いいですねえ。「不倫」みたいな後ろめたさや暗さは
ここにはないようです。しかしながら続けてこの著者は

「しかしながら事の初めに彼らがどんなに満足していても、それはジャコッメッティが予期したよりも、より多くの対立と苦悩を引き起こした。」と書いてます。

特に弟のディエゴ氏の矢内原氏への反発にも触れていますので、周囲ではまあいろいろあったとは察せられます。
もっとも私のここでの主張は、「threesome （３人組）」に石井好子氏を加えるべきというささやかなものなので、ワイドショー的話題にはあまり深入りはする気はありません。

次回はまた日付順にその後を綴ってみます。