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竹輪句会コミュの第130回句会 披講

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皆様、今回もありがとうございました。今回はお仕事の都合や、体調を崩されて参加できない、という方がいつもより多かったような? オトナはいろいろありますが、無理をせず、でもいつでも楽しみに会場に来られるような、良い場を育てて行きたいものですね。

風薫る五月。「さつき」ではない「ごがつ」という夏の季語として、という兼題はなかなか曲者。しかしただ明るくキラキラだけではない作品もいくつかあって、さすがの竹輪連衆と思わされました。そして「蟻」では、多くの方々が自ら蟻の目をもって言葉を紡いでいらしたのが印象的でした。

さらに、そこへふらりと(失礼!)現れた瞬さんが、飄々と選句に加わってくださいました。初めてとは思えない目利きの選で、めずらしく参加十名を下回った句会でしたが、おかげで面白い盛り上がりを見せました。ぜひ次回から、句を持って参加してくださればと思います。


2017年5月18日(木)@新宿二丁目akta

投句:兼題2句【五月】【蟻】+ 当季雑詠2句
選句:5句(瞬さんのみ9句)

参加者(席順):ザ、どんたか、潔、けい、守ン暴、林蔵、亮、浩平、瞬(選句のみ)
代理投句:竜光(途中より参加)、泡沫、早子、オクタビオ、泰像、アガシ、凪太
投句箱投句:さいとう、翼


〈5点句〉
人形の家に鍵ある夏の月  亮

〈4点句〉
明易きパン屋の窓の鏡文字  ザ
蟻の巣へ消えるビとスとケとツとト  泡沫

〈3点句〉
落日や蟻もとほくを見てをらむ  亮
はまなすの白や大人の学ぶビル  浩平
退屈な幸せと五月の日差し  林蔵
地蔵には仰ぐすべなき藤垂るる  アガシ
鈴蘭の束や創作ダンスみる  浩平
天国はきっと五月の朝6時  泰像
蟻は蟻でも屋上に居る蟻だ  けい

〈2点句〉
飲み干して仕舞ふ八十八夜かな  ザ
風薫る髪の乱れぬアトムかな  泡沫
五月雨や僕じゃないひと好きなひと  早子
蟻が蟻運ぶ情とも習慣とも  アガシ
キー打たば彼の人の名やアマリリス  どんたか
婚約の字幕の速さバナナ剥く  守ン暴
手の甲を舐めて落ち着く五月闇  オクタビオ
頷くも仰ぐもありて百合の白  アガシ
蟻一頭手をメビウスに廻りけり  翼
剃り残しこするてのひら薄暑かな  早子
保育園真顔で蟻をつぶす時期  林蔵
一億年蟻は真理を追い求む  泰像
海峡を渡る汽船の窓に蟻  早子

〈1点句〉
おろかなる五月の雲として唄ふ  潔
洗濯槽に水満ちて来る夏の暁  潔
ちょっと早いけど夏服でハッテン場  さいとう
宗教戦争や蟻は一列に  さいとう
聖五月シリコンスチーマー拾う  けい
水着です濡れてあなたにピタとつく  林蔵
白杖を腕に持ち替え薄暑かな  翼
顕微鏡5月のひかり折れ曲がる  泡沫
蟻も来るバイキングですグルメグルメ  オクタビオ
ケバブ屋のアリの指差す方に蟻  浩平
木苺が好きでジェームズ・アイヴォリー  けい
半袖を吊るしたままの五月かな  翼
山藤の廃校門に降りそそぐ  凪太
山道のつばめぬっと出て一休み  泰造
人に言えぬ欲を抱き五月尽  早子
精液の甘味貪る羽蟻かな  さいとう
五月闇紙の手触り忘れしか  どんたか
肘頭にチャイム押したり薔薇かかへ  今朝
ベランダの鉢より鉢へ蟻の道  今朝

----------------------------------------------------
友病めり五月十日のメッセージ
茅花流しすこし泣いたと応へけり
欄干に風の自在や五月来ぬ
落日に蚊柱を吐き出す暗渠
新緑やぱらりぱらりと神の森
こそばゆき足に覚むれば蟻の列
時計跡白く浮かぶや五月の夜
レタス裂く指は血を滴らせ
森閑と蟻を這はせて交はりぬ
放尿は立位がよろし五月来る
老鶯や法法華経と説教し
オンナ歌手高音ムリよと五月
五月の雨獣の匂ひと言ふ少女
赤福や飼い慣らされぬ蟻もゐる
ひきこもつてた子の言ひ訳たる五月
またしても非通知五月十五日
はるかより蟻の屍(しかばね)呼ぶ空か
蟻二匹死ぬる恋人岬かな
家庭内不可侵条約蕗の味噌
私とは目も合わさずか蟻を追う
はめ撮りを友曝さるる梅雨雲(ママ)(or「梅雨曇」?)
蟻払いベンチに開く文庫本
ヌキトモに遭う同期会蟻の列
丸木橋に夏のひかりや犬抱き渡る
いなせだね眼鏡デビューをして五月
「じゃあな、チン毛!」と呼ばるる子蟻の帰路
聖五月上野に人のひとしきり
熱唱や汝と五月のハイウェイ

以上

コメント(12)

さいとう選です。

はまなすの白や大人の学ぶビル 浩平

恥ずかしながら、今までハマナスの花をきちんと知りませんでした。ローズヒップになる花なんですね。
ハマナスの白は赤に比べて数少ないこと、それと大人の学ぶビルも少ないこと、や切りの取り合わせとして程よい距離感ってこういうことかなって感じました。

赤福や飼い慣らされぬ蟻もゐる

ぼくが好きな、強引っぽい取り合わせ句。笑
なぜに赤福?って思ってしまうけど、ひとまず元気良さそうですよね。初見で笑ってしまいました。
古語と現代語の混在は意図的なのかなって思いました。

欄干に風の自在や五月来ぬ

正統派で端整な句だと思いました。
欄干により行動が制限されている人間、それとは反対に自在な風、その風景や心情が感じられました。

家庭内不可侵条約蕗の味噌

何のことでしょうか?笑
私の予測では、ベッドパートナーとの越えてはいけない境界線かと思いました。笑
日常の中で、必要以上に相手の領域に踏み込まないという優しさや思いやりがあるのかなって感じましたが、こんな解釈でよいのでしょうか?笑

「じゃあな、チン毛!」と呼ばるる子蟻の帰路

人間の子供(大人もかもだけど)って、ちょっとした身体的特徴をあだ名にしちゃいますよね。
手足が少し縮れている蟻に対して、そんなことを言っているのかなって思っちゃいました。
人間の会話の多くもたわいないことばかり。おそらく、他の動物も。そんな感じがする句でした。
潔さん、被講アップありがとうございます。蟻の絵は熊谷守一ですね(^^)

さいとうさん、ありがとうございます。赤福の句はわたしです。蟻からイメージして最初は黒服だったのを、カズレーザーのことを最近知りまして、赤服→赤福にしました。(滅茶苦茶ですね)
異物感を出したいがために「ゐ」にしたんですけど、公募などでよく「混在させるな」と言われますから、あんまりやってはいけなかったのだなと後から気づきました(笑)

浩平さんの
・はまなすの白や大人の学ぶビル
が、今回わたしの天句でした。
赤よりも数の少ない白いはまなすと、街の中にある建物とのとり合わせ。「大人の学ぶビル」という言葉に「どういう場所なのか察しはつくけれど、実は何をやっているのか分からない」という不思議なニュアンスがあるのもいいなと思いました。
そういえば、わたしは先月の席題「躑躅」では早子さんの
・白つつじ見覚えのある歩き方
を選んでいました。街を歩いていて、意外なところに白い花を見つけたときのあの感じに、今回の「はまなす」と通じるものがある気がしました。
潔さん、披講アップありがとうございました。
遅くなりましたが、翼選です。

○洗濯槽に水満ちて来る夏の暁
早い時間に明けてくる爽やかな空の色と、洗濯槽に勢いよく注がれていく水の清冽さがマッチするのは、やはり夏という季節だということがストレートに伝わってきました。暁の時間に洗濯って近所迷惑かもと一瞬思ったのですが(笑)、それは集合住宅暮らしに慣れたせいかもしれないですね。

○手の甲を舐めて落ち着く五月闇
五月雨の頃、鬱々とした五月闇のなか一人で部屋にいると、何となくそわそわしてしまう。それを、手の甲に微かにかいた自分の汗を舐めることで落ち着かせる、ということが、感覚的にとてもしっくりきました。「落ち着く」というのが少し説明的かと思いましたが、五月闇の落ち着かなさってありますよね。

○欄干に風の自在や五月来ぬ
五月は色々な風が吹く季節だと思います。散歩をしているときに橋の欄干を縫うように吹き抜ける風が「見える」。それがまた天に昇っていくのも「見える」。五月の明るさを風の自在さで捉えたところに惹かれました。

○海峡を渡る汽船の窓に蟻
たくさんある蟻句のなかで、なんだかんだと力強く長旅をする蟻の強かさが、説明的でなく表現されていると感じました。海峡という大きいところから、蟻というミクロな視点にどんどんフォーカスが移っていくところも面白かったです。

○はまなすの白や大人の学ぶビル
ほどよい距離感の取り合わせが私にはまだまだ難しいのですが、ピタッとハマる句でした。「や切り」のテンポ感といい、お手本のようです。そうしたビルに集まる大人の少し違う雰囲気も、ほのかに香ってくる不思議な句でした。
潔さん、お忙しい中でのアップありがとうございます!
またじっくりと観賞したいと思います。
こんにちは。ういろうです。沖縄は早くも梅雨入りです。例年では梅雨入り宣言したとたんに雨が降らなくなる、という展開も多いのですが、今年は順当に大雨がやってきてます。南の島の五月雨はざぶざぶと街を洗い流すような雨です。

今回も選と感想にてバーチャル参加を。



◎ 蟻払いベンチに開く文庫本

 なんでしょう、この変哲のなさ。でもあまりに徹底して変哲がないので読みかえす程に存在が気になって仕方がないのです。不思議な魅力の俳句です。



○ 剃り残しこするてのひら薄暑かな  早子

 朝の通勤の電車かな。休日お出かけ途中のシャワーを済ませたお肌かな。少し汗ばむ陽気も手伝ってお肌のみずみずしさが心地よい季節です。…オジサンのしなびかけた肌にさえ。
 中七「こするてのひら」、やや言葉の並びの寸が詰まって句がコケるか、と思いましたが、全体のトーンをコンパクトにまとめてあるのできちんとはまってますね。逆に上手い!と思いました。



○ おろかなる五月の雲として唄ふ  潔

 俳句でありながら、短歌のような味わいがありますね。「おろかなる五月の雲」。新しく懐かしい素敵なフレーズ。日本語のスタンダードに殿堂入りしそうな風格ですね。「日本語であそぼ」の奇抜な衣装の子供たちに復唱させたい。



○ 丸木橋に夏のひかりや犬抱き渡る

いかにもな夏の風景のしつらえで素人風俳句かな、と失礼ながら一読では思ったのですが、再読してみると、この句の犬と飼い主の愛情感が胸に飛び込んでくるのは、この牧歌的でストレートな空気だからこそだと気付きました。
 「丸木橋“に”」、句の採点でまず赤が入りそうな「に」の助詞、これをあえて字余りで入れたのは?これも朴訥な印象に役だってもいるようですが…、わざと入れたのだとすると実はかなり狙い尽くされた作品なのかしら…。


 今回の句会は、創作/ファンタジー系の句が多かったように思いました。句作の姿勢として確立した大切な一つの手法だと思いますが、ファンタジーのテイストが送り手と受け手でずれてしまうと伝わらなくなってしまうという弱点がありますね。今回いつものような心奪われる作品が少ない気がしたのは、多分、この季節に対するファンタジーテイストが私の中に頑なに定まっていて、他を寄せ付けない所為なのでしょう。いつもと違う感慨でしたが、それもまた一興と楽しませていただきました。

 では、また次回を楽しみにしています。季節の変わり目、皆さま、身体に気をつけてお過ごしください。


拙作)
吉野家を去りて深夜の五月かな
黒蟻やくはしき触手の会釈かな
>>[6]

今月もすてきな鑑賞ありがとうございます。
「丸木橋」は拙句です^^;
今回は「夏のひかり」ということばでなにか作りたくて、最初は「吊り橋」くらいだったのですが、ディーテイル、ディーテイル、もっと具体的に、とやっていたら上五の字余りに。
今度は、描写だ、描写だ、なにか動かさなければ、とやっていたら、下五も字余りに。
最近は月並み・平凡を恐れず、素直にシンプルに詠もうと心がけているのですが(あるいはそれは疲れておっさん化していることの言い訳かもしれません、汗)、時間直前に代理投句をお願いして、矯正中の定型感から完全に外れていることにも気づかず……もう音、がちゃがちゃだし、あざとさ満載ですね^^;
いまは反省して、「薫風や犬抱き渡る丸木橋」と型に収め直しました。って、iいっそう味も素っ気もない句になってる?……^^;
>>[7]

 コメントありがとうございました。選外を名乗り出てくださると、句と作者がつながる瞬間のわくわく感が感じられてうれしいです。句会に参加したような気分。ありがとうございます。

薫風や犬抱き渡る丸木橋

ずいぶんとすっきりきれいに刈り込まれて。でも「薫風」だと、主人公が初老っぽくなっちゃいますよ、って思った後、プロフィールを確認に伺わせていただいたのですが、ジョバンニさんも私と同じ年齢、初老の方が近いのですね(笑)。改編の形だと、丸木橋のスリル感は抑えられて、かわりに穏やかな日常感を感じます。日々通いなれた犬の散歩コースの割と安全な丸木橋のような。こちらも渋くていいです。



ジョバンニさんあての記事のついでで申し訳ありませんが、記事をアップしてからもう一度読み直してみて、「!!」と思う句の選を一つ漏らしていることに気がつきました。

家庭内不可侵条約蕗の味噌

蕗味噌って初夏の味だったんですね。恥ずかしながら春の味と思い込んでいたので句の風情を見落としていたのですが、ちょこっと調べて納得してから、句が輝きだしました。ちょっと苦く、淡いようなえぐいような蕗の風味。その独特の癖を尊重して楽しむ味。5月、人も自然もその形質を確立していく季節。
>>[8]
いつもこちらでのご参加、ありがとうございます^ ^ 鑑賞や選句の仕方、勉強になりますね〜

さて急いで申し上げると、やはり「蕗味噌」は春の季語ですね。蕗の薹(フキノトウ)を刻み込んだほろ苦さと高い香りは、春の初めの楽しみです。

でもって「蕗」が夏。掲句では「蕗の味噌」となってるのでさて、これがどちらなのかちょっと判然としません。みそ味で蕗を食べることってあるのかなぁ(ど田舎育ちですが経験がないのです^_^;)…

「蕗辛きけふ陥ちんとす伯林は(ふきからききょうおちんとすベルリンは)」という石田波郷の句の蕗は、やはり醤油で煮詰めたきゃらぶきでしょうか。ヒトラーが自殺したのが1945年の4月30日、ドイツが無条件降伏したのは5月7日だったということです。
おはようございます。
早起きをした朝に、改めて皆さんの俳句を楽しませていただきました。
時間が少したってから印象の変わった句、句会の場では気になりつつもコメントすろことのできなかった句について感想をいわせてください。

おろかなる五月の雲として唄ふ

おろかなる雲とはなんでしょうか。
たまに、ふわふわと息を吸っては吐いているだけの自分をおろかだなぁと自嘲することのある私は(ならばもっと努力しなさいと言わないで(/´△`\))、この五月の雲に共感を覚えました。
また、五月の雲って爽やかなイメージに、または平和な雰囲気になりやすいと思うのですが、「おろかなる」という強い言葉でドキリとさせられ、その後に五月の雲がつくことにより意表をつかまれました。
さらに「として」がつくことによって距離がうまれ、散文的なしめくくりに。
素敵ですねー。
なんでこの句を選ばなかったのだろうか。笑


半袖を吊るしたままの五月かな

句会の場では、青空の景色が浮かびましたが「吊るしたままの」とあえていっていることに今さら気がつきました。
もしかしたら、夜の風景、雨に濡れている半袖なのかもしれませんね。
いずれにせよ、季節感があって良いなと感じました。
冬の雨に濡れた長袖だったら悲しくなっちゃうし。笑


一億年蟻は心理を追い求む

句会の場でも様々な意見のあった一句ですが、もしかしたら本当に蟻は心理を追及しているのかもしれないと思わせてくれる迫力。
「一億年」とする、思いきりのよさがいいなと感じました。
注目されるのもうなずけます。
今月は「雷」と「浮草」がテーマですね。
梅雨前のわりに、ここのところ雨が少ない気がしますが、句会前に雷の音を聞くことがありますでしょうか。
なければないで、想像の力を駆使して作句に励みたいと思います。

仕事で上司に雷を落とされないように気をつけなくちゃ。笑
Kyoshi。さん、コメントありがとうございました。そうですか、「蕗味噌」はやはり春の方で。調べるときはしっかり確認しないといけませんね。ただ蕗の葉味噌、とかもあるみたいですしね、「うちの地方の蕗味噌は初夏の味なんです」とか作者の方が名乗り出でたりするとますます句の世界の厚みが増してきますが。さて、どちらかな。まぁ、ここからは読み手の世界のお楽しみということで。



ご紹介いただいた句。

 蕗辛きけふ陥ちんとす伯林は

蕗の味でヒトラーの最期を詠みますか。すごいなぁ。「蕗辛し」、じゃない「蕗辛き」と切れのない形。眼の前の食卓と同盟国の首都・伯林の空気は繋がっていたのですね。プロの俳人の気迫を感じました。

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