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竹輪句会コミュの第126回句会 披講

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皆さん、昨晩は新年初句会、おつかれさまでした(^^)
帰省や旅行のお土産やお菓子もたくさん賑やかで楽しい会でした。
初句会は、新年の句がたくさんあって、独特の華やかさありますね。
冬の句会はもう最後、次回は春の句会です。
転記間違い等ございましたらご指摘ください。

◆2017年1月9日(月・祝)@新宿二丁目akta

◆参加者:はまんこ、泡沫、竜光、小太郎、どんたか、和、早子、浩平、けい、林蔵、守ン暴、ザ、今朝、オクタビオ
◆代理投句:さいとう(途中から参加)、亮、アガシ、凪太、あすた、潔、たすく、しんいち、泰像
◆オブザーブ:ホリエ

投句:兼題2句【双六】【具】+ 当季雑詠2句=4句
選句:4句


-----


◆5点
初電車みなうつくしき紙袋(潔)

◆3点
入り口の小さきかまくらニュータウン(泡沫)
セミプロの来て淑気満つ釣具店(凪太)
先生の武具の香りや初稽古(早子)
初夢や火口の湖の透きとほる(今朝)
人日の絵の具のやうな海を見る(潔)
ブルゾンの匂いやヒース・レジャーの忌(けい)
初電話具合訊ねるアルペジオ(オクタビオ)

◆2点
その先は語らずにゐる初神籤(亮)
拝啓と敬具のあいだ雪催い(泡沫)
手に隠す手品道具や冬苺(泡沫)
また涙もろくなりける御慶かな(凪太)
初夢は七文字かしら五字かしら(小太郎)
潔く絵具はみ出る賀状かな(さいとう)
陰毛に泡の留まる初湯かな(さいとう)
東京のあかりやさしき二日かな(さいとう)
宵の明星南天の実と私(ザ)

◆1点
松過ぎの手紙にひとり涙する(和)
拘束具鍵はいずこに初明かり(和)
双六やどの子が最後まで生きる(亮)
寒暁の刑具さながら神経痛(亮)
巨き人双六盤を跨ぎ越し(泡沫)
黒袈裟を腕まくりして絵双六(凪太)
埋火や非番の夜の長電話(早子)
すごろくや太ももを掻く長き指(早子)
双六や向かい風なら三でいい(小太郎)
具としては少し大げさ初日の出(小太郎)
手の甲の血管だけが雪に映え(小太郎)
相方の元相方と寝る二日(守ン暴)
双六の終わり見えてる始めかな(浩平)
雑煮食う金星のよく見えており(浩平)
具体的予定の入りし三日かな(浩平)
ひとり酒小吉ほどの淑気かな(どんたか)
ふれさうにをり早梅の枝と枝(たすく)
双六や哀しきほどに近き夢(さいとう)
すごろくのピンクの駒の残るかな(ザ)
喪中葉書二枚来て足指の冷え(ザ)
畑には朽ちぬバスタブ冬の雲(けい)
絵双六スターウォーズに善と悪(オクタビオ)
初句会竹輪で覗く未来かな(オクタビオ)
双六の上がりし順に一の膳(あすた)
双六や川止めに皆居合はせて(あすた)
木枯に覚めたる夢の継ぎ難し(アガシ)
枝打ちし松極寒の香を放つ(アガシ)
淡雪や夕げにそふる具のレモン(アガシ)

-----

ふるさとの無き身雑煮の具麗らか
双六の三で上がるや倦怠期
具の多きものを食べ暮らす冬の日
着ぶくれて山の端に月星うるむ
古缶に双六見つけぬ父母の家
門松をめぐる騒動膨れつつ
山寺の曼荼羅おもふ絵双六
冬の雨でんきケトルの泡憎し
こう見えて必死なんです絵双六
除夜のかね性具すんすんないてをり
運動をしている男初暦
木守柿故郷の嶺は流れけり
濠は絵の具の碧なり寒に入る
海まぶし犬にもきつと初景色
すごろくや落ちし差し歯の振り出しに
文具券使いそびれて去年今年
AIの選ぶ具材や彼方の闇汁
新成人傘下の足袋の美しさ
成人の日の朝早き美容院
七草の七つのあをを合わせけり
差し向かひ新年の具を追加せり
絵双六あてなき旅の果てのなし
田口にもええ人おるん雪女郎
営業マンわつと駆け出し鳥総松
朝餉あと遊具選べる昔三日かな
双六と地球がまわりあくびする
コンドーム見つめ見つめて初日の出
慈悲の日に双六の中の人となり
駐車場ばかり目立ちて去年今年
幸村の具足脱がされ千代の春
双六のゾロ目の子等は窓を開け
絵双六バス運休の田舎駅
吾が態の地に具象さす初日の出
男振り湯気匂い立つ玉せせり
大袈裟に羽畳みける初鴉
双六で私もついにママリッジ
ふつくらと土より出でて朔日草
すごろくやあがらぬやうにそそと賽
賑やかに窓より日差し絵双六
初富士の蒼さ桃色ひこうき雲
キスをして俺らの双六はじめます
オリオンは佳き人願いてアプリ載せ
去年今年小便滴振るう間に
具はなにと別れバナシのサブウェイで

以上

コメント(21)

アガシさんの選をかわりにコピペしておきます。

アガシさんからの選句が届きました。




山寺の曼荼羅おもふ絵双六

双六のエキゾチックなゴチャゴチャ感が作者と同じく曼荼羅を想像してました。あーこういう風に感じてた人もいたんだなぁと嬉しくなりました。

濠は絵の具の翠なり寒に入る

溜まり水、池や湖は流れがないと太陽の光で藻が発生して緑色になります。マットな感じのグリーンはまるで絵の具のようだという作者の発見が面白いと思いました。

海まぶし犬にもきっと初景色

海の側に住んでいるので毎日海は眺めていますがやはり元旦の景色は尚更美しく感じられるもので多分誰でも綺麗に感じるはず。犬でも。作者は海の近くに住んでるはず(笑)

新成人傘下の足袋の美しさ

綺麗な晴れ着に目に行かず足袋が美しいとは。なんと。茶道の稽古のとき師匠から足袋はいつも白く、はいたとき皺がよらないサイズをはくようによく言われました。これを思いだし取りました。

気になる句。
絵双六あてなき旅の果てのなし
こういう句を作りたいと思わせた句
除夜の鐘性具すんすんないており
コンドーム見つめ見つめて初日の出

以上です。よろしく。
続いて翼選です。

◎人日の絵の具のやうな海を見る

「この世界の片隅に」を思い出しました。六日までの自然にまかせた冬の海から、人日には少し人工的な色彩を帯びて人の世が海に投影されるような。明るいような少し不安なような。とてもきれいな句だと思いました。

東京のあかりやさしき二日かな

帰省したのち東京に戻ってきて、そのあかりがやさしいと感じるのは年末年始にふさわしいと思います。「二日」以外でも成り立ちそうな句ですが、年始に慌ただしく帰京した様子が出るのは、やはり「二日」なのではないかと現代的な感覚でしっくりきました。

新成人傘下の足袋の美しさ

足袋に着目しているところが興味深いです。ただ、傘下なので、せっかくきれいな足袋なのに雨や泥でもつくんじゃないかと、新成人の行く末までついでに案じてしまう詠み手のソワソワ感をもむしろ感じて、面白かったです。

田口にもええ人おるん雪女郎

意味がわからないのですが、どこか憎めず忘れられない句です。田口が誰かはともかく、「あの田口にさえも良い男がいるらしい」というそこはかとない口惜しさが、他人と寄り添うことのできない雪をんなの性と響いている感じがします。

その他、無選で気になった句。
コンドーム見つめ見つめて初日の出
妙な実感がこもっていて気になりました。「見つめ見つめて」というあたりに狂気も感じます。
あすたです。罹るはずないと思っていた流感にやられ、部屋の中で見守っておりました。
もう熱は下がっていますので動き出したくて仕方がないのですが、我慢しなければなりません。


○初電話具合訊ねるアルペジオ
アルペジオってピアノやハープで余韻を使って和音を奏でる手法。
初電話ともなれば年に一度ということも十分考えられ、積もる話を矢継ぎ早にという感覚を例えた。

○拝啓と敬具のあいだ雪催い
雪催いって下五につけると意外とどんな景にもついてしまう。
しかしここでは手紙を書き終えたら雪が降ってきたという景であり、この俳味が素晴らしい。

○手に隠す手品道具や冬苺
とても抒情的な句になるので賛否が分かれそうだが、珍しい冬の苺があなたに見せない手品の仕掛け、となればその苺に様々な肉感や情熱をも持たせることになる。

○また涙もろくなりける御慶かな
齢を重ねて来た者が感じ得る新年のあいさつにおける互いに流れた時の残酷さ。

除夜の鐘性具すんすんないており
やはり、「早く止めなさいよ」と突っ込みを入れたくなるだけのような。

コンドーム見つめ見つめて初日の出
何故?とかいわれて終わりそうだけど、年越しセックスできなくてゴムだけ残って畜生ってことならわからなくもない。

拙作
営業マンわつと駆け出し鳥総松
松も過ぎれば営業職も飛び出してくるかな、と。

幸村の具足脱がされ千代の春
私の「丸ロス」のことなんてどうでもいいですね(^_^;)

ということで(笑)、こちらの分も好き勝手に選をさせていただき、投稿いたします。また長くなっちゃって申し訳ありません。


◯先生の武具の香りや初稽古
「香り」ってちょっと乙女過ぎないか(笑)とも思われますが、初稽古だからまだあまりドロドロしてないわけですね。そういう気持ちの良さが恋情に響いていて、清潔に見えます。ほんとのとこどうなのかはともかく。

◯潔く絵具はみ出る賀状かな
「かな」でぱしっと決まった形。まさに潔いですね。「潔」という文字がいい(笑)というわけでもありませんが、「絵具」が無理なく生かされた一句。

◎拝啓と敬具のあいだ雪催い
俳句ってまさにこういう「空間」を作れるんだな、と、うれしくなります。すこしあらたまったお手紙でしょうか。というか、近頃こういうお手紙を書く機会が殆どありませんね。お仕事なのかもしれないですが、それでも手書きのあたたかさが自然と伝わってくる。それは、雪の気配を感じ取る作者の心が、おのずから生み出すあたたかさなのではないかとも思われます。

◯初夢や火口の湖の透きとほる
美しいイメージ。しかし私はこの「や」の切れ字によって「初夢に透明な火口湖を見た」ということではなく、作者の初夢の外、もしかしたらこの地球とはまた別の天体にあって人知れず澄む火口湖が、作者の見ている夢と響き合っている、と読みました。
映像にだけ頼っていると、いわばインスタの「いいね」ボタンを押してもらうための作品になってしまいがちですが、この句はしっかりと、言葉で立っていると思うのです。詩を詠む・読むとはそういうことではないか、と。

ブルゾンの匂いやヒース・レジャーの忌
「ブロークバック・マウンテン」であまりに切ない台詞を残した彼の、カウボーイ姿をやはり思い出します。まあ、ブルゾンじゃないけど(笑)「匂い」は嗅覚だけじゃない、気配のようなものも伝えてくれる言葉です。

◎運動をしている男初暦
これ、面白いなあ。こんな身も蓋もない(笑)もう「体操」でさえ、ない!ここまで突っ放している初暦の句はないでしょう。語が全部平熱以下。詠み方としては「初暦ひらく牧神笛を吹く(野見山朱鳥)」と同じ方向なのでしょうが、朱鳥の絵画的で華やかな抒情性とは似ても似つかないそっけなさ。読むほど、おかしい。

すごろくや太ももを掻く長き指
人の集いの中で、何気ない動きにすっと目が引き寄せられてしまう。双六の周りにいるのは家族や親類かそれとも気の置けない友人か、いずれにしてもなんにも危うさのない空気の中に、ふっと呼び覚まされる何か。ってのは読みすぎでしょうか(笑)でもこの視線はやっぱりフェティッシュですよねえ。

◯埋火や非番の夜の長電話
非番の夜、でも不規則な勤務だとなかなか友人とも予定は合いにくくて結局一人で過ごしていたりする。気楽だけれどちょっと寂しいそういう夜に、肩の力が抜ける相手との長電話ができるのはうれしいものです。あけすけな会話というのではない、夢中になってまくしたてるというのでもない。でもほわっとあったかい。私たちはもう埋み火に接する機会をほとんど持っていないのですが、そういう夜のどこかで、また燃え立つための種火がひっそりと、私たちを待っているのかもしれません。

◎双六の三で上がるや倦怠期
まさか双六で倦怠期が歌えるとは!でもふしぎと、すごーい説得力があるような気がします(笑)大して熱狂したゴールでもなくなんとなく上がっちゃった双六と、もう何かを掻き立てられることのない二人の日常と。

◯また涙もろくなりける御慶かな
お正月に涙は縁起が悪いのかもしれません。でも、来し方を振り返ることが多いのはやっぱり年の変わり目だし、久しぶりに顔を合わせて感慨がこみ上げるのもやっぱりこの季節なのでしょう。あらたまって口にする、ちょっとよそよそしいご挨拶の中にこそ滲んでくるもの。

ふれさうにをり早梅の枝と枝
早い梅のおそるおそるのようなたたずまいが「ふれさう」なのでしょう。「をり」がちょっと苦しいかもしれませんがそうして静まっている、と読めばいいのかな。
それから、さらに気になった句。ほんとすみません長くて^^;

営業マンわつと駆け出し鳥総松→営業マンが複数で一斉に、とも一人で突然声をあげ、とも読めてちょっと迷いますが。鳥総松というささやかな季題との取り合わせ方が興味深いです。

陰毛に泡の留まる初湯かな→初湯に限らない、とも言える内容ですがそうやってつくづく眺める機会なのかと(笑)泡といってもとても細かいつぶつぶみたいなアレですね、そのあたりより踏み込んで描けるのではないでしょうか。下ネタというよりも健全な自己愛を感じさせてくれるのは、やはり「かな」という切れ字の格調によるものでしょう。

除夜のかね性具すんすんないてをり→「すんすん」が眼目だということはわかるのですが、ごめんなさいどういう状況だとそういう音になるのか…「かね」は「鐘」とどう違うのか、「ないて」は「泣いて」か「鳴いて」か「哭いて」か、もう少し絞って描写されれば「すんすん」が生きて、同じ聴覚に訴えている「除夜の鐘」という季語との関係がはっきりすると思います。

入り口の小さきかまくらニュータウン→これは、入口が小さいかまくら、とも、ニュータウンの入口に小さいかまくら、とも読めるようですね。よく考えると、後者のほうが描写としては十分(入口が小さい=中は広いの?)で、取り合わせとしてもいやみがない(寂れていくニュータウンだから入口も小さい、という批評は俳句には不要)ようです。

喪中葉書二枚来て足指の冷え→「二通」じゃなくて「二枚」ということは、同じ相手から重複して来た、ということなのでしょうか。それによってちょっと事情が変わってくるわけですが、いずれにしてもしんとした心にさらに加わる足元の寒さ。

初富士の蒼さ桃色ひこうき雲→お正月にふさわしい、澄みわたる景色に華やかな彩り。これは、富士山の青がやや桃色がかっている?いやおそらく「蒼さ」で一度切れて、飛行機雲が桃色、なのではないか。ならば、富士は蒼・ひこうき雲は桃色、と素直に並べるべきか。そういう意味伝達も含めて、もう少しくっきりとした描写にしたいかもしれません。


竹輪句会という楽しい集まりの中で、みなさんが各々俳句の姿を追い求めているのを見るのは、自分にとっていつも大きな喜びです。その中で、詩人として生きようと決めた者が何をすればよいのか。今年もあっちこっちと、求めていきたいと思っております。お気が向きましたら(笑)仲良くしていただければ幸いです。
>>[6]
こちらもコメント、ありがとうございます!
実は、句会では無選だった、運動をしている男初暦、をとってくださってうれし〜。笑 実はコレわたしの句です。身も蓋もない正月の所在なさを詠みたかったのでうれしい。

あと、早子さんの、すごろくや太ももを掻く長き指、わたしも句会でとりました。いろんな双六の句があったなか、このズームの仕方、すごく魅力的でした。まさに目のつけどころが何気なくて、でも愛嬌があって、なんともいい味わいです。確かにちょっとフェチなのかしら。


だいぶ時宜を外しておりますが、こちらでは、
あけましておめでとうございます。
ういろうです。
大寒波。体感しながら原稿を作っております。

今年も選句感想にてバーチャル参加させていただきます。


◎潔く絵具はみ出る賀状かな(さいとう)
 陰毛に泡の留まる初湯かな(さいとう)
 東京のあかりやさしき二日かな(さいとう)

今年一発目は変則的ながら、この3句をまとめて一等に。3句とも細い線の鉛筆スケッチのようなはかない味わいですが、淡い印象ながらぴしっと狙いの定まった力を感じました。そして3句を通じて作者の一貫した視点にずきゅんと胸を撃たれてしまいました。一句目、賀状ごときに万感の愛情を込める友に新年を。二句目、斜陽に傾く(?)己の肉体とエロスに新年を。三句目、(東京に)暮らす全ての人に新年を。三句を通じて新年を祝う気持ちが淡々とあふれてこちらに届きます。やっぱり日本人はクリスマスでは満足できない、お正月こそ祝いの節目、と思いました。たまたま、投稿の編集でこの並びとなったんだと思いますが、今回この3句の並びに一番心惹かれました。


初電話具合訊ねるアルペジオ(オクタビオ)

相手は風邪を引いたのでしょうか。それとも深刻な闘病の本人、または関係者でしょうか。新年の挨拶なので陰気な感じにはしたくない、けれどもこちらだけ浮かれすぎた雰囲気にもしたくない、そして核心は確認して励ましの言葉も伝えておきたい、しかしへんな同情のメッセージにはしたくない、、、という気持ちのとめどない広がりはアルペジオ・分散和音の広がりそのものですね。…「アルペジオ」の語感が中七に対して華やか過ぎる、という懸念を、上五の「初電話」という景気のいい言葉ではっしと受け止め解消してしまうファンタジスタプレイ。さいとうさんの句の直球型とは真逆のテクニックを堪能させてくれます。


巨き人双六盤を跨ぎ越し(泡沫)

双六盤の世界に熱中する子供たちにとってそれをまたいでいく大人はそれこそ巨人という存在。昨日久しぶりに小さい子とポケモン双六をしました。負けたくない気持ち全開の子供の入れ込み具合が楽しかった。


埋火や非番の夜の長電話(早子)

この時代に埋み火とはまた、おもしろい季語を選んできましたね。今の生活に埋み火ってあるかな?時代を遡って情景をイメージするのでしょうか。ともかく、この句が、冬のしんしんと冷え込んでいく夜中の空気を持っていることは確かだと思いました。




それではここから補遺。


すごろくやあがらぬやうにそそと賽

下五をあえて「姉の賽」とかベタにしつらえたら、「寝ていても団扇の動く親心」みたいな国民的な川柳俳句になったのではないかと思いましたが、それでは文学色が褪せるでしょうか。


大袈裟に羽畳みける初鴉

ばさりと羽をたたむカラスの感じ、スッと伝わってきて、四選にいれたかったのですが、「畳みける」、折角の切れ字を連体形に崩すところが気に掛かるというか、もったいないというか。ではとう直すべきかと言う解答も見当らないのですが…。


雑煮食う金星のよく見えており(浩平)

次の惑星楽しみにしています。冥王星とか。水星とか。恒星シリーズに移行してシリウスとかアルデバランとか。その辺もいれてあげてね。(笑)


初句会竹輪で覗く未来かな(オクタビオ)

季節を大切にする俳句ならば、座に即した趣きも忘れたくないもの。新年句会ならではの俳句。
まことにおめでとうございます。


では、今年もよろしくお願い申し上げます。



季語について、流そうかなぁと思ったら素敵な句が出てきてしまったので追加コメント。


ブルゾンの匂いやヒース・レジャーの忌(けい)


この句の季語は何かといえば迷わず「ヒース・レジャーの忌」です。
…歳時記に載っている、俳人の命日の羅列、何とかならないのでしょうか。俳人たるものはなべて先人を尊重すべし、という心意気もわからなくもないですが、じゃあ、映画俳優を、監督を、画家を、私淑している人はその命日を機に歌を詠んではいけないのか。ブルゾンの匂いから立ち込めてくるあの冬の香り、それは蕪村忌でも碧梧桐忌でもないレジャー忌というこの気持ちを詠うべきか、否か。俳句の枠組みに挑戦した作品とお受けしました。


しりとりの終わらない道フォグランプ     泡沫
工場に菊や日向に犬繋ぎ           亮

この2句は前々回の句なのですが、「フォグランプ」
は季語なのか。二句目は、「日向に犬つなぐ」が季語でここに「菊」を詠み込むのは気重なり失敗ではないのか。

そういう疑問をぐいぐいと形にしていただきました。私の常々の疑問を共有したくここに掲載。
>>[11]
はじめまして。けいと申します。
ヒース・レジャーの句、コメントありがとうございます。
若くして亡くなった俳優の命日を俳句にするのは、死を美化したり、自分に都合のいいように解釈することにもなりかねないんじゃないかという不安があったのですが、思い切って出してみてよかったです。俳句への挑戦というか、私のヒース・レジャーへの思い入れですね(笑)
いつも素敵なコメント楽しみにしております(^^)

潔さん
『ブロークバック・マウンテン』だいぶ前に観たきりで、実は内容をあんまり覚えてなかったり・・・今度また観てみようと思います。
前の私のコメント、泡沫さんと亮さんの句をわざわざ引っ張り出しておきながら、言葉が足らず無礼な印象を与えてしまう気がして更に補足です。句自体に難癖をつける意図はもちろん全くありません。両句とも本当に素晴らしいなぁと感じながら再掲させていただきました。
 私が俳句を作るとき必ず意識するのは、季語・歳時記の持つメリット・デメリット。両句ともその問題におもしろい角度で触れていたのでずっと心に残っていたのが、今回のけいさんの句で引き出されてきたという経緯です。このことは本当はもっともっと深くコミュニケーションをとりたい課題なのですが、ここでは煩瑣になりますのでこれ以上は省略いたします。

…うーん、今回は冗長な投稿になってしまいました。申し訳ありません。来月以降、簡潔な作文につとめます。お恥ずかしい。

最後ですが、けいさん、コメント有難うございます。

>>[9]
いつもステキなコメントありがとうございます。勉強になります。

そして今回は、アルペジオの句で、ファンタジスタプレイ!という最上級?の褒め言葉までいただき、笑、とってもうれしいです。ありがとうございます。
この取り合わせは土壇場の思いつきでしたが、うまくハマってよかったです。自分はそこまで深く考えてなかったものの(そこがツラいところ、笑)、鑑賞してくださる方がつくった本人以上の鑑賞をしてくださりありがたい限りです(^^)

今年もよろしくお願いします(^^)
>>[11]  いつもながらすてきな観賞、ありがとうございます。

けいさんの「ヒース・レジャーの忌」、今回ぼくは天の句として頂きました。ぼくも句会の席でほかのメンバーに指摘されて気づいたのですが、ちゃんと「ブルゾン」がジャンバーやジャケットなどの冬服として季語の役目を果たしているというすばらしさ!
「匂い」のみを立ち上げてそれに託して、あとはカタカナというあたりもたまりません。「忌」でばしっとしまっていますよね。対象に対する愛を感じます。
「匂い」は嗅覚だけじゃなく「気配」のようなものも伝えてくれると潔さんも指摘していますが、それもうなずけます。
なにか、記憶と密につながっているような感覚ですね。
愚かな空想かもしれませんが、たとえば誰か深く愛した人を失って、もう一度その人の姿を見られるか、その声を聞けるか、その匂いを嗅げるか、一瞬どれかひとつができるという残酷な選択を迫られたとしたら、自分は「匂い」を選ぶような気がします。

今年は作句に対するエネルギー以上に鑑賞力アップに力を注ぎたいと思っている年のはじめです、ってもう1月も3分の2が過ぎようとしていますが^^;
今年もどうぞよろしくお願いします。
>ういろうさま けいさま

やはりこのヒース・レジャーの句は竹輪句会ならではの印象深い作品と言えますね。しかしけいさん、あの映画の内容をうろ覚えとわっ!(笑)ラストシーンで彼がそっと呟くひとこと(実は日本語字幕と元の英語とではだいぶ印象が異なることも含め)忘れられません。あと、初めてなのにあんなスムーズに入らねーだろ(笑笑)とかね。

季語の議論については、すこし整理しておいたほうが良いかもしれません。もちろん近代の俳人が様々な形でこの問題と格闘してきており、今でも(地理的にも歴史的にも)考え出すとえらいことになるという状況は変わらないわけですが、ひとまずここ=竹輪句会に集うみなさんが「季語」という概念を作句の重要な要素として据えている、という前提で。

俳句は季節を詠う詩形で、その「季節」は「季語」によって示される。

この一文、実はいろいろに考えられると思うのです。「季節を詠う」ということ、「示す」ということ。作者により、また同じ作者でも詠う内容により、それは変化するものと考えてよいのではないでしょうか。

この句では、今朝さんの指摘の通り、形としては「ブルゾン」が季語です。
ういろうさんは、この句の季語を「ヒース・レジャーの忌」と考えたいと表明されています。実際何月何日なのか私は存じ上げないのですが、必ずある季節の中にある日付ですからそのまま季語となりうること、当然といえば当然です。
ただ私としては、この句の季語はブルゾンということで良いのではないかと思います。しかし、この句の感動の焦点は疑いなくヒース・レジャーの忌です。

つまり、ブルゾンによって象徴される「冬」の季節の中で、「ヒース・レジャーの命日」に作者が寄せる思いが培養されこの一句が生まれている。それも革ジャンなどよりちょっとナサケナイ雰囲気も醸し出してしまうブルゾン(ヨーカドーとかしまむらとかの・笑)からにじみ出る日本の冬の空気の中で、早逝したハリウッド俳優の美しくも男臭いあの佇まいを惜しむ。そういう読みではいかがでしょうか。

古くから育まれてきた季語、歳時記という俳句の枠組み(のように考えられているもの)に挑戦し、あらたな詩の姿を獲得しようとすることは、言ってみればすべての俳人が毎日行っていることです。そのなかで私の考える「挑戦」は、歳時記にない言葉を新たな季語として申請するという方法よりもむしろ、歳時記にある言葉と自分が言いとめようとしている何か(上記「感動の焦点」)の間に今までになかった新たな関係を生じさせようとすること、です。

その「関係」が、先に述べた「季節を詠う」「示す」の内実で、「関係」のありようによってその姿は変化する、ということです。つまり、季語が主役っぽく振る舞っても脇役っぽく振る舞ってもどちらもあり、なんではないかと。
(いずれにしても季語は大変重く大きく、ちっぽけな私の主観だの感動だのはしばしばすっぽり呑み込まれてしまう結果になる…そして実は俳句の苦しさ面白さはそういう「私の否定」から始まる、なんて思うのですが、それはまあ、余談です)(それから忌日を季語として濫用していないかということについても、ちょっと煩雑になりますのでここでは触れません。もうたいがい物言いが煩雑なんじゃ!というツッコミも受け付けません・笑)

泡沫さんや亮さんの句も含めた熱のこもった丁寧な鑑賞を拝見して、ついくだくだと書き連ねてしまいました。ういろうさん、どうぞ今年も素敵な文章で竹輪の作品をたくさん名句としてくださいませ!
Kyoshi。さん、タビオさん、それからういろうさん。
拙句(早子)へのコメントをありがとうございました。
ひとつひとつの句を驚くほど丁寧に読みといてもらえて、とても嬉しいです。
みなさんの文章が、句を本来よりも魅力的に見せてくれているように思いました。

実際の「先生の武具」は、柔軟剤の香りでした。
新品の道着など、特に生地が堅いものは柔軟剤を入れて洗濯し、少しずつ柔らかくするのだそうです。

「太ももを掻く長き指」と「埋火」の句は、みなさんのコメントにあえて付け足すような自解が思い浮かびません。本当にありがとうございます。僕もみなさんを見習って、句会で選んだ句の魅力をもっと伝えられるように頑張ります。
>>[18]
うわわー、なんと、柔軟剤!!想像もしてませんでした!
そういうふうに使うんだ、いやあ、素敵 ( *´Д`)…(勝手に萌えている・笑)

おかげさまでほんとにいいお話を聞かせていただくことができました。こちらこそ、ありがとうございます!
こんばんは。さいとうです。
今回は、初句会ということで、初心に戻って切れ字を含む俳句らしい句を詠んでみました。
とは言っても、最も使いやすい切れ字の「かな」を多用してしまったのですが。
「かな」俳句ばかり作ってしまったのがバレて恥ずかしい限りです。笑
皆さまの書き込み、とても参考になります。
選句の際に気付けなかったこと、たくさんありました。
句を味わう力、養っていきたいものです。
これからも、ぼくにいろいろなことを教えてください!
こんにちは。
今回はみなさんのコメントがたくさん寄せられて
新年句会らしい盛りあがりでしたね。なんだか私もうれしいです。

いつか私も句会の方に直接お邪魔いたします。
あくまでも句会メインで、こちらは二次会、三次会みたいな気持ちで私は臨んでおります。
(普段の飲み会でも二次会以降に出てくる話題っておもしろいんですけどね。)

kyoshi。さん、他皆様、コメントに向き合っていただいてありがとうございました。
こんな風に思いを伝えあえる相手がいることは幸せなことだなぁと感じます。



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