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竹輪句会コミュの南房総:処暑吟行句会(1)仁右衛門島句会 披講

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ハロー、俳句ボーイズ。

「処暑」は暑さが止むという意味らしいですが、やっぱり昨日今日を境に暑さの質が変わり、季節が移ろった気がします。その処暑の南房総吟行、大雨にも降られず(少しは降られたけど、車内でよかった…)無事に催行されました。

【行程】
京急久里浜駅集合 〜 東京湾フェリーにて房総半島:金谷 〜 長狭街道 〜 太海フラワーパークにて昼食 〜 仁右衛門島上陸 〜 仁右衛門島散策 〜 仁右衛門島休憩所にて句会一回目 〜 鴨川グランドホテル地下:鈴木真砂女記念館 〜 長狭街道 〜 漁師料理かなやにて夕食 〜 天然温泉:海辺の湯 〜 海辺の湯:休憩所で句会二回目 〜 アクアライン(海ほたる経由) 〜 解散

南房総は稲が黄色に染まっていて周りの緑とのコントラストがとても美しかったです。すでに稲刈りが行われている田んぼもありました。そして、不思議な雰囲気の仁右衛門島、手漕ぎの渡し船、生い茂る植物、乱れ咲く花々、ときが止まったかのような仁右衛門邸の縁側と庭、BBQする半裸の若者たち、襲い来る秋の蚊、虫除けスプレーの匂い、BBQを狙う大量のとんび…。

仁右衛門島の不思議な雰囲気の休憩室で句会を行い、それぞれが印象的な初秋の一瞬を句で切り取りました。
(誤記等ありましたらご指摘ください)


清記番号順:
ザ、潔、守ン暴、ゆう、今朝、亮、オクタビオ、浩平
五句投句、五句選句。

---

誰か一人かならず見えぬ磯の秋(潔)5

酔芙蓉眠気をさそふものに故郷(今朝)4
房総の岩にふなむし丘に句碑(オクタビオ)4

日蓮の朝顔崖を這い上る(ゆう)3
昼の虫頼朝波を聞きし穴(亮)3

日蓮の戀の色かも酔芙蓉(ゆう)2
甲板に凭(もた)れ秋思も様になり(亮)2
秋の水ひとの営む匂い濃し(ザ)2
驟雨来て稲架低くなる重くなる(潔)2

蝉のこゑ潮騒にふと消え入りぬ(ゆう)1
うつむかばとびなきをりぬ秋の海(今朝)1
秋めきてロープノットの展示額(浩平)1
大南風鳶三羽ゆるく舞ひ(ゆう)1
軽やかなペリー通りを行けば秋(浩平)1
秋暑し船に階段また階段(亮)1
しばらくはフェリーそれぞれ秋の海(オクタビオ)1
椿の実首の短き石の犬(浩平)1
花カンナ島にも昏き古道あり(亮)1
取らないで島主の御布令残暑かな(守ン暴)1
指差せばとんび鳴き出す島の秋(オクタビオ)1
櫂入れてぼちやりぽつちやり秋の潮(潔)1
岡山のカメラ少年蚊の名残(今朝)1

野分き過ぐ禁輸措置とる露西亜かな
秋の蚊に句意を削がれていざ句会
句碑読むや島にはカンナが付き物
船跡を習ふ鴎の爽かなる
雨過ぎて係船さるる海静か
日の丸も髪も吹かれて秋の航
カンナ咲く車線を越えて臨時バス
波音に巌めつむる秋の雲
秋の空かもめばかりを見てる人
島渡る船頭黒き秋暑かな
初めて涼し仁右衛門島の弁天道
朝顔や活魚運搬車行く
ときをりに海に開くる蝶の道
初潮のゆるく渦まく陸の果て
千屈(みそ)萩の大海の浜を見下ろせば
コールセンター繋がらず秋の蝉
処暑たるや格闘技ジム多き町
秋航や鉄索あまた天に向く


以上です。

コメント(17)

わ、すごい!句会詳報に加えて、旅程まで完璧に!助かります…お風呂の名前とかちゃんと控えてなかったから^_^; ステキームード
ありがとうございました。

楽しくてお天気にも恵まれて、幸せな吟行だったのはもちろん、ボーイズ面々のなんというかひた向きさに、ちょっと胸熱だったのです。企画&ドライブずっと引き受けて下さった今朝さんザさん始め、皆様お世話になりました。

写真の補足。トマトみたいな植物が、仁右衛門島の珍しい植物、キンギンナスビだよ。あと、句碑は真砂女の、あるときは船より高き卯浪かな、だよ。
お疲れ様でした。早速のUPありがとうございます。
>>[5] キンギンナスビ、事前にチェックしてたのにうっかり見逃したあ〜、泣。
そうそう、キンギンナスビ。僕もあんまり意識してなかったんだけど、こーへ〜ちゃんが教えてくれた。結構、島のあちこちにはえてたらしいよ(^^)
真砂女熱いまださめやらず、昭和29年から35年までの句を集めた『卯波』より10句、写経です。

いつの日よりか恋文書かず障子貼る
ビールくむ抱かるゝことのなき人と
花冷えをおぼえし朝の素足かな
つきつめてものは思はじさくらもち
掌にぬくめやがて捨てたる木の実かな
濡れてこそ海女の肌生き雲の峰
月いまだ光とならぬ泳ぎかな
理髪屋の夫婦出て買ふ金魚かな
秋風や大工の腰の釘袋
中年の悲劇はじまる梅青し
昭和36年から43年(ぼくの生まれた年だ)までの句を集めた第3句集、『夏帯』より、10句。

おがくづに海老活かさるゝ冬至かな
押売りに押し切られたる遅日かな
枯草のひと思ふとき金色に
波百句詠まんと寒き波に立つ
八月やひと山売りのへぼ胡瓜
愛たしかめてよりのやすらぎ鳥雲に
なりはひの汗とめどなし悲しからず
女たち牡蠣むくことも風の中
献立を日々書く硯洗ひけり
秋袷夫なきものに不貞なし
昭和44年から50年までの句を集めた第4句集、『夕螢』より、10句。全句集を時代を追って読んでいくって、その俳人の人生を追っていくようでおもしろい。


七曜の一曜きめて髪洗ふ
チューリップ机上灰皿は置かず
遠蛙その日の足袋はその夜洗ひ
湯豆腐や男の歎ききくことも
くづるるが波の言葉よ夏来る
嗅いで買ふくさやの干物春隣
人は盗めどものは盗まず簾巻く
こほろぎやある夜冷たき男の手
障子貼る男の手際見てをりぬ
熱燗やいつも無口の一人客
真砂女の句集は第7句集まであるので、こうなったら最後まで10句選んで写経、行くぞっ。
では、昭和51年から60年までの句を集めた第5句集、『居待月』より。

なりはひの枝豆茹でて不況なり
花冷や箪笥の底の男帯
惜春や指輪と同じ海の色
筍の少し味濃きさくらかな
割箸を割りそこねたる時雨かな
品書きに鰤書き足して鰹消す
浴衣着て踵柔かきをんな
四月馬鹿大根に芯ありにけり
伊勢海老は髭がいのちよ夏料理
筆立の中の耳掻き居待月
昭和61年から平成6年までの句を集めた第6句集、『都鳥』より。真砂女、88歳のときに出版された句集、「今生のいまが倖せ衣被」が入っているんだけれど、この句集がいちばん好きかも。
泣く泣く10句にしぼる。

水打つて足袋に及びし湿りかな
牡蠣鍋の牡蠣の産地を問はれけり
ひとつまみの塩に味きめ夕時雨
十の願ひ一つ叶ひし心太
甚平やをとこは老いをあからさま
皿小鉢洗つて伏せて十三夜
舟唄は男がよろし秋の風
笑ひ茸食べて笑つてみたきかな
寒鰤に一句授る魚市場
灯台の光りの外の猫の恋
平成6年から10年までの句を集めた第7句集、真砂女の最後の句集となる『紫木蓮』より、10句。「百歳まで八年です。老いて一層句作のよろこびを味わっております」(あとがきより)

来てみれば花野の果ては海なりし
師の句碑やこれより蝉の時雨鳴き
浴衣のまま行方知れずとなるもよし
なりはひや鰺を叩くに七五調
船虫の一族逃げの一手かな
仁右衛門島攻めあぐねたり土用波
一人にも湯気たちのぼる初湯かな
食べらるる草摘むことのたのしさよ
意志弱き男青きを踏みにけり
まゆ玉に浮かぶは久保田万太郎
すごいですね。いい、真砂女さん。
今度、私もじっくり読んでみようと思います。第五句集の頃から自分は生きているのか〜感慨深いです。
わぉ、真砂女いいね(^^) 日々の生活から自然と編み出されてるかんじがなんとも。なりはひや鯵を叩くに七五調、っていいわ〜笑
今朝さん、大量の写経、というか写句、おつかれさまでした。おかげで真砂女のこと、さらに知ることができました♪

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