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必殺シリーズ復活検討委員会コミュの《創作》「佐渡情歌は地獄の鬼の弔い唄か?」(4)

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「佐渡情歌は地獄の鬼の弔い唄か?」

《4》

 仕事人のアジトに、秀の必死の奔走によって、幾人もの仕事人達が集まっていた。鎌イタチのおむら(名取裕子)……夢次(中村橋之助)……蝶々の朝吉……山田浅右衛門(滝田栄)……そして、秀!彼らを前に、過去から今までの出来事を全て語る主水 (BGM:「助け人」〜哀歌 M20/変奏曲―「断章」あかのたちおバ―ジョン)。

 主水「……だから、俺の……俺の娘を助けて、鉄眼の野郎を倒すのを手伝ってくれ。生きて戻れるかどうか、俺にも分からねえ……。だが、それを承知の上で……頼む!」
 恥も外聞もかなぐり捨て、頭を下げて助っ人を頼む主水。彼の前には、千勢から預かった仕事料……主水と千勢のお浅への想いがしみ込んだ金が置かれている。
 山田浅右衛門「ここにいる者は、皆が一度や二度は、中村さんに命を助けて貰っている筈。私は、この仕事……受けよう」
 浅右衛門が仕事料を手に取る。ニヤッと笑った朝吉も手を伸ばす。
 朝吉「俺は八丁堀の命を助けて、もう仕事に関わっちまったからなあ……こいつぁ後金だ!」
 鎌イタチのおむら「あたしも、大勢仲間を殺された恨みがあるからねえ……。やらせて貰うよ」
 夢次「俺は、あんまり気乗りしねえんだがなあ……(秀に睨まれ、慌てて)まっ!人間、いずれどっかで死ぬんだ。死に場所くらい、自分で選ばせて貰うとするか!」
 わざと冗談ぽく言う夢次。当然の如く仕事料を取ろうとする秀に、夢次が真剣な表情になる。
 夢次「それで、秀……政はどうなんだ?……助かるのか?」
 秀「ああ……。モグリだが、相当に腕の立つ裏稼業専門の黒崎(京本政樹)って闇医者がいるんだ。そいつに頼んである」

 (挿入ショット)瀕死の重傷の政を前に、秀に向かって言う黒崎。
 闇医師・黒崎「助けられるか…だと?俺を誰だと思ってんだ!俺に治せねえ怪我人はねえ。ただ、言っとくが……俺は高いぞ?」

 その時、突然戸が開いて、体中血と包帯だらけの政が、血走った眼で入って来た!政を押し止めようとする黒崎が、ほとほと困り果てた様子で言う。
 黒崎「おい、秀!……こいつ、どうしても仕事に行くって聞かねえんだ!こんな無茶する馬鹿、俺も今まで見た事ねえ!」
 政「…八丁堀……俺も…行く……ぞ!」
 今にも倒れそうな政を見て、吐き捨てるように言う主水。
 主水「馬鹿野郎!そんな体じゃ、足手まといになるだけだ!」
 政「…分かってる……!だが……このまま、俺が何も…しなくて……もしお浅が…死んじまったら……俺は……俺は……死んでも死に切れねえんだ!……頼む、八丁堀……俺も行かせて……くれえ〜〜!!」
 政の悲痛なまでの叫びに、頷いた秀がアジトの隠し場所から手槍を取り出すや、黙って政に手渡した。
 政「秀……!」
 秀「俺は、今まで何度も好きな女と一緒になって、裏稼業から足を洗おうとしたが、とうとう出来なかった……。政、俺と約束してくれ。この仕事でお浅ちゃんを助け出したら、もう二度と裏稼業には戻らねえって事を……!」

 秀の熱い想いに静かに頷く政。それを眼にした主水も、黙って仕事料を政に手渡す……。そして、主水が自らの仕事料を手にし、蝋燭の灯を吹き消した瞬間にスタ―トする「新仕事人・出陣のテ―マ〜黄金の血バ―ジョン/M10」!屋根から屋根へと駆ける秀……柳の揺れる川沿いを行く朝吉……一人夢次が待っている所へ現れ、そのまま静かに合流するおむら……墓石の間を抜けていく朝右衛門……砂煙を上げて突っ走る政……そして、無人の街並みを行く主水(その険しい顔がアップになる!)。目指すは、決戦の地―最強の殺戮集団・地獄組が待ち構える「死御殿」!


 「死御殿」……それは、州崎の海岸べりに立つ広大な屋敷で、元は幕府に取り潰されたある大名家の別荘だったが、夜な夜な幽霊が出ると言う噂から、今は主のない荒れ果てたお化け屋敷と化していた。それを、後藤家が、隠匿した黄金の隠し場所に利用していたのだ。そして今、屋敷の座敷牢に閉じ込められたお浅と、頑丈な格子の向こう側に立つ鉄眼と言う、哀しい親子の再会があった……。
 鉄眼「お浅……何度言ったら分かるのだ?母親のお夢が持っていた『理力』を、お前は持っている。それは、地獄組四天王の将軍を金縛りにした事でも明らかだ。わしの元に来い、お浅……!わしと力を合わせれば、あの赤目様とて怖れる事はない。いずれは、この国を我が手に握る事とて可能なのだぞ!……何故それが分からんのだ、お浅!?」
 今や、鉄眼との「親子の絆」をはっきりと知ったお浅は、何も応えず、ただ哀しみの瞳で、鉄眼をじっと見つめていた。その無垢な瞳に、いつしかお夢の姿が重なり合う……。病に倒れながらも、荒木に「非道な所業」を止めるよう、必死に訴え続けていた最愛の女性。その「二人の視線」が、鉄眼の冷酷な心に突き刺さり、激しく揺さぶる。それは、他の何よりも……主水の剣さえも超える程、恐ろしい存在だった!
 鉄眼「見るな……見るな見るな見るな!そんな目で俺を見るなあ〜〜〜!」
 自分の「地獄組の首領としての存在」を否定されるような恐怖に襲われた鉄眼は、お浅から目を背けて走り去った!


 それと、時を同じくした頃。地獄組が警護する「死御殿」の広大な庭で、立て続けに爆発が起きた!夢次の新兵器―手投げ炸裂弾だ!辺り一面が白煙に被われ、遂に仕事人と地獄組の戦いが始まった!樹上、水中……そして地中からも、奇怪な「怪鳥音」と共に出現し、次々と仕事人に襲い掛かる地獄組の戦闘員!それを、豪快に斬りまくる山田浅右衛門!夢次の連発銃が轟音を上げて火を吹き、おむらのブ―メラン櫛が闇を切り裂く!朝吉の紙蝶の舞いが敵の目を眩惑し、秀の簪が閃光の如く光る!そして、主水の怒りの剣が、凄まじい唸りを上げる!死御殿の荒れ果てた屋敷中を舞台に、果てしなく繰り広げられる死闘……血闘……大殺陣!(BGM:「仕掛人」〜荒野の果てに・インスト/M26)


 主水「てめえら見てえなザコ、何人斬ったところで時間の無駄だ……出て来い、鉄眼〜〜!」
 阿修羅の化身と化した主水の叫びに、鉄眼の不気味な声が、いずこからともなく響く……。
 鉄眼の声『どうやら、お主には物足りぬようだな、主水?……では、こ奴等を相手にして貰おうか!』
 次の瞬間、地獄組四天王が、逆光と共に出現した!
 鉄眼の声『行けい、地獄組四天王よ……仕事人どもを皆殺しにせよ!』 地獄組四天王「……ははあっ!」
 闇を駆け、地を蹴り、宙に舞い、そして天より降り立った地獄組四天王が、仕事人たちの前に立ち塞がった!……一方、座敷牢に閉じ込められていたお浅の救出には、政が向かっていた。牢を警護していた地獄組の戦闘員に、次々と容赦なく叩き込まれる政の手槍!
 お浅「……政さん!」 政「待ってろ、お浅!今すぐ助けてやる!」
 夢次から預かった火薬玉で。座敷牢の錠を吹っ飛ばすや、遂に政はお浅を牢から連れ出した!互いの愛を確信した二人に、もはや言葉は要らない。政とお浅は、その場で見つめ合い、強く抱き合うのだった……。その頃、地獄組四天王と仕事人の間では、壮絶な激闘が繰り広げられていた!


 夢次「畜生!この……南蛮の妖術使いめえ〜〜!」
 背中に負った火筒で宙を飛び、ボウガンに短銃…とあらゆる近代兵器を使う「暴魔」対何十丁もの連発銃を腰に差した夢次!サ―カスの芸人モドキの身軽さで、自由自在の長刀攻撃を仕掛けてくる「赤鬼」対山田朝右衛門!二刀流の雷光剣を駆使する、鉄の体の超巨漢「将軍」対秀!相手を金縛りにする凶眼と人間離れした剣技の持ち主「吸血公卿」対主水!(BGM:「激闘編」〜闘う仕事人・ロングバ―ジョン)そして、遂に姿を現した鉄眼に立ち向かう、おむらと朝吉。……だが、地獄組の戦闘員を次々と屠った二人の飛鳥の如き攻撃も、「暗黒の殺戮者」―鉄眼には全く通じない!
 鉄眼「ええい!こざかしい……仕事人めが!」
 おむら「ああ〜〜〜っ!」
 遂に、鉄眼の凄まじい電光剣が一閃!朱に染まったおむらが、ゆっくりと舞うように倒れていく……。


 夢次「ああっ、元締めえ〜!………ぐふっ!!」
 夢次の注意がそれた瞬間、暴魔のボウガンが彼の体を刺し貫いた!だが……体から幾条もの血を滴らせ、蒼白な顔の夢次が無気味に笑う。
 夢次「へへっ、上等……じゃねえか!…この命くれて…やる代わりに……貴様も……地獄へ道連れだあ〜〜!」
 暴魔のボウガンに繋がった鉄縄(ワイヤ―ロ―プ)を引っ掴んだ夢次は、そのまま暴魔の体を引き寄せていく……。夢次と鉄縄で繋がれた形の暴魔は逃げる事も出来ずに、ジワジワと夢次の方へ引きずられて行った!苦し紛れに短筒を、何発も夢次の体にブチ込む暴魔!だが、もはや夢次に苦痛の感覚はなかった……。そして手の届く距離まで暴魔がやって来た時、夢次は最後に一丁残った連発銃を、暴魔の仮面の口の中に突き立てた!
 夢次「……くたばり…やがれえ〜〜〜!!」
 夢次の連発銃が轟音を上げ、頭を吹っ飛ばされる暴魔!そして、夢次もそのまま共に倒れ……二度と起き上がる事はなかった。その壮絶な死に様を見た朝右衛門は「うお〜〜っ!」と叫ぶや、赤鬼の長刀を巻き上げる様にして宙に跳ね飛ばし、返す刀で一気にブッた斬った!胴体を真っ二つに両断された赤鬼が、「ケケケ!」と一声笑って絶命する。敵味方とも、一人…また一人と仆れていく中、お浅を連れた政が、戦いの真っ只中に現れた!その瞬間、鉄眼の手から発せられた「不思議な力」が、政からお浅を奪い取り、秀を弾き飛ばした将軍が政の前に立ち塞がった!(BGM:「仕掛人」〜必殺!/整理No.M19)
 将軍「若僧!……俺が相手だ!!」 政「貴様なんかに用はねえ……どけえ〜〜!」

 政の凄まじい手槍攻撃と秀の電光石火の簪を相手に回し、お浅を我が物とした鉄眼の前に、金城鉄壁の如く立ち塞がる将軍!朝吉と浅右衛門も手傷を負い、襲い来る戦闘員を相手にするのが精一杯だ。そして、激しい鍔迫り合いの最中、吸血公卿が首筋に噛みつこうとする僅かな隙を見て取った主水は、神速の「閃光X斬り」を放った!「ぎゃああ〜〜〜!」……十字架型に切断された吸血公卿は、黒いマントだけを残して宙に爆散した!振り返った主水が、鉄眼を睨みつける!
 主水「残るは鉄眼……貴様だけだ!」
 鉄眼「……どうやら決着を付ける時が来たようだな、主水〜〜!」

 一瞬にしてお浅を金縛り状態にした鉄眼が、必殺の電光剣を抜いた!「暗黒の殺戮者」鉄眼対「史上最強の闇の仕事師」中村主水の死闘が繰り広げられる!『シュゴ――!パ――!』と言う無気味な呼吸音を立てながら、人間技とは思えないスピ―ドで、360度……あらゆる方向から電光剣を繰り出して来る鉄眼!鉄眼と主水の剣が闇の中で激しく激突し、火花を発する!連続するストロボの様な閃光に映し出される、二匹の剣鬼の顔!実の親と育ての親……共に大事な人同士の殺し合いを、ただ見つめている事しか出来ないお浅。そして、永遠に続くかのように思われた闘いにも、遂に終焉の刻が訪れた……。将軍の首筋にくらいついた秀が、必殺の簪を全身機械の体の僅かな隙間に叩き込んだ瞬間、将軍の雷光剣が秀の体を刺し貫いたのだ!(BGM:「仕置人」〜女の血、そして涙/M21)

 秀「がはあっ……!」 政「秀〜〜〜!」
 ……だが、秀は血を吐きながらも、将軍の腕をがっしりと掴んだまま離さなかった。片腕を逆に極められたまま、必死に秀を振り落とそうとする将軍!
 将軍「こいつ…離せえ!離さんかあ〜〜!」
 秀「……今だ…政〜〜!俺の…俺の簪が刺さってる、こいつの脳天に…お前の手槍を……ブチ込んでやれ〜〜!」
 そして、幽鬼の如く蒼ざめた秀が静かに微笑む……。
 秀「……八丁堀…一足先に、地獄で……待ってる…ぜ………!」
 次の瞬間、歯を食い縛った政が、朝吉の両手で以て大きく跳躍……いや、宙に翔んだ!
 政「地獄に落ちろ〜〜!」 将軍「ぐわあ〜〜〜〜〜!」
 政の渾身の一撃が脳天に炸裂した瞬間、将軍の体は秀と共に大爆発を起こした!大きく弾き飛ばされて、地面に転がる政!だが、秀の姿は将軍の爆死と共に、跡形もなく消え……それと同時に、政の手槍も粉々に砕け散った。あたかも、これを最後に裏稼業と決別しようとする政の意志を現わすかのように……。予想もしなかった「将軍の爆死」に驚愕する鉄眼。その前に、悠然と地獄組の長老・赤目が現れる。


 鉄眼「こ、これは一体……!?」
 赤目「驚いたようじゃな、鉄眼。これはわしだけが知っている秘密じゃが……お前と将軍の体には、いざと言う時の為に、強力な爆薬が仕掛けてあるのじゃ!わしが呪文を唱えれば、お前の体の中の高性能の爆弾が起動し……ここにいる者は。わしを除いて全て死ぬ!」
 思わず絶句する鉄眼。彼も赤目に体を生体改造されたとは言え、その事は全く知らなかったのだ!
 鉄眼「……赤目様!」
 赤目「地獄組の栄光の為、鉄眼よ……その身を捧げるのじゃ!」

 その時、鉄眼は初めて知った……自分が、赤目の「道具」に過ぎなかった事を。そして、遂に鉄眼の呪縛を打ち破ったお浅が、声を限りに叫んだ!
 お浅「お願い、お父様〜〜!もう、人殺しをするのは止めてえ〜〜〜!」
 鉄眼「う…うるさい!……黙れえ〜〜〜!」
 激しく動揺し、混乱した鉄眼が主水の剣を振り解き、お浅の元に駆け寄ると、必殺の電光剣を振り上げた!
 主水「……やめろ、鉄眼〜〜!」 政「お浅〜〜〜〜!」
 間に合わない……絶望の縁に主水と政が陥った、その瞬間……奇跡が起こった!誰もいない筈の背後から、今にも振り下ろされんとした鉄眼の右腕が、ガッと握り止められたのだ!驚愕して振り返った鉄眼……そして、主水の目だけに映ったぼんやりとした人影。ニヤリと笑ったその顔は……!(BGM:「新・仕置人」〜仕置のテ―マ/M39)

 主水「……………鉄〜〜〜!!」

【尚も続く!】

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