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竹輪句会コミュの第125回句会 披講

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みなさん、昨夜はお疲れ様でした。
今年最後の句会、竹輪ならではの、多様な「鴨」と「日記」にわくわくしました。
初参加の泰像さんも、経験のにじみ出る貫禄の句で得点をさらっていかれました^^
一夜明けて、披講アップのためにこれだけの数の句を打ちこんでいると、あの場では採れなかったもの、あとからじわじわ来るもの、はっと気づかされるものがたくさんあって、これまた役得。
今年もにぎやかで豊かな時間をありがとうございました。
ちょっと早いけど、みなさんそれぞれに俳味のあるメリークリスマス&ハッピーニューイヤーを。
来年もどうぞ、よろし句お願いします。

*代理投句の方、全員把握しているかどうか自信なく、漏れている場合は追加願います。誤記等あればご指摘ください。

2016年12月12日(月)@新宿二丁目akta

参加者(席順):林蔵、けい、どんたか、和、オクタビオ、守ン暴、はまんこ、小太郎、ザ、ホリエ、泰像(初参加)、浩平、今朝、翼
代理投句:泡沫(途中より参加)、アガシ、凪太、早子、しんいち、影造、さいとう、あすた、潔、亮

投句:兼題2句【日記買う】【鴨】+ 当季雑詠2句=4句
選句:4句

☆6点句
凍星やカタカナ尖る手紙あり 泡沫

☆5点句
闘病のはじめの一歩日記買う 泰像

☆4点句
一年はおそらく鴨の歩幅ほど けい

☆3点句
凩やマックポテトの塩まばら 翼
一日がなつかしくなる冬至の日 亮
寝過ごした電車の窓に凍る月 小太郎
クルトンの揺れや半分濡れる鴨 泡沫
冬凪よわたしも黙って帰ります 和

☆2点句
水に着けば鴨のすましてゐたりけり あすた
仕事後の句会の席にカリンあり 林蔵
日短かカシオ計算機のパネル オクタビオ
大晦日だらりだらりの餃子かな 早子
日記買ふまだ見終わらぬ夢あれば しんいち
人泊まりぬけがらの朝日記買う 早子
ひめごとを大きく記し古日記 あすた
陽の翳り鴨らが不意に黙りけり ザ

☆1点句
橋渡る今日も鴨鳴く不可もなく 泡沫
深々と突く性ありて日記買う アガシ
二次関数グラフを二つ二羽の鴨 さいとう
哀しみや出窓を開けて大掃除 早子
市ヶ谷にメトロ響くや初時雨 オクタビオ
オーロラも見れるかしらと日記買う けい
天国はあるかそばやの鴨供養 泰像
前世はクロックムッシュ日記買う オクタビオ
気に入らぬところ別にと日記買う 守ン暴
えっ俺は横浜経由湯冷めする 守ン暴
水月の砕けたところ夜鴨鳴く 和
喪のありて冬日を入れし墓いくつ 亮
うすき刃のうすき脂や鴨料理 亮
日記買ふ今年も飾るだけなのに 和
乗車場の端と端とに冬薔薇 浩平
日記果つ仕事のことを書き終へて あすた
冬至祭少しずつ灯の添はりゆく ザ
眠たき日眠たきままに日記買う 浩平
廃屋の欠けた小壜や虎落笛 どんたか
ラブレター鰭酒に夜満ちゆくは 翼
日記買う一月二十日五時五分 小太郎
閑けさや子の泣く家の吊られ鴨 翼
北窓にやさしき冬の街を見る 浩平
冬晴や喪服にニトログリセリン 今朝
ゆるやかに日暮の鴨として進む 潔
マフラーを子に巻く父の首寂し 小太郎

*選外
雲のなき空のさびしさ日記買ふ
その旅路経て肥えた鴨肉の襞
鴨が鳴く鳴いてもいいよいいカモネ
十年の日記買う婆(バア)意を決し
また仰ぐ鵯にまかせし筈の柿
忘れたきことが多くて日記買はず
代引きでローション三つ湯冷めかな
ぼくにしか見えない手帳日記買う
ひとりこぐスワンボートや鴨のこゑ
やぶだたみ鴨打つらしき筒の鳴り
上京シ初褞袍ヲス南国産
日記買う死びとの一歩遠ざかり
セフレにはセフレの流儀虎落笛
足音とも夜半降る冬の雨音は
ぬくぬくと猫とお布団もうお昼
おでん煮ゆひとに卑猥な単語ひとつ
鴨跳ぶやマラソン人の靴響く
しをりひもまづ出し伸ばし新日記
跳ぶ鰡に列低うせり帰る鴨
人よりも壊れやすくて初氷
片っぽの手袋の山またしまう
街に音無くなる朝や雪催
千年ののち開かれむ日記買ひ
日記買う年に五回の誕生日
十二月二十三日鴨黒し
句の順をそつと変えたる年忘れ
鴨啼けば竈風呂へ後追ふ男
日記買ふ記述五年前のけふも
鴨眠る名もなき池を過ぎるとき
鴨に訊く水に流すか去年の恋
遺さるるビードロの音や六の花
宴果てて立小便の寒昴
襖越しCM明けの徹子の部屋
鴨すすむ貴金属さがしています
サッチモの喉のガラガラ日記買う
冬の部屋ちあきなおみが流れ泣く
バルコニー翔び立つ鴨の白きかな
日記買うハートが投句締切日
数へ日や数へるゆとりなかりけり
小春日や呪い代行サイト見て
不器用に歩く鴨の背我に似て
狐火や幻のこゑ聞くやまひ
曇天に鴨たまりたる新小岩
日記買う祖母の顔やや薄れゆき
日記買う網戸の埃満つるかな
渡り来て狩られ吊され鴨哀れ
首都圏も冬靄で遅延する電車
屋根裏で暮らす明日も隙間風

以上

コメント(11)

ジョヴァンニさん、披講をありがとうございます。
年の締めくくりの句会に参加できず、残念でした。
浩平ちゃん、いつも代理投句をありがとー。

遅ればせながら、僕にも選句させてください。
だんだんと冬至に近づいているせいか、
言葉の中に温もりや優しさを感じられる句に惹かれました。

一日がなつかしくなる冬至の日

この気持ちは「なつかしくなる」だったんだ!と、とても共感しました。
日の出から日の入りまでをきちんと連想させる「一日」という言葉も好きです。
省略することで生まれる美しさを、句の中に感じました。

一年はおそらく鴨の歩幅ほど

鴨の一歩がどれほどなのか知らないけど、妙に説得力がある気がしました。
「時間の長さ」についての句というよりも、
「時間の重み」についての句として、僕は受け取りました。

北窓にやさしき冬の街を見る

北の窓ということは、街の南側を眺めているってことだよね、浩平ちゃん。
句の中のちょっとした仕掛けや、
陽の当たる街並を「やさしい」と詠むのもいいなあと思いました。
小さな抽象画みたいで、きれいです。

日短かカシオ計算機のパネル

冬→カシオ計算機って、尋常ならざる連想力。
”太陽繋がり”のほかにも、
地味で目立たない感じが共通しているのも、なんだか魅力的です。
さすがタビオさん。

以上、早子選でした。



(亮さん経由で)アガシさんから選句が届きました。from 広島


アガシ選句

人よりも壊れやすくて初氷

帝都では氷が張ったそうなと近所のおばさんがしゃべってました。初氷は薄くて危ういものの代名詞みたいな。人も危ういのかな。しぶといけど。

雲のなき空のさびしさ日記買う
雲のない空を寂しいという作者の発見が面白いと思いました。日記も新しく買うときは今までの日記帳と別れることになりちょっと寂しい気持ちもわかります。

代引きでローション三つ湯冷めかな

配達の人が遅く来たんでしょうか。どうしても必要なローションを代引きで。寒いのに代引きだと色々時間がかかって。湯冷めしますよね。

セフレにはセフレの流儀虎落笛
セフレは家に泊まれないとか決めてるのか。寒い夜済んだら帰ってもらう。風の強い夜。想像したら面白い。

以上です。よろしく。
亮さんからのコメント、コピペします^_^

おこんばんは、亮です。

昨年10年日記がおしまいになったんだけど、読み返してみると、最初の方(2006年)にちくわ会の最初の方の句会のこと、そして今に至るまでのこと、新しく加わった人のこと(*´-`)、好きな句なんかが書き連ねてある。あぁぁ10年なんですねぇ。 (僕は途中中抜け期間がだいぶあるけれど)あっという間でもあり、感慨深いです、とても。

皆さんのおかげで、この一年も句会を楽しむことができました、本当に感謝です。ありがとうございました。
また来年もよろしゅうに。


今朝ちゃん、披講アップとか、その他いろいろありがとうございます。
選句しました。



闘病のはじめの一歩日記買う 

ともかく日記は自分を残すためのものだけど、それは、きっとこの有限な生に無限をはらませたいという、まぁそんな切なる希いがあるんだろうなぁ。
日々変化していくままならぬ身体とまた心の一部始終を確かめ、また出会うことのできるだけを書き記すことにより、その一瞬一瞬の儚い生の中に永遠(のようなもの)を見出していこうとするエネルギー。まさにそれが、生きていくということになるんだろうか。
はじめの一歩、という肩の力の抜けたすんなりとした措辞ながら、これから起こるであろうことを真っ直ぐ見つめていこう、生きよう、そんな力に満ちたむしろ明るい決意をもそこから感じました。



雲のなき空のさびしさ日記買ふ

確かに、日記を新しくするということは、冬の青空のように晴れ晴れとした気持ちとともに一抹のさびしさも。 と思ってると、なんだかいろんな感情がそこにこもってるような気もしてきた。
んー、日記に迷う深層にはそんなところがあるのかも。死と再生とか。 (ま、もっともスイッと買えちゃう人もいるんだろうけれど) 遮るもののない空の向こうにある永遠へと歩を進めるのをしばし躊躇うような。
しばし突き抜けた青空を眺めたあと、淡いさびしさを感じながらも、また一歩進むために、新しい気持ちで日記を買いに行きたいものですが。そんな思いに添ってくれる一句なんですね。



大晦日だらりだらりの餃子かな 

だらりだらり、がいいですよね。もうそれだけで、、
コンビニで買う冷凍の、皮のべろ〜んと伸びきっただらしない餃子、、あーでもあれ食べたくなるんだけど、たまに。
大晦日のちょっと間延びしきった時間の中での、適当にだらだら食べられてる餃子たち。 どうでもいいやぃ、って心持ちも幽かににただよう大晦日にぴったりこん。 また明日から始まっていくんだね。
クリスマスにへろへろワンタンすするってのあるけど、、大晦日は餃子なのか、、、そうでしょう、きっと。



閑けさや子の泣く家の吊られ鴨 

子供が泣き止まず、で、吊られ鴨(って言葉もなんだかアレですよね、吊るし鴨じゃなくて)、Asianな雰囲気漂ってますが、そこに、閑けさや!なんですね。
蝉が喧しく鳴いてて、しかもそこに深い静寂を感じるというZONEな感覚、 岩にしみ入る蝉の〜
きっと子の泣き声を吸収してるのは吊るされちゃってる鴨なんでしょう。(吊るされちゃってる動物ってそんな力があるような) まるでvanitas(寓意的な静物画)の中の息絶えた動物を見ているよう。
そうか、これは生(子)と死(鴨)の寓意画を見つめている閑けさだったのか。

ま、それにしても、子どもが逆さ吊りになって泣いてる(・_・ horrorな情景もポッカリ浮かんでくるんですけど、、、
なんとなく噛めば噛むほど、juicyな句。 鴨肉のような、、



他、好きだった句

市ヶ谷にメトロ響くや初時雨
冬晴や喪服にニトログリセリン
凍星やカタカナ尖る手紙あり 



長くてゴメンなさい。
こんにちは。ういろうです。沖縄も冬を感じる季節になりました。南の島ですが日本海側と同じ地理状況なので冬は北風がどうどうと吹きつけます。寒い日は意外にしっかりと寒い。昨日今日は時雨空でした。暑い日は冬でも半袖Tシャツに戻るんですけどね。

今回も選にてバーチャル参加をさせていただきます。


◎宴果てて立小便の寒昴

今回の私の一等。空間と時間の広がりが無理なくしっかりと納めてあって句がきちっと立っている。「あれ?これ選外?」と意外に思いました。
立ち小便をする自分の「こんなもんか」という温かい小ささと、冬の夜空の厳然とした大きさと。



○雲のなき空のさびしさ日記買ふ

日記の表紙の色が見えそうな。日記に書きつける日々が雲となっていくのでしょうか。



○句の順をそつと変えたる年忘れ
○ひとりこぐスワンボートや鴨のこゑ

この2句は内容に感じ入ったというよりも、言葉の流れ、句の仕立ての確かさが光って見えました。「そっと変えたる」と「年忘れ」の語の響き合い、公園の池の情景の配置の的確さ、言葉の座り具合。言葉そのものの魅力を丁寧に引き出す俳句の正統の作法を感じました。…しかし、スワンボートを独りで漕ぐというのは、どういった状況だったのでしょう?ちょっとわたしには絶対できないというか、漕いでいる方の心持をどう捉えていいのか???です。(笑)




今回は、後は雑談風な補遺を。


日短かカシオ計算機のパネル オクタビオ

「カシオ」が「電卓」よりもわかりやすいところがいいですね。ちなみに私は電卓はキャノン。AC(御破算ボタン)の位置がとっても大事。…でも「カシオ」を「キャノン」にしたら句として成立しませんね。


市ヶ谷にメトロ響くや初時雨 オクタビオ

「メトロ」に「初時雨」??と最初疑問に思ってしまいましたが、「市ヶ谷」でした。丸ノ内線が地上に浮かび上がってくる景色ですね。駅で待ってても、電車に乗ってても、地下鉄と地上の景色の出会いっておもしろいですね。そんな地下鉄の実態は東京の人しかわからないよ、と一瞬思いましたが東京の句会なのだからそれでよいのです。


鴨跳ぶやマラソン人の靴響く

「マラソン人」。いつわまゆみ。そんな日本語あるか?とヒット当時皆内心思っていたのに名曲なのでついつい許されてきた歌詞のパート。でも聖書にもペリシテ人とかパリサイ人ってそんな日本語あったのか?ってパートがあって、こちらは神ってる権威が後ろ盾で許されてますからね。マラソンびとも時代が巡って「あり」だと思えるようになりましたか。言葉は生き物。ルールよりも生きていくことを選んでいきます。


橋渡る今日も鴨鳴く不可もなく 泡沫

私、以前他のサイトで和歌詠みに熱中していた時期がありました。現代短歌ではなく、掛詞(かけことば)だの縁語だのを時には駆使して古語で花鳥風月を詠むという思いっきりアナクロなやつ。そこでは掛詞というものを真顔で尊重する文化があるのですが、まさにそのお手本のような作。
 「可もなく不可もなく昨日、今日、明日と橋を渡るように生きていく」「橋を渡りながらいつものように鴨の鳴き声を聞く変哲のない平和な風景」。お見事なダブルミーニング。詞の続けざまのおかしうこそ、みたいな賛辞のつく古典和歌を思い出しました。

 鴨が鳴く鳴いてもいいよいいカモネ
こちらはあっさり。語呂と掛詞だけで押し切ってスタンダードになった古典和歌もあります。これもありかも。…ま、俳句の作法としては別の話カモですが。


では。今年は押し入るように参加させていただきましたが、お付き合いありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。




拙作)
初日記質(たち)も習ひも載せ換へて
すずろなる鴨の行方の水面かな

>>[4]  バーチャル参加&観賞ありがとうございます。「仕立ての確か」で「正統」派の今朝です(これからはそれを売りにしよっと^^)。「スワンボート」は拙句です。掬って頂いてありがとうございます。お題の鴨を句会の直前に料理したんですが、やっぱり題詠は身になりますね〜。えっ、スワンボートひとりで乗りません? あ、だからなにかと職質されるのかなあ、ぼくは^^+
>>[4]
いつも的確かつ温かくてうれしいコメント、ありがとうございます。
わたしの「市ヶ谷のメトロ」の句は、地下鉄に乗ってる自分ではなく、市ヶ谷駅の近くを歩く自分が、地下鉄が通過する響き/震え感じた、というのが風景を詠みました。ういろうさんが膨らませてくれたイメージもステキです。ありがとうございます(^^)
市ヶ谷駅は釣り堀とかがあって、水面に時雨が映える景色なのです。
あすたです。
一月分の選をやっていて先月分がまだだったと気付いて。
創作はその時その刹那で新鮮さが勝負ですが、選への鑑賞、評論については鮮度は関係ないかと。
遅くなりましたm(._.)m 。

○大晦日だらりだらりの餃子かな
締まりのないまま年を越してしまう後ろめたさや無気力が、蕎麦でもカレーでも、栗きんとんでもない餃子という落とし具合に一本取られた感覚。

○しをりひもまづ出し伸ばし新日記
新しい日記帳を買ってまずやることに栞紐を伸ばすというのは共感できたのでいただく。
しかし「まづ」は要らない。「出し」「伸ばし」はどちらか一つに、という課題がまだ残っている。

○また仰ぐ鵯にまかせし筈の柿
木守柿をヒヨドリに任せるという感覚がやや仰々しくて面白い。共感が得られないのは「また仰ぐ」と「筈」が余計なんだと思う。

○人よりも壊れやすくて初氷
だいぶ弱いひとを連想させられそうだが、それなら思い切って「人よりは壊れにくくて初氷」の方が伝わりそうな。

拙作
やぶだたみ鴨打つらしき筒の鳴り
これ、別のところに出しても難解と言われてました......。

みなさまこんばんは。このたび二回続けて欠席してしまい、とてもさびしい思いをいたしました。身内イベントでいっぱいいっぱいだった年末年始がようやく一息…というところです。それにしてもあまりに遅い、というお叱りを受けること承知で、本日投稿させていただきます^^;

◯冬晴や喪服にニトログリセリン
死が二重三重にとりまいているようなクールさ。ニトロは心臓病の持薬でしょうか。人の死も自分の死も紙一重、と思いながら今は冬空の青を見上げる。遥けさと、どこか突き抜けきれない憂鬱との取り合わせが新鮮でした。

◯クルトンの揺れや半分濡れる鴨
半分!当然水に接しているお腹なのでしょうが、なぜか反射的に右側半分斜め切り、みたいないわば横からばしゃっと水引っ掛けられたようなアクシデントを想像してしまいました。半分、というとぼけた表現にそんな連想を誘われたものか。水辺のレストランかどこかでスープの浮身を眺める作者の心情、語られないだけかえって面白く身近な感じ。ギリギリかもしれないけど(笑)

大晦日だらりだらりの餃子かな
そうかーこういう大晦日もあったよね、と膝を打つ描写。省略も利いていて、ふと気がつけばあまりすることのない歳晩(というか、昼間のほうがいいのかなこの場合)の風景がそのままそこにある。

◎オーロラも見れるかしらと日記買う
おじさんは「ら抜き」言葉を断じて許しません。なのでそれだけで取れんぞけしからん!となる可能性もあったのですが、形が端整で言葉の運びもスムーズ、そしてオーロラの喚起力はやはり魅力的でした。でもねでもね「見られるかしら日記買う」のほうが、ら抜きも解決できるし中七できちんと切れるので全然いいと思うの。あえて言いますが。

◯襖越しCM明けの徹子の部屋
襖、ですよねえ。なんというか、そう、私達の親世代が一生懸命作ってきた団欒スペースの居心地がいいような悪いような空気。それを襖越しにぼんやり(あるいはひりひり)感じ取っている様がたった十七音でみごとに描き出されました。好きか嫌いかって言ったらあんま好きな景じゃないんですけども(笑)手練だなあ。

◯凩やマックポテトの塩まばら
まばら、は他の言い方あるかもしんない、と思いながら木枯のマック、やっぱり心を掴まれます。

◯闘病のはじめの一歩日記買う
まだ見ぬ月日が、病身を励ましてくれます。手帳メーカー高橋書店のキャッチコピー「未来が、はじまるよ。」を思い出します。ただ「闘病」と一言ですませてはいけないんじゃないか、とも感じる。病に向き合う(自身でも他人でも)せつなさ切実さから、やや距離があるのではないか、と。

宴果てて立小便の寒昴
道具立ては平凡かもしれませんが、情けなくも立ちのぼってしまう湯気と真冬のすばるの取り合わせがやっぱり、いい(笑)「果てて」「の」という言葉の運びには、もう少し面白くする手立てがあるような気がしますが。

◎しをりひもまづ出し伸ばし新日記
こういう小さなところを誠実に描写していくこと、これが言葉の技法というよりも、いわば「生き方」として、俳句の形式に添うているのではないかと、近頃しみじみ思うのです。いや「まづ」とか「出し伸ばし」あたりは充分に技巧的なんですけれども(笑)

◯うすき刃のうすき脂や鴨料理
日本料理でしょうか。壊れそうな冬の日をそっと呼吸しているような、壊れやすい冷たい空気を「うすき」(それも繰り返し!)で追求した一句と拝見しました。詩は感性のひけらかしじゃない、ということ。

日短かカシオ計算機のパネル
うーんこれはやっぱり真似できない!鮮やかでしかも情のある取り合わせですね。作者がわかって、さもありなんと深く頷きました。ただ形としては「短日の」でぴしっと決めるという手もある?そのあたりいかがでしょう^^

◎一日がなつかしくなる冬至の日
うわーこれ泣いちゃう(笑)「なつかしくなる」なんて実は相当の、冒険です。でも「一日」のかけがえのなさはこういう言葉でくるんであげたいですよね。あえて言うなら「日」がだぶってるのは…「冬至かな」などではダメですか。切れ字では構えすぎか。

その他気になった句:
凍星やカタカナ尖る手紙あり→カタカナは元々他の字に比べてカクカクしています。でもあえてそのように言っているのは、作者がことさらにそう感じ取ってしまったというココロ、かなり主情の勝った表現ということでしょうか。それが凍てつく星なのか。「あり」も、そう言わなければならない理由が作者にはあるのか。

閑けさや子の泣く家の吊られ鴨→盛り込みましたねー(笑)「吊られ鴨」という表現も、ちょっと窮屈で厚塗りな気がします。されどそこに「閑けさ」とは!たしかに仰天です。翼さんの俳句的核心に最速で到達する感覚と表現のバランス、尋常じゃないと私は睨んでおります。
>>[9]
コメント、ありがとうございます!(^^)
カシオ計算機の句、おっしゃるように最初は、短日の、としてたんですが、なぜかそのときはリズムが気に入らず、日短か、としました。でもいま考えると、短日の、方がいいかも。笑

こういう試行錯誤、大事だとつくづく。
本年もよろしくお願いします(^^)
>>[9]
オーロラの句、コメントありがとうございます!
軽さというか、浮わついた気分を出すためにら抜き言葉にしたのですが、俳句の形式を考えるとやはり「られる」の方がいいような・・・悩ましいです。

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